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子どもに伝わりやすい叱り方、褒め方【てぃ先生連載】

掲載日: 2016年11月11日更新日: 2016年11月11日金子 陽子

保育園でのほのぼのエピソードを綴ったTwitterや書籍が人気のイケメン保育士、てぃ先生に聞く連載企画の3回目。今回は「叱り方、褒め方」がテーマです。「叱っても言うことを聞かない!」「どう褒めたらいいの?」といったお悩みを解決! 子どもの行動を自然と良い方向に導くコツを伝授いただきました。

そのほかの「てぃ先生連載」一覧、「てぃ先生に聞く!・前編後編」はこちら

「前も言ったよね!?」はNG!何度でも「初めて叱る」ように

大前提として「叱るのは、子どものため」、「怒るのは、大人の都合」と言う、てぃ先生。親としては「叱っているつもりでも、怒ってしまっていることもある」とチクリ。

「たとえば『騒いじゃダメ!この前も言ったよね!?』とか言っちゃうことありません? これはNGな例。叱りたいのは騒いでいることなのに、『この前も言った』ことに怒っちゃってます。

叱るときに過去の話を持ち出しても、子どもには伝わらないもの。1回言い聞かせただけで直るとは思わず、何度同じ間違いをしても「初めて叱るように叱る」ことがポイントだとか。

「なぜダメなのか、何回でも教えてあげてください。長々とお説教する必要はなくて、短く!わかりやすく!伝えること。理解させるのに時間はかかりますけどね。」

事前に叱る場面を想定してダメな理由を考えておくと、子どもが納得しやすく、親もとっさに怒らずに済むかもしれませんね。

伝わる環境を整えてから叱る

子どもがギャーギャーわめいているときに「静かにしなさい!」と叱っても、当然、子どもの耳には入りません。てぃ先生は園児の好きな歌を歌ったり、面白い声で呼びかけたり、それこそ変顔をしたりと、手を替え品を替えて園児の興味を引きつけてから、必要なことを言い聞かせているそう。

そうすれば大声で注意したり、強い言葉で抑えつけたりしなくても、子どもは聞く体勢になるとか。さらに語尾に「ね」をつければ優しい物言いになり、子どもの心に響きやすいそうです。


叱らずに子どもの行動を切り替えるコツ

そもそも「叱らずに済むことも多い」と、てぃ先生は考えます。

ケース1:電車で騒ぐ

車内とはいえ、子どもはたいてい親と自分しか見えていないため、普段と同じように大声で遊びがちです。だからまず周りの様子をよく見せてあげること。「みんな静かに乗っているね」「ご本を読んでいる人がいるね」「寝ている人もいるよ」など、車内でのお手本に目を向かせ、「電車の中ってこんな感じなんだな。こう過ごすんだな」と理解させるのが有効だそう。

ケース2:走ってはいけないところで走り回る

「人にぶつかると痛いからダメよ」と諭したり、「こっちで絵本読んであげる」と誘っても、ちっとも止めない…。そんなときは「思いっ切り走らせてあげましょう!」と、てぃ先生。一体どういうことですか!?

「僕がよくやるのは、その場で駆け足。全力でやってみせると、子どもも面白がって真似します」とのこと。なるほど、大人は走り回るのを止めさせることができ、子どもは走った気持ちになって満足できる、というわけですね。

【子どもの願望や行動の理由を探る】
「走り回るのに限らず、叱っても止めないときってありますよね。全然違うことに誘っても見向きもしなかったり。それより、子どもの『やりたい!』という気持ちを別の形でやらせてあげると、行動を切り替えやすいんです。」

てぃ先生は「子どもの行動の理由を考えること」も大切と言います。「走り回る=動きたい」というような単純な理由はもちろん、その場だけでなく前後の様子から「なぜ叱られるようなことをするのか」を考えてあげると、おのずと対処法が見つかるそうです。


できて当たり前のことも、見逃さずに褒めよう!

では、近年主流の「褒めて育てる」のポイントは? どんなところを褒めたら良いのでしょうか。

「僕は、なんでも褒めちゃいます! 朝、園児に会ったらまず『今日、髪型カッコいいね!』『その服、可愛いね!』と身だしなみを褒めますし、箸を使えるようになって半年ぐらいの子に『箸の持ち方、うまくなったね』と言ったり、『椅子に座る姿勢がいいね〜!』『靴下を上に引っ張るのが上手になった!』なんてアレコレ理由をつけて褒めたり。いくらでも褒めるところはありますからね!」

そうすると「箸をもっと上手に持ちたい」など意欲を高めることができるそう。何かが初めてできるようになったときに褒めることはありますが、「できて当たり前」になってからは褒めていないかも…そう思い当たる方も多いのではないでしょうか。上達したことを褒めつつ、大人がして欲しいことを付け加えていくことが、子どもの成長を促すのですね。

叱るは一瞬!褒めるは長々と

さらに、どう褒めれば良いのかも伺いました。

「やっぱり笑顔が大事ですね。たとえば『お手伝いしてくれたの?ありがとう!うれしいな〜』と褒めるなら、うれしそうな顔で言ったほうが伝わります。それから叱るときは過去の話はNGですけど、褒めるときは『前もしてくれたよね!』と付け加えてOK。子どもが恥ずかしくなるくらい、長々と褒めてあげてください。」

さっそく筆者も2歳の娘に実践! 「自分でお着替え」に飽きてきた我が子に「ボタンつけるの、早くなったね!」「昨日も一人で着替えられたよね。すご〜い!」と褒めると、うれしそうにお着替えしていました! みなさんも、ぜひ試してみてくださいね。

次回は、クリスマスシーズン目前! 子どもが「サンタさんを疑いはじめたら…!?」をテーマに伺います。

お話を聞いたのは…

  • てぃ先生

    関東の保育園に勤める男性保育士。ツイッターで保育園の日常をつぶやき続け(@_HappyBoy)、フォロワー数は43万人(※)超に。著書『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。』、『ハンバーガグー!』(いずれもKKベストセラーズ)のほか、原作を担当するマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA)も好評。オフィシャルブログや子育て関連のメディア、各地での講演会で、子育てや保育に関するポジティブなメッセージを発信。ちなみにアラサー・未婚、猫と二人暮らし。 ※共に2018年1月現在。

  • てぃ先生 Twitter
  • てぃ先生 オフィシャルブログ
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ライター紹介

金子 陽子

1976年生まれ。3年間のOL生活を経てコピーライター、編集ライターの道へ。連日終電ときどき徹夜の会社員生活に限界を感じた36歳の夏、待望の娘を授かり、独立。いい歳をして人見知りながら人物インタビューは大好き! 大抵その人のファンになる。いまだに3歳の娘のお肉が赤ちゃんみたいにフニフニで癒される。

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