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子どもの夢応援企画 第13回:プロ野球選手 駒田徳広さん

子どもたちの憧れの職業について、その道のプロからお話を伺い、子どもたちの夢の育みをサポートする『子どもの夢応援企画』。今回は特に男の子たちに人気の職業「プロ野球選手」。プロとして20年間活躍し、現在はプロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplus、高知ファイティングドッグスの監督を務める駒田徳広さんにお話を伺いました。

とにかく遊んで、水泳を頑張った子ども時代

小さい頃におじいさんとしたキャッチボールがきっかけで野球に興味を持ったという駒田さん。しかし、意外にも本格的に野球を始めたのは中学に入学してからとのこと。

「幼稚園の頃から野球は好きで、小学生の頃には友達とよく草野球をしていました。当時は王選手がたくさんホームランを打つ姿に憧れて、この頃から野球選手になりたいと思っていましたね。でも僕の住んでいる地域には野球チームがなくて…だから小学生の頃は水泳に打ち込んでいましたよ。」

「水泳以外はとにかく遊びました。鬼ごっこしたり、木登りしたり。プロになってあるコーチから、体のバランスがすごくいいと言われたことがあるんですけど、そうやって子どもの頃に自然の中で思い切り遊んでいたのが、体作りにも役に立ったんだと思います。」

大学進学をやめ、飛び込んだプロの世界!

中学、高校と野球に打ち込んだ駒田さん。高校卒業後は大学に進学して野球を続けようと思っていたところに、憧れの読売ジャイアンツからドラフト2位に指名され、プロ野球選手になることを決意します。

「小さい頃から巨人に憧れていたので、指名されたのは素直にうれしかったです。しかし、大学に進学してほしいという親の気持ちもわかっていましたから、悩みましたね。でも、こんなチャンスはもう来ないと思ったのでプロ入りを決めました。そうやって、大学進学という親の期待を裏切ってまで選んだ道だったから、プロの世界でも頑張れたところはありますね。」


入ってみて初めて知るプロの厳しさ

夢を叶え、プロ野球選手になった駒田さんですが、入団後の2年間は二軍生活が続きました。

「練習は厳しいし、たくさん叱られましたが、そんなことよりも一番きついのは自分で自分がもうダメかもしれないと思ってしまうこと。二軍の時はそういう時期もありました。そんな経験や失敗を重ねる中で生まれたのが、僕の“積極的マイナス思考”という考え方なんです。」

駒田さんといえば、「満塁男」と呼ばれ、勝負強いイメージですが、実は打席に立つときには常に「失敗するかもしれない」というプレッシャーと戦っていたそう。

「よく『プラス思考で行こう!』って言いますよね。天才的な人はそれでもいいんです。でも普通は打席に立つときにいいイメージを持っていても、ピッチャーがボールを投げる瞬間に『ダメだったらどうしよう…』ってマイナスの気持ちを持ってしまう。そうすると、失敗してしまうんです。」

「だから僕は、逆に最初から『失敗してもいいじゃないか』って思うようにしていました。すると開き直った気持ちで思い切ることができる。この“積極的マイナス思考”が、ここぞという時の勝負強さにも繋がったのかもしれませんね。」

4度の優勝はそれぞれ違った喜びだった!

プロ入り3年目には開幕一軍入りを果たし、その勝負強さを武器に読売ジャイアンツとその後移籍した横浜ベイスターズでそれぞれ優勝に貢献しました。

「やっぱり優勝はうれしいものですが、その時の立場によって喜びも違いましたね。若手の時は自分たちがチームに勢いを与えたと感じていたし、中堅の時は俺たちがチームを絶対に勝たせてやるという気持ちだった、ベテランになってからは若い選手が僕の言うことに耳を傾けることでいい方向に向かうことも多かった。その時、その時のやりがいみたいなものを感じられたし、チームの一員でいられることがすごくうれしかったですね。」

そんな駒田さんにも時には調子の上がらない時も…。そんな時の乗り越え方は?

「よく人からはコロコロ考え方が変わるって言われるんですが、僕はそれが自分自身の一番の武器だと思っていました。何かアドバイスをもらったら『それ、おもしろいですね』とパッとやってみるんです。」

とにかくいいと思ったことは何でも試す。そうすることで自分の中の引き出しがいっぱい増えるから、調子がいい時はこの方法、ひざが痛い時はこの方法といった感じでいろいろなことができる。でも、自分のやり方だけだとそういう引き出しがないから、体力や気力の衰えがそのまま数字に出てしまうんですよね。自分を変えることはすごく大変だけど、それができた人がきっと成功できるんだと思います。」


現役時代の経験を生かして挑む監督業

現役引退後は若手の育成にも力を注いできた駒田さん。現在は独立リーグ・高知ファイティングドッグスの監督として、NPB(日本プロ野球機構)入りを目指す選手たちのチームを率いています

