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ひらがなの読み書きを親子で楽しみながら学べる方法

「ひらがなの読み書きを無理せず遊びのなかで覚えさせたい」と思うパパママは多いはず。ひらがなをスラスラ覚える子がいる一方で、「うちの子はなかなか読めない」「うまく書けない」と悩む親も…。家庭で上手にひらがなを教えるには、どうしたらよいのでしょうか? 専門家にうかがいました。

ひらがなの読み書きは発達のごく一部

「日本では『読み書きが早いと頭がいい』と思われがち。そのため、3歳以前から勉強させる熱心な親御さんは珍しくありません。でも、焦りは禁物です」

こう話すのは、子ども向け教材や教育番組などの監修を手がける「チャイルド・ラボ」の所長で、認知発達支援の専門家・沢井佳子さん。

言葉の発達全体を山に見立てれば、ひらがなの読み書きは頂上に近い部分。言葉の発達のとても高いところに位置するものなのです。そこに到達するには、山のふもとにあたる広大な土台部分を幅広く築き上げなくてはなりません

ひらがなを覚えるには「音節分解」の力が必要

では、その土台とは何でしょうか?

「日本語の単語は、音節に分けやすく、原則として1つの音節は1文字のひらがなで表せます。たとえば『たぬき』は『タ・ヌ・キ』という三音節に分けられ、それらがひらがなの『た・ぬ・き』という3つのひらがなに対応するのです。ですから、まず単語を耳で聞いたら、それを一つひとつの音節に分解する『音節分解』の力が育っていることが、「音とひらがなを対応させる準備」として重要になります。『ひとつの単語は、何音節かの音の集まりなのだ』という理解の上に、初めてひらがな1文字1文字が音を表していると認識できるのです。」

さらに、その単語が何個の音でできているか理解するために「数」の概念、文字の形を覚えて読み取るために「図形」を認識する力、そのほかさまざまな面での発達が必要だとか。ひらがなの読み書きを覚えるには、思った以上に多くの能力が求められるのですね。

では、読み書きの土台を育てるために親が家庭でできることは、どんなことなのでしょうか? 


読み書きの「準備体操」 ひらがなの表す音を覚えよう

「まず単語を一つひとつの音節に分解する作業を大切にしましょう。言葉と一緒に手を打つ遊びなどはいかがでしょう。『たぬき』ならパンパンパンと3回、『ねこ』ならパンパンと2回、発音しながらその音の数だけ手を打つ。簡単なようですが、この遊びは『タ』と『ヌ』と『キ』、『ネ』と『コ』などの音が、独立した音だと学ぶ助けになります

「これができれば、単語を音節に分ける『音節分解』を理解したと考えられますので、ひらがなの読みを学ぶチャンスです」

ひらがなの読みかたを教えるときに重要なのは、「たぬきの『タ』の音を表すのはこのひらがな『た』だね」と、一音節に一文字をあてがう機会を作ることだそう。ツールは、よくある「あいうえお表」でも、ひらがなが書いてある積み木やカードでも、何でも良さそうですね。

音声分解が理解できたら「しりとり」に挑戦!

また、ひらがなと音を対応させる作業として「しりとり」もおすすめだとか。

しりとりは、言葉の頭(語頭)とおしり(語末)を取り出す遊び。音節分解を通じて、それぞれの音を聞き分け、相手の言葉のおしりの音を取り出し、同じ音で始まる言葉をさがす遊びです。耳を通して、『音を表すひらがなの役割』を理解するウォーミングアップになるのです」

もし、しりとりが難しければ、「あ」なら「あめ」、「あさ」、「あか」というように、同じ音から始まる単語を集める遊びでも良いとのこと。

「日本では、学習場面では、静かに読み書きすることを重視しがちで、声を出す訓練は幼少期であっても少ないのが問題です。言葉を学ぶには、もっと音声的でアクティブな方法をとるべき。ぜひ、親子で声を出す遊びをたくさん試してほしいですね」


指先や動作を鍛えて「書く」力を育てる

「ひらがなの読みはできるけど、書きかたが、めちゃくちゃで心配…」こんな悩みも少なくないとか。「書く」練習は、どうしたらいいのでしょうか?

「手指の骨のパーツの分化や筋肉が発達していない段階では、手先は器用に動かせませんから、曲線が多いひらがなを書くのはけっこう困難です。ひらがなそのものをノートで練習させるより、大きな紙にダイナミックに絵を描いたり、線をいろいろな動きで描かせるように促すと、運動としても楽しめて良いと思いますよ。スポーツで、走り方のフォームを整えるトレーニングと、字を書くことは似ています」

なるほど。ぐるぐると線を描く動作なら、自然と曲線を書く練習になりそうですね。

「また、ひらがなの書き順を学ぶには、iPadなどの学習アプリも有効です。ただし、そうしたアプリは画面上に直接指で触れて書かせることが多いので、えんぴつで紙に書く機会もきちんと与えましょう。えんぴつを手に持つ感覚、紙の抵抗感や摩擦を感じることは、非常に重要だと思います。右手で書くときに、左手で押さえて、両手をうまく協調させる…全身の姿勢のバランスをとる…ということも、意外と重要な動作訓練なのです」

さらに沢井さんは、子どもが自分から文字を書くよう促すために、「親がえんぴつを使って書く姿を子どもに見せてほしい」と話します。

「なぜなら、子どもの学習はマネから始まるからです。親御さんが手で文字を書く姿を、身近に見た子どもは、それを見て文字を書くことに興味を持ち、書き順も、筆圧も、字の形も、詳細にマネしたくなるでしょう」

パソコンが普及した今は文字を手で書く機会が減ってしまいましたが、「書く姿を見せる」ことが子どもがひらがなを覚えようとする近道になるかもしれません。紙とえんぴつを身近に置いて、子どもとお手紙交換ごっこをするなど、いろいろ工夫してみましょう。

遊びの中で自然と学べる機会を作ってあげて

5歳〜6歳になって小学校入学が現実味を帯びると、親は読み書きも含めて、どうしても「勉強ができるようになってほしい」と思うようになるものです。

「でも、机の前に座ることばかり考えないでくださいね。幼児は頭の中だけで物事を処理できる段階には至っていないので、体全体を使って、いろいろな遊びや動きを経験しないと、ほんとうに理解する学習にならないのです」

ひらがなの学習も具体的な動作をまじえる工夫をしながら進めましょう。ひらがなをまだ読めないのであれば、声に出す遊びのほか、本を開いて『このひらがながどこにあるか探してみよう』と探し字遊びから始める方法もあります。書けないのなら、親の書いた字を、好きな色の鉛筆でなぞらせてみたり、お友達にお手紙を書こうと誘ったり。紙に思い切り大きな字を書かせるのもおすすめです」

ここでご紹介した方法を参考に、子どもとのコミュニケーションや遊びの中に、読み書きをさりげなく取り入れて、親子でストレスなくひらがなの読み書きをマスターできるといいですね。

お話を聞いたのは…

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ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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