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子どもの夢応援企画 第21回:花屋 江原久司さん

子どもたちの憧れの職業について、その道のプロからお話を伺い、子どもたちの夢の育みをサポートする『子どもの夢応援企画』。今回は、色とりどりの花を扱う「花屋」。国内に約100店舗のお店を持つ人気の花屋さん、青山フラワーマーケットでブランドクリエイターを務める江原久司さんにお話を伺いました。

「花屋にだけはなるな」と言われて育った子ども時代

実家も街のお花屋さんだったという江原さん。その影響でご自身も花屋に?と聞いてみると、「子どもの頃は花屋になるつもりは全くなかった」とのこと。

「親からも『花屋にだけはなるな』と言われていましたから(笑)。朝は早いし、力仕事だし、手は荒れるし…。その大変さを両親が一番わかっていたから、そんな風に言ったんだと思います。確かに店の休みもあまりなかったんで、家族でどこかに出かけたという記憶はほとんどありません。当時はゲームが好きだったので、コンピューター関係とか、そういう仕事に興味がありましたね

それでも時々お店を手伝ったり、学校でも花当番を担当したりと、意識しなくても身近に花があるのが当たり前の環境。常にきれいな花がある生活ができるなんて、うらやましい限りですが、小学生頃の江原さんはそれを恥ずかしく感じていたそうです。

「特にホワイトデーには友達へのお返しによく花を持たされたんですが、それがとにかく恥ずかしくて…。持って行くのがすごく嫌でしたね。でも、大人になって昔の同級生に会うと『あの時、お返しに花をくれたよね』って覚えていてくれることがあるんです。今思えばステキなお返しですよね。花は枯れてしまうものではあるんですけど、こうやって記憶に残るものなんだなと、大人になって改めて気づかされます


何をやりたいかわからない時期に出合った花屋の仕事

その後、大学に進学したものの「これ!」と思える仕事に出会えず、就職活動にも真剣に取り組めなかったという江原さん。「もう少しじっくり自分のやりたいことを探してみよう」とアルバイト生活をしている時に、友達の誘いで手伝ったのが花屋の仕事でした。

「『実家が花屋なんだから、花くらいさわれるだろ』と言われて。それでお店で花を売る仕事をしたのが、この仕事に就こうと思ったきっかけです。その時は、本当に少し実家の手伝いをしたことがあるくらいで、花束作りなどはできなかったので、基本から教えてもらって。とにかく詰め込むような感じで勉強しました」

こうして初めて花屋での仕事を基礎から学び、働くなかで花屋の仕事のおもしろさに気付いたと言います。

これまで気付けなかった花屋の魅力と可能性を発見

「もともと絵だったりファッションだったり、芸術的なものが好きだったのもあるんですが、花屋って様々な色や形のものを組みあわせて花束を作ったりするので、ちょっとアーティスティックな面があると思うんですよね。最初はそれが楽しいなと思いました」

さらに接客をする中で、ギフトとしての花はもちろん、自宅用に花を買う人が多いことを実感。ビジネスとしてもまだまだ様々な可能性があると感じたようです。花屋を仕事に…と考え始めたときに、街で出会ったのが現在の職場となる青山フラワーマーケットでした。

母の日やクリスマスのように花屋がにぎわう日ではなかったのに、お店の前に行列ができていたんですね。それにすごくびっくりして。そのお客さんたちが買っていたのが、自宅で手軽に楽しめる350円や500円のライフスタイルブーケでした。今ではすっかりウチの定番商品ですが、当時はそのスタイルや価格設定がとても新鮮な提案だなと思ったんです」

「こういう花屋さんはどうやって運営されているのか知りたくて、すぐにアルバイトに応募しました。今は新卒採用も行っていますが、当時はアルバイトから社内試験を受けて正社員になるルートのみだったので、最初はほかのアルバイトと掛け持ちで働いていました」


店舗を経て本社へ そこで見つけたそれぞれのやりがい

「お店に入ったらまずはこの花の名前と特徴をしっかり勉強します。カタカナが多いのでちょっと覚えるのは大変ですね。店舗の仕事で大変だったのは、母の日の前、クリスマスから年末、送別会の多い年度末などの繁忙期の忙しさ。ずっと接客とアレンジメント作りが続いて、本当に考えられないくらい大変です。そんな時でもお客様から『きれい!』『ありがとう!』と声をかけていただくのがうれしくて、頑張るエネルギーになっていました

アルバイトから正社員となり、入社3年目には店長としてお店を任されるようになった江原さん。当時はちょうど会社が成長期だったこともあり、忙しいながらも充実した店長時代だったと振り返ります。

