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身近なものであそべる!「家の中のあそび」【あそびのたね連載】

掲載日: 2016年11月25日更新日: 2016年12月1日菊地貴広

金沢学院短期大学助教の村山大樹さんに「子どもとのあそび」を教えていただく【あそびのたね連載】も第4回目となりました。今回のテーマは、「家の中のあそび」です。身も心も解放されるおふとんやお風呂でのあそび、はじめてふれる「不思議」に胸を踊らせる科学あそびなど、家の中ならではのあそびを紹介します!

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リラックスできる家の中だからこそ、思いっきりあそべる!

ほかの人の目を気にせず、思いっきりあそべる「家の中のあそび」。普段生活している場所だからこそ、子どもが心を開いて、ありのままの姿を見せてくれると村山さんは言います。

「子どもにとって大切なのは、『パパやママといっしょにあそぶ』という経験です。大人にとっては、『こんなのでいいの?』と思ってしまうようなあそびでも、子どもは大喜び。雨などで天候が悪く外あそびができないときには、心からリラックスできる『家の中』でのあそびを工夫して楽しんでみてください。ときには外出するよりも、子どもの記憶に残ることがあるのです。」

家の中が楽しい記憶でいっぱいになれば、もっと自分の家が好きになるはずです。そして、親子のコミュニケーションもより深まっていくことでしょう。そんな、家の中のあそびをご紹介します!


ふとんを使った家あそび

◆ふとんもぐらたたき

<あそび方>
一人がふとんやこたつの中にもぐり、手に持った人形をふとんから出して、外で待ち構えるもう一人がもぐらたたき! 人形を持つ手をすばやく出したり引っ込めたりすれば、子どもがエキサイトすること間違いなしです。

<ポイント>
まずは、大人がもぐら役になりましょう。最初はゆっくりとした動きで、子どもがたたく感覚に馴れたら、徐々に素早くします。出すふりをして空振りさせたり、右から出すと見せかけて左から出したり、フェイントのお手本を見せたら選手交代。次は子どもがもぐらになる番です。

<村山さんから一言!>
「手足をたたいたら負けなど、いろいろなルールをつくってあそんでください。人形に見せかけて手を出すなどして、子どもを上手にひっかけてあげると盛り上がりますよ。」

<用意するもの>
ふとんやこたつ、人形やぬいぐるみ

◆ふとんで秘密基地

<あそび方>
ふとんを使って秘密基地をつくりましょう。敷きマットで壁や屋根をつくったり、タオルケットなどを出入り口にしたり、いろいろ工夫してみましょう。せっかくなら、家具や押入を利用した本格的な基地をつくってもいいですね。

<ポイント>
秘密の合い言葉をつくる、懐中電灯で中を照らすなど、工夫すればするほど秘密基地っぽくなります。お気に入りのおもちゃや絵本、お菓子などを用意して、基地の中でくつろげるようにしても楽しいですね。

<村山さんから一言!>
「基地づくりは、大人の本気度が試されるあそびです。高いところにロープをかけたり、大きな家具を使ったりして、大人のパワーを見せつけてあげましょう。身をかがめて子どもの目線になると、いつもの視点では目に入らない世界が広がっていて、大人にとっても発見がありますよ。

<用意するもの>
敷きマットやタオルケット、毛布など


お風呂でのあそび

◆タオルクラゲ

<あそび方>
湯船にタオルをフワッと広げて、両手で輪をつくるようにしながら下に向かってつかみましょう。輪の部分に空気がたまって、ぷっくりふくらんだ頭とユラユラゆれる足を持つクラゲの完成! 水中に沈めると、頭からブクブク泡がでてきます。

<ポイント>
大小のタオルを用意すれば、いろいろな大きさのクラゲをつくれます。浮かべたり沈めたりしながら、どっちが本物のクラゲっぽく見せられるか親子で競争してもいいですね。ただし、子どもがのぼせないように注意してあげてください。

<村山さんから一言!>
「昔からあるお風呂あそびの定番です。頭がつぶれるたびに何度もつくり直して、ぷっくりした感触や形の面白さを繰り返し味わいましょう。単純でありながら、繰り返し楽しめる。それが、このあそびの魅力です。

<用意するもの>
タオル

◆ヘアーデザイナー

<あそび方>
お風呂で髪の毛を洗うときに、泡でいろいろな髪型を楽しんでください。おすもうさんや人気キャラクターなどに見立ててもいいですね。ヘアスタイルは自由自在。お客さん役とスタッフ役でヘアサロンごっこをすると盛り上がりますよ。

