冬は一年のうちで最も星空の美しい季節。寒いからって家で縮こまっているのはもったいない! 冬に楽しめる天体イベントや、初心者でも楽しめる星空観察のポイントを「星空案内人(R)」に伺いました。
しかし冬は星空の美しい季節、星空を見上げるチャンスはまだ残っているはず! そこで「星空案内人(R)」である泉水(せんすい)朋寛さんに伺いました。
宇宙を身近に感じられそうなイベントが目白押し。
ところで、冬はなぜ星空がキレイと言われているのでしょうか。空気が澄んでいるから?
「太平洋側であれば、晴れる日が多いこと、空気が乾燥し澄んでいることなども理由になります。でもそれだけではなく、日本の冬空には明るい星がたくさん輝いているからなんです。他の季節にも明るい星はいくつかありますが、冬は飛びぬけてその数が多いのです。また冬は風の強い日が多く、そのために星が瞬いて見えるので星空がより印象的に感じられるということもありますし、冬は日が暮れるのが早く夜が長いので夜空を見上げたり星に気づく機会が多いということもポイントになりますね」
ベテルギウスやリゲル、ひときわ光るシリウスなど、冬の夜空は、確かに明るい星のオンパレード。とはいえ、都市部ではなかなか見えませんよね?
「もちろん人里離れた山や海岸に行けば美しい星空に巡り合えます。夏なら天の川も見えますしね。とはいえ街中でも『見よう』という意志さえあれば、星の輝きに気づくはず。僕は六本木ヒルズの展望台(東京シティビュー「スカイデッキ」)で定期的に行われている星空観察会に参加していますが、都会のど真ん中ですから、やはり全体的に空が明るくて透明度も悪いです。ですが、視線より高いところには明かりがなく、直接目に入る光がほとんどないので、意外とよく見えますよ。あくまでも『意外と』ですが。12月に行われた『ふたご座流星群観察会』では比較的暗い星まで見えて、流れ星もたくさん数えられたようですしね」
六本木ヒルズで星空を楽しむなんて、意外だけど素敵すぎます!
「なるべく暗いところで行うことですね。街灯や建物の明かりが目に入らないようにすると、住宅街でも意外とよく星が見えます。月の観察でないなら、月明かりがないタイミングを選ぶとさらによいでしょう。またなるべく視界が開けているところの方が空が広く見えて楽しめます。冬なら防寒をしっかりと。明るめの服装にしておくと安全です。懐中電灯や折り畳みイス、レジャーシートなどがあると便利ですよ。星空観察は夜間の活動で、しかも暗いところで行うことが多いですから、何といっても安全に気をつけること。必ず大人と一緒に、複数人で! また騒いだりゴミを散らかしたり、私有地に入ったりということのないように。こうした大原則を守ったうえで楽しみたいですね」
子どもを連れて星空観察に出かけても、夜の暗闇が怖くて泣いたり、寒くて嫌がるかもしれません。でも頭上に広がる星空に驚き、宇宙の不思議さ・雄大さに感動することだってあるかも。また非日常のイベントを一緒に体験することで両親を近くに感じ、いつもは話せないようなことをスラッと話せちゃうことだってあるかもしれません。
テレビの音もゲームの音もしない静かな場所でただ星空を眺め、「きれいだね」「不思議だね」とつぶやく時間はきっと忘れがたい体験となるはず。星空観察は、現代社会においては悠長すぎるイベントですが、悠長だからこそ親子の距離が縮まるいいチャンス。ホットドリンクを水筒に詰めて、今夜にでも出かけてみませんか?
※「星空案内人(R)」は 山形大学の登録商標です。
スマホのアプリがあれば初心者でも大丈夫
満天から降りそそぐ星の群れ……ロマンチックですね。私も子どもとふたご座流星群を見る計画を立てましたが、大寒波襲来により挫折しました。無念。しかし冬は星空の美しい季節、星空を見上げるチャンスはまだ残っているはず! そこで「星空案内人(R)」である泉水(せんすい)朋寛さんに伺いました。
この冬から春にかけて楽しめる天体イベントは?