「店長になってからは接客以外にお店の数字的なところもみないといけないし、人も育てないといけない。もちろん花に対しても詳しくなければいけないので、それまで以上に勉強もしました。でも、自分を成長させられることに魅力を感じていたので、店長業はすごく楽しくできましたね」

そんな店舗での経験を生かし、現在はブランドクリエイターとして、本社で商品企画に携わっているそう。

どんな色遣いで、どんな組み合わせにするかを考えながらアレンジメントやブーケを作り上げて、商品として提案するのが今の主な仕事です。例えば母の日だったら、今回は少し紫色系のカーネーションをメインにイギリスの伝統的なテイストをプラスしよう、といった感じで商品全体をディレクションしていきます。そのほか、ブランドとして今年はこういう花をおしていこうという事を考えて、トレンドを作っていくのも仕事のひとつです」

「お客様の声を直接聞く機会は減りましたが、売り上げという形で反応がわかるので、多くの方に好んで買っていただけたときはうれしいですね。新しいものを考えるためには、花だけでなくファッションやインテリア、レストランなど、さまざまなところにアンテナを伸ばして、勉強したり、刺激を受けたりしています」

お店という基盤がありつつ、花をもっと楽しめる空間づくりを

創業以来、“Living with Flowers Every Day”をコンセプトに進化を続ける青山フラワーマーケット。その中で今後、江原さんが挑戦したいことについても聞いてみました。

「もっとたくさんの方に足を運んでいただけるように、より多くの場所にお店を増やしていきたいですよね。あと、青山フラワーマーケットという核になるお店がありつつ、もっと花のあるシーンを楽しんでいただける、違った業態のお店があってもいいんじゃないかと思うんです。今、ウチではカフェがすごく人気なんですが、バーとかもいいと思います。花屋にはまだまだいろいろな可能性があるんじゃないかと思っています


子どもたちの素朴な疑問に江原さんがお答え!

ここで江原さんに、子どもたちから寄せられた3つの質問にも答えてもらいました。

花はどれくらいもつの?

花によって違い、短いものだと2〜3日、長いものだと1カ月もつものもあります。平均的には1週間くらいもちます。家で飾る時は水を毎日取り換えてあげると長持ちしますよ。水を吸う部分が腐りやすいので、茎の先端から3cmくらいのところを斜めにカットして新鮮な状態にしてあげるのも効果的です。あとは花の変化を見て場所を変えるなど、愛情をかけてあげるのが一番大切です」

何種類の花を売っていますか? 1日何本売れますか?

お店にもよりますが最低でも30種類、大きいお店には50〜60種類の花があります。お店ではだいたい1日に300〜400本くらいの花が売れていますが、母の日の前など特別な時期は、その8〜10倍くらいの忙しさになります(笑)」

何時に起きて、市場に花を買いに行くのですか?

「青山フラワーマーケットでは注文した花をお店に届けてもらうので、早起きして市場に行くことはありません。でも、街の花屋さんは早いと早朝2〜3時くらいから市場に出かけます。7時から市場の“競り”が始まるので、遅くても6時までには行く必要があります。市場には新しい花が並び、展示スペースもあるので、仕入れはもちろん情報収集のために行くことも大切です」


身近にある花を楽しんで、花に興味を持って欲しい

最後に、江原さんから花屋を目指す子どもたちにメッセージをいただきました!

「花というのはきれいなだけじゃなく、一輪あるだけで癒やされたり、会話が生まれたりする本当にステキなものです。そんな花を売る花屋という仕事は、商品を売っているのにお客様から『ありがとう!』と言ってもらえる、とても恵まれた職業だと思います。花屋になりたいと思っている人はもちろん、そうでない人も、生活の中にある花をもっと楽しんでもらえたらうれしいです」

江原さん、貴重なお話をありがとうございました。『子どもの夢応援企画』第22回は「保育園の先生」です。お楽しみに!

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お話を聞いたのは…

  • 江原久司さん

    実家も生花店を営む。大学卒業後、2002年に青山フラワーマーケットなどを運営する株式会社パークコーポレーションに入社。都内の店舗で店長を経験し、現在は青山フラワーマーケットのブランドクリエイターを務める。ブーケやアレンジメントなどの商品開発を担当する傍ら、花屋の新しい在り方やスタイルについても日々模索中。

  • 青山フラワーマーケット
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ライター紹介

石橋 夏江

編集プロダクションverb所属。編集者・ライター。趣味は、旅行と写真とスキューバダイビング。プライベート旅でも、取材旅以上の分刻みスケジュールを組むため、友達がなかなか一緒に旅行に行ってくれないのが最近の悩み…。

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