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授乳後、赤ちゃんのゲップはなぜ必要?出ないときの対処法は?

生まれたばかりの赤ちゃんの授乳。飲ませ終わったら「ゲップ」をさせるようにと聞きますが、なぜ授乳後はゲップが必要なのでしょうか?「上手に出せなかったらどうなるの?」「ゲップが出ないのはやり方が悪いから?」そんなママの不安にお答えするため、助産師さんにお話を伺いました。

授乳後の「ゲップ」は必ず出るとは限らない!

「赤ちゃんが母乳やミルクを飲んだあとは、必ず『ゲップ』が出るものだと考えているママも多いですよね。結論から言うと、ゲップは必ずしも出るものではないんです。」

そう話すのは、埼玉県で「地域で共に育っていく」をコンセプトに、新しいスタイルの助産院「さら助産院」を経営する、あき助産師さん。

「赤ちゃんの胃はとっくり状になっているので、授乳後そのまま寝かせてしまうと、飲んだものが逆流しやすい状態です。ゲップが必要なのは、胃の中の空気が飲んだものを押し上げることによる『吐き戻し』を防ぐためなんです。でも、いつも赤ちゃんの胃の中に空気がたまるわけではありません。」

では、ゲップが必要なのは、具体的にどのような場合なのでしょうか?


授乳方法や飲み方によってゲップが必要かどうかは違う

「ミルクと母乳とに分けて説明しますね。哺乳ビンでミルクを飲む場合は哺乳ビン内が真空状態にならず、赤ちゃんのお口に空気も入ってしまいます。そのため、ミルクの場合は胃に空気がたまりやすくなり、赤ちゃんはゲップしたほうが楽になることが多いです。」

一方、母乳の場合は赤ちゃんの飲み方によって、ゲップが必要あるかどうかが変わるそう。

「赤ちゃんが上手に飲んでいるときは『ちゅぱちゅぱ』という音がしません。これは、お口の中が陰圧(圧力が低い状態)になり空気が入らないためです。『ウクンウクン』と飲み込む音がするのは上手な飲み方。このような飲み方であれば、赤ちゃんの胃に空気が入らないのでゲップが出ないこともあります。」

また、赤ちゃんの成長段階によっても、授乳後にゲップを出す必要があるかどうかは変わってきます。

新生児期はまだ赤ちゃんも飲み方を練習中なので、ミルクや母乳を飲むときに空気をいっしょに飲みこんでしまいやすく、授乳後にゲップが出ることが多いもの。しかし、一般的に首がすわる3カ月〜4カ月ごろになると飲み方がじょうずになり、お座りができると、ママがゲップを出さなくても自然にゲップが出るようになるようです。


ゲップが出ないときは、無理に出そうとしないで大丈夫

赤ちゃんにゲップをさせるときの注意点はあるのでしょうか。

「ゲップの標準的な出し方は、抱っこしたまま、赤ちゃんの背中をしばらくトントンとなでさすること。それでもゲップが出ないときは、赤ちゃんがご機嫌かどうかを確認し、機嫌が良ければそのまま寝かせてあげます。」

ゲップが出ないのに寝かせても大丈夫なのでしょうか。

「もしも胃に空気がたまっていれば、赤ちゃん自身が気持ち悪いので、泣いたりぐずったりします。機嫌良くしているか、抱っこしている間に寝入ってしまうようなら、無理にゲップさせようとせず、むしろ眠らせてあげた方がいいかもしれませんね。」

授乳後は必ずゲップさせなければいけない、というわけではないようです。

「赤ちゃんが気持ち悪そうにしているか、気持ち良さそうにしているかを目安にするといいいでしょうね。胃にたまった空気は、ゲップではなく、オナラとして出ることもあります。ですから、赤ちゃんが機嫌良くしているなら心配ありません。」

それでも心配なときは?

でも、赤ちゃんが気持ち悪そうにしているのにゲップが出なかったり、ゲップをしたのに寝かせると吐くような場合は、ちょっと気になりますよね。そんなときは「赤ちゃんが苦しくない姿勢を作ってあげると良いですよ」とあき助産師さんは言います。

「仰向けに寝かせると、赤ちゃんの吐き戻したものが気道に入ってしまうことがあるので、赤ちゃんを横向きに寝かせると良いですよ。コツは顔だけを横向きにするのではなく、背中を横に向けること。こうしておくと吐き戻しても苦しくなることはありません。」

大人が気持ち悪いときにどんな姿勢なら楽になるか考えてみるとイメージしやすいのでは?と、あき助産師さん。

「食後すぐに仰向けに寝かせられたら、大人だって消化しにくいですよね。赤ちゃんも一緒です。大人がラクな姿勢を、赤ちゃんにもさせてあげたいですね。」


力みすぎず、赤ちゃんと気持ちよく過ごすことが大切

初めての赤ちゃんの場合、ママはいろいろな情報に振り回されてしまいがちです。

育児相談などでたくさんのママに接しているあき助産師さん。「育児書のとおりゲップが出ないのは、やり方が下手だからなのでは?」と自分を責めるママも少なくないと感じるそうです。

「私も子育て経験がありますが、ゲップが出ないなあと思ったらそのまま一緒に眠ったり、抱っこしたまま夕日を見に行ったりしました。しばらく夕日を眺めていたら、大きなゲップが出たり。『ああ、気持ち良かったねぇ』なんて声をかけたりしながら過ごしていました。」

ゲップに限ったことではありませんが、赤ちゃんも自分たちと同じ人間だと考えれば、どんなふうに対応していいか、イメージしやすいのではないでしょうか。授乳後、お腹いっぱいになって気持ち良いときに、背中をたたき続けられたらイヤですよね。ママは、もっと気楽に構えて子育てしてもいいんじゃないかな、と思います。」

ゲップは必ずしも出さなければいけないものではないようです。「少しくらい吐くのは生理現象」くらいの気持ちで、ゆったり子育てしたいですね。

お話を聞いたのは…

  • あき助産師さん

    愛知県春日井市生まれ。名古屋市立中央看護専門学校第一看護学科卒業後、聖母女子短期大学助産学専攻科(現 上智大学総合人間科学部)を卒業。大学病院などに勤務した後、大阪や名古屋市内保健所にて母乳ケアや新生児訪問に携わる。2009年5月、保健指導を中心とした「さら助産院」を開業。母乳育児相談や新生児訪問指導、また地元の子どもたちに「いのちの授業」活動を行う。二児の母。

  • 「さら助産院」ホームページ
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ライター紹介

宝水 幸代

1979年神戸生まれ。11年間の専業主婦生活から、思い立ってフリーライターに転身。小さい頃からの読書で培った、雑学と妄想力が武器。得意分野は医療系ライティング。歌やピアノでの音楽活動もしている。一人娘の母親。

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