・皆既月食
2015年4月4日の19時過ぎに月が欠け始まり、月が完全に地球の影に隠れる『皆既食』となるのは21時ごろ。23時ぐらいまで楽しめる。
・金星
夕方の西の空に一番星として輝く。1月22日、2月21日、3月23日には細い月と並んで見えるほか、2月下旬には火星と見た目上、大接近も。
・木星
宵の空でとても目立って見える。春にかけて21時ごろに南東から南の空の高いところでひときわ明るく輝くのでわかりやすい。
「最大のイベントは『皆既月食』です。そのほかにも、宵の明星(金星)や木星が見やすくなってきます。木星は、天体望遠鏡で観察すると縞模様やガリレオ衛星が見えて、より楽しめると思いますよ」2015年4月4日の19時過ぎに月が欠け始まり、月が完全に地球の影に隠れる『皆既食』となるのは21時ごろ。23時ぐらいまで楽しめる。
・金星
夕方の西の空に一番星として輝く。1月22日、2月21日、3月23日には細い月と並んで見えるほか、2月下旬には火星と見た目上、大接近も。
・木星
宵の空でとても目立って見える。春にかけて21時ごろに南東から南の空の高いところでひときわ明るく輝くのでわかりやすい。
宇宙を身近に感じられそうなイベントが目白押し。
天体望遠鏡などを持たない初心者でも楽しめるの?
「もちろん肉眼でも星空は十分楽しめます。当日の何時にどの方角に何が見えるかといった星空の様子や、注目の天文現象などの情報はインターネットで調べておきましょう。そのうえでスマートフォンのアプリを使うと便利。スマートフォンを夜空にかざすと方位や傾きを検知し、かざした方向にある星や星座の名前を教えてくれたり、リストから目的の天体を選べば見える方向までナビゲートしてくれたりするんです。オススメは『iStellar』『SmartStellar』などですね。双眼鏡があればさらに暗い星が見えたり月の模様がハッキリ見えて、いっそう面白くなります」(C)iStellar/AstroArts
(C)SmartStellar/AstroArts
六本木でも「意外と」星が見える!?
ところで、冬はなぜ星空がキレイと言われているのでしょうか。空気が澄んでいるから?
「太平洋側であれば、晴れる日が多いこと、空気が乾燥し澄んでいることなども理由になります。でもそれだけではなく、日本の冬空には明るい星がたくさん輝いているからなんです。他の季節にも明るい星はいくつかありますが、冬は飛びぬけてその数が多いのです。また冬は風の強い日が多く、そのために星が瞬いて見えるので星空がより印象的に感じられるということもありますし、冬は日が暮れるのが早く夜が長いので夜空を見上げたり星に気づく機会が多いということもポイントになりますね」
ベテルギウスやリゲル、ひときわ光るシリウスなど、冬の夜空は、確かに明るい星のオンパレード。とはいえ、都市部ではなかなか見えませんよね?
「もちろん人里離れた山や海岸に行けば美しい星空に巡り合えます。夏なら天の川も見えますしね。とはいえ街中でも『見よう』という意志さえあれば、星の輝きに気づくはず。僕は六本木ヒルズの展望台(東京シティビュー「スカイデッキ」)で定期的に行われている星空観察会に参加していますが、都会のど真ん中ですから、やはり全体的に空が明るくて透明度も悪いです。ですが、視線より高いところには明かりがなく、直接目に入る光がほとんどないので、意外とよく見えますよ。あくまでも『意外と』ですが。12月に行われた『ふたご座流星群観察会』では比較的暗い星まで見えて、流れ星もたくさん数えられたようですしね」
六本木ヒルズで星空を楽しむなんて、意外だけど素敵すぎます!
星空観察は防寒・安全・マナーに注意
そうは言っても、一般的に星空観察はやはり光があまりない場所の方がいいですよね。注意点などがあれば教えてください。「なるべく暗いところで行うことですね。街灯や建物の明かりが目に入らないようにすると、住宅街でも意外とよく星が見えます。月の観察でないなら、月明かりがないタイミングを選ぶとさらによいでしょう。またなるべく視界が開けているところの方が空が広く見えて楽しめます。冬なら防寒をしっかりと。明るめの服装にしておくと安全です。懐中電灯や折り畳みイス、レジャーシートなどがあると便利ですよ。星空観察は夜間の活動で、しかも暗いところで行うことが多いですから、何といっても安全に気をつけること。必ず大人と一緒に、複数人で! また騒いだりゴミを散らかしたり、私有地に入ったりということのないように。こうした大原則を守ったうえで楽しみたいですね」
子どもを連れて星空観察に出かけても、夜の暗闇が怖くて泣いたり、寒くて嫌がるかもしれません。でも頭上に広がる星空に驚き、宇宙の不思議さ・雄大さに感動することだってあるかも。また非日常のイベントを一緒に体験することで両親を近くに感じ、いつもは話せないようなことをスラッと話せちゃうことだってあるかもしれません。
テレビの音もゲームの音もしない静かな場所でただ星空を眺め、「きれいだね」「不思議だね」とつぶやく時間はきっと忘れがたい体験となるはず。星空観察は、現代社会においては悠長すぎるイベントですが、悠長だからこそ親子の距離が縮まるいいチャンス。ホットドリンクを水筒に詰めて、今夜にでも出かけてみませんか?
※「星空案内人(R)」は 山形大学の登録商標です。