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意外な原因で子どもが「しもやけ」に!?予防と対応方法は

掲載日: 2016年12月15日更新日: 2016年12月15日飯田友美

「しもやけ」と聞くと、なんとなく過去の病気のような気がしていませんか? ところがこの「しもやけ」、今どきの子どもにも多いのだそうです。そこで、「しもやけ」にならないための予防法と、実際なってしまったときの対処法を、山形県出身で小学生のときまで毎年しもやけになっていたという「わかばひふ科クリニック」院長の野崎誠先生に伺いました。

しもやけの原因って何?

そもそも、どうしてしもやけになるのでしょうか。

「気温が低くなってくると、しもやけになる子どもが増えてきます。しもやけの原因は、濡れた手足の指などが血管の収縮がうまくいかずに冷たくなってしまうこと。

「血管は温度によって反応が違い、通常は温かいと広がり、冷たいと縮みます。気温が下がってくるこの時期、ずっと寒いところにいるなどしてこの調節がうまくいかないと皮膚に炎症がおきてしまいます。これがしもやけです。

具体的には、気温が0度から5度くらいのとき、雨やみぞれ、雪などで手足の指が濡れ、そのまま冷やしてしまうと、しもやけになりやすいのだそうです。気温が低ければ低いほど、しもやけになりやすいというわけではなく、「冷たいけれど乾いている」よりも、「あまり冷たくないけれど濡れている」ほうが、しもやけになりやすいとのこと。

「そして意外と知られていませんが、両親のどちらかにしもやけの経験がある場合、子どもにもできやすいのです。」

しもやけが遺伝するとは、驚きですよね。気温による血管の反応も「体質」ということで、その体質を受け継いでいるのかもしれませんね。

また、しもやけは、年齢が上がればできなくなると野崎先生。

「大人になると、しもやけになる人はほとんどいなくなります。一番なりやすいのは、幼稚園から小学校低学年くらいまでの子どもですね。また、赤ちゃんにはあまり『しもやけ』は見られませんが、ベビーカーに乗っているときに、たまたま足先や指先が冷えてしもやけができることはあります。」

小さな子どもは、濡れていても気にせずに遊び続けてしまうことがあるため、いつのまにか冷えて「しもやけ」になることが多いようです。汗で濡れた場合も同様ですので、靴下や手袋などが濡れてしまったらすぐに取り替えるとよいでしょう。


かゆい?痛い?「しもやけ」の症状とは

しもやけの症状とは、どのようなものなのでしょうか。

赤くむくみ、腫れていますね。ちょうど干し柿のような感じでしょうか。そしてジンジンとした感覚があり、『痛がゆい』です。しもやけ部分の血流がよくなるとズキズキと痛くなることもあります。」

かゆいだけでもなく、痛いだけでもなく、なんともいえない感覚だそう。しもやけを経験したことがある人なら、赤く腫れた様子を見るだけで「痛がゆい」感じを思い出しますよね。またひどくなると、腫れた部分が崩れてしまう(かさぶたのようになってむけてしまう) こともあるそうです。

「しもやけ」を予防するには

この痛がゆい「しもやけ」、できればなるまえに予防したいですよね。どんな対策をとればよいのでしょうか。

「濡れて冷えることが、しもやけになる原因です。寒くなってきたら、足が冷えやすい夏用のメッシュのスニーカーなどは控えたほうがいいですね。とくに雨や雪のときには、ブーツや長靴、雪用運動靴のスノトレ(スノートレーナー) などを着用し、濡れないように気をつけましょう。また、靴下も厚手のものがおすすめです。」

しもやけ予防で一番大切なのが、濡れたままの状態で冷やさないこと。前の日に雨や雪で濡れてしまった靴を、乾かさずに翌日そのまま履くのも控えましょう。そして外出時には、汗などで濡れたときにも替えられるように、予備の靴下を用意しておくといいですね。

また、家の中でも裸足で床を歩かずスリッパを履くなどして、なるべく足を冷やさないようにするとよいとのことです。しもやけになる要因を取り除き、しっかりと予防しましょう。

できてしまったら、どうしたらいい?

それでも、しもやけができてしまった、そんなときに家庭でできる対処法にはどんなものがあるのでしょう。

「しもやけになったところを、あたたかいお湯と冷たい水に交互につけて血流をよくしてあげましょう。また、こたつも有効です。遠赤外線で暖かくなりますし、症状を和らげることができますよ。」

いずれも、しもやけの症状を和らげるのはもちろんのこと、なりやすい子には予防にもなるそうです。

「痛がゆさ」がひどい場合は皮膚科を受診して

しもやけは予防することが大切ですが、もしできてしまったら少しでも楽になるようにしてあげたいですね。くれぐれも掻いたりして崩れないように気をつけて。

とはいえ、しもやけは炎症なので、あまりに痛みやかゆみがひどい場合や腫れてしまった場合などは、すぐに皮膚科を受診しましょう。かゆみを抑えるステロイド剤や、ビタミン剤、保湿剤など、症状によって適した薬を処方してもらえます。

自分が子どもの頃にしもやけになった覚えのあるパパママは、子どもがなる可能性があるので、寒くなるこの時期にしっかり予防してあげてくださいね。真冬のような寒さでなくても要注意です。手足が濡れたまま冷たくならないよう、気をつけてあげましょう。

お話を聞いたのは…

  • 野崎誠先生

    山形大学医学部卒業後、国立成育医療研究センター皮膚科勤務などを経て、2013年に東京都武蔵野市吉祥寺にわかばひふ科クリニックを開業。専門は小児皮膚科で、アトピー性皮膚炎とあざの診断・治療に力を入れている。院内Websiteのブログにて、今、この時に気をつけるべき皮膚の病気について、情報を発信している。

  • わかばひふ科クリニック
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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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