「指導にも自分の現役時代の考え方が生きています。チームの中にもなかなか自分を変えられないと言うヤツはいます。そんな時によく僕が言うのは、『そのやり方が本当に合っていたなら、今ごろ君は東京ドームの打席に立っていたかもしれないんだよ。立てていないってことは君は自分を変えなきゃいけない。ここはその最後のチャンスなんだ』ってこと。」

「独立リーグはとても厳しい世界。その中で僕たちができることは、可能性のある選手に壊れるギリギリのところまで頑張らせてどうにか上(NPB)に押し上げてあげることと、精一杯やって悔いなく野球を諦めさせること。いろんなアドバスに片っ端からチャレンジしてそれでもダメだった、全てをやり尽くしたと思って、第二の人生を歩み出して欲しいんです。」


子どもたちの素朴な疑問に駒田さんがお答え!

ここで駒田さんに、子どもたちから寄せられた3つの質問にも答えてもらいました。

ミスしたときにどうやって気持ちを切り替えますか?

「僕は1塁手でしたが、ここは守備率が99%くらいでほとんどエラーのないポジション。そこでエラーしてしまった場合は自分に『あと99回は成功するから大丈夫だ!』って言い聞かせてましたね。ここで『今度は失敗しないようにちゃんとしなければ…』と思ってしまうと、ミスがミスを呼んでもう一回やってしまったりするんですよ。」

試合のとき以外はなにをしていますか?

「試合以外の時間も基本は野球をするための準備をしています。ボールを使った練習だけでなく、体作りだったり、打撃のプランを考える事も準備のうちです。オフシーズンは僕は思い切り遊んでいました(笑)。でも、今の選手たちはオフもトレーニングしていますね。オフ中も次のシーズンのことを考えたり、常に頭の中では野球のことを考えていますよ。」

ヒットをたくさん打つコツを教えてください。

開き直って、思い切りバットを振ることです。開き直る=負けを覚悟するということは一番勇気のいること。結果を気にして思い切ったプレーができないのが一番恥ずかしいんじゃないかな。負けを覚悟で思い切りやって、それでダメだったら『自分の練習が足りなかったからだ』とまた一生懸命練習すればいいんです。」


願うだけじゃなく、夢を目標に計画を立てることが大事!

最後に野球選手を目指す子どもたちにメッセージをいただきました!

ただ夢見て『プロ野球選手になりたい』と思ったって絶対になれません。夢を叶えるためには、それを目標にし、そのための計画を立て、やるべきことを習慣や日課に落とし込んでいくんです。そうやって少しずつ距離を縮めていくことが、夢を叶えるための秘訣だと思います。」

「例えば小学校6年生の子が野球選手になりたいと思ったら、まずは甲子園を目指しますよね。もちろん、僕みたいに甲子園に出なくてもプロになれますが、出る方が近道だと思うので。そう考えると、甲子園に行けそうな高校に入らないといけない。まずは今から高校受験までの4年間を考えるんです。そうすることで漠然としていた夢が目標になります。」

「4年間で野球はこれくらい上手になりたい、野球だけじゃダメだから勉強もこのくらいまでは頑張ろうって決めたとしますよね。じゃあ、この1年はどうするか、この1か月は何をやっていくのか、そして今日はどうしようって考えていくんです。そうやって夢への距離を少しずつ縮めながらぜひ頑張っていってほしいと思います。」

駒田さん、貴重なお話をありがとうございました。『子どもの夢応援企画』第14回は「イルカの調教師」です。お楽しみに!

取材協力:高知ファイティングドッグス

四国4県を主な活動地域とするプロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知県のチーム。NPBやMLBなどトップリーグ入りを目指す若手選手が所属し、日々の練習・トレーニングや公式戦、NPBとの交流戦などを実施している。さらに地域の人々との交流や地域貢献にも積極的で、地元の子どもたちのための野球教室の開催や地域イベントへの参加、ボランティア活動などを行っている。

高知ファイティングドッグス

お話を聞いたのは…

  • 駒田徳広さん

    1981年、奈良県立桜井商業高校からドラフト2位で読売ジャイアンツに入団。3年目で開幕一軍入りし、日本プロ野球史上初となるプロ初打席での満塁本塁打を放つ。その後も、満塁時の打席での勝負強さから“満塁男”と呼ばれ、ジャイアンツで3度の優勝、その後移籍した横浜ベイスターズでも優勝に貢献。2000年に現役引退してからは後進の育成に力を注ぎ、現在は高知ファイティングドッグスの監督を務めている。

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ライター紹介

石橋 夏江

編集プロダクションverb所属。編集者・ライター。趣味は、旅行と写真とスキューバダイビング。プライベート旅でも、取材旅以上の分刻みスケジュールを組むため、友達がなかなか一緒に旅行に行ってくれないのが最近の悩み…。

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