<ポイント>
髪型だけでなく、泡で何かを形づくってもあそべます。怪獣、動物、虫、車、食べ物など、子どもの発想をどんどん引き出しましょう。「これ何に見える?」とクイズごっこをしても楽しそうです。シャンプーが目に入ったり、湯冷めしたりしないように大人が見守ってあげてください。

<村山さんから一言!>
お父さんやお母さんとお風呂に入り、いっしょにあそんだ。その記憶が子どもにとっては大切です。フワフワと、どんな形にもなる泡であそんで、子どもとの素敵な思い出をつくりましょう。」

<用意するもの>
シャンプー


科学を使った家あそび

◆ダイラタンシー

<あそび方>
「ダイラタンシー」とは、細かい粒子と水分が混ざっている状態で圧力がかかると、粒子間の隙間がせまくなり、液体から個体へと変化する現象のことです。それを片栗粉で応用したあそびがこちら。片栗粉と水を1対1の割合でボウルなどに入れ、よくかきまぜましょう。手にすくってギュッとにぎると個体になり、手を開くと液体に戻ってトロリと流れ落ちます。

<ポイント>
水と片栗粉は、1対1の割合がオススメです。ただし、部屋の温度や体温によってその比率は変わります。失敗は学びのチャンス。うまくいかなくても、片栗粉と水の量を調整しながら実験を続けてください。

<村山さんから一言!>
「なかなか言葉では説明しづらいですが、一度試せば、その不思議さにおどろくはずです。キュッと固まってからトロリと溶ける感触や、科学実験の雰囲気を楽しんでください。

<用意するもの>
片栗粉、水、ボウルなど

心と好奇心を育てる「ふとん」「お風呂」「科学」のあそび

今回紹介したのは、ふとんのあそび、お風呂でのあそび、そして科学にふれるあそびです。それぞれの素晴らしさについて、村山さんにお話を伺いました。

まず、フワフワとやわらかくて大きなふとんは、子どもが安心して身をゆだねられる場所だと言います。

「お風呂上がりにふとんに飛び込む幸福感や、一面に敷き詰められたふとんを前にしたときのワクワク感は、大人になってからも忘れないものです。また、『ふとんであそぼう!』を合図に寝室に行き、ひとしきりあそんでそのまま眠りにつくことも、家の中の楽しい思い出の1つになるでしょう。」

そして、温かいお湯につかり、一日の疲れをいやすお風呂は、もっとも親子が親密になれる時間だと言います。

「仕事で子どもと接する時間の少ない保護者の方は、休日だけでも子どもといっしょにお風呂に入ってみてください。その日にあったことを話し、頭を洗ってあげたり、逆に子どもに背中を流してもらったり、それだけで十分です。『裸の付き合い』が解放感を生み出し、普段なら話せないような深い会話ができるかもしれません。そんな、『お風呂マジック』もお風呂の醍醐味です。」

科学が見せる不思議な世界を純粋に楽しむ

科学にふれるあそびについては、大人が子どもと同じ目線に立ち、「なぜだろう」といっしょに不思議がることが大切だと教えてくれました。

難しい理屈は学校の授業にお任せして、家では純粋に科学の不思議を楽しんでください。そして、子どもが『なんで?』と思ったら、『なんでだろうね』とその気持ちに寄り添ってあげてください。それが、子どもの好奇心に火をつけます。」

ぜひ、見慣れた家の中を見渡してみてください。リビングで、ダイニングで、キッチンで、クローゼットで、子どもといっしょにたくさんの「あそびのたね」を見つけましょう!

※次回は、「ことばあそび」のたねを紹介します。

イラスト:後藤知江 『あそびのたねずかん』より

<出典>

『あそびのたねずかん』(特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所・著/東京書籍・発行)

『あそびのたねずかん』東京書籍公式サイトへ

お話を聞いたのは…

  • 村山大樹さん

    文教大学大学院教育学研究科修了。幼稚園の非常勤講師を勤めた後、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の研究員に。株式会社バンダイ、東京学芸大学、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の共同研究による「それいけ!アンパンマン コドなび!」や「Disney | KIDEA」などのプロジェクトにかかわる。2016年10月からは金沢学院短期大学助教として、遊びや学びに関する研究を続けながら、次の世代の教員・保育者養成に力を注いでいる。特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所 学術フェロー。

  • 特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所
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ライター紹介

菊地貴広

編集プロダクション・しろくま事務所(http://whitebear74.jimdo.com)代表。2014年に出版社から独立し、ファッション、グルメ、ビール、猫、タレント本など幅広く活動。2015年11月に男子が誕生し、息子に夢中。その成長を見るたびにフルフルと感涙する日々。

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