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赤ちゃんのスプーンいつから? 時期や練習方法、注意点も紹介

食事を親から食べさせてもらっていた赤ちゃんも、スプーンを使って自分で食事をするようになりますが、最初から大人のように上手にスプーンは使えないもの。親はどうサポートするとよいのでしょうか。子どもの発達や栄養などに詳しい、帝京科学大学幼児保育学科の上田玲子先生にお聞きしました。

スプーンを持ち始めるタイミングは?

子どもがスプーンを使い始めるのは、いつごろでしょうか?

「手と指の発達には『手のひらでつかむ(5カ月頃)』『手全体でつかむ(6カ月頃)』『親指側でつかむ(7〜8カ月頃)』『親指と人差し指でつかむ(10〜12カ月頃)』と段階があります。スプーンを使い始める時期としては、親指と人差し指でつかめるようになったらと一般的に言われています

とはいえ、実際にはかなり個人差があるそう。

「『厚生の指標』(厚生統計協会2007年)の資料によれば、10カ月で1割、13カ月で5割、19カ月で9割の赤ちゃんが、スプーンで食べようとするというデータがあります」

一般的な『親指と人差し指でつかむ(10〜12カ月頃)』という目安と比べると、意外とゆっくりですね。焦る必要はありませんが、子どもがスプーンを持ちたがったときは、いつでも持たせてあげるのがよいそうです。

子どもの「やりたい!」の気持ちを大切に 軽いスプーンがオススメ

「離乳食スタートの5カ月〜6カ月の頃、食べさせてあげようしたときに、ギュッとスプーンをにぎることがあります。そんなときは自由に持たせてあげましょう。この時期はずっと持っていることはできませんが、つかむという動作を自然な形で練習できます。親が食べさせるスプーンとは別に赤ちゃん用を準備すれば、離乳食を食べさせる妨げにもならないでしょう。遊び食べの時期も、持ちたがったら持たせます。握ったり、振り回したり、落としたりすることも学習です

スプーンで食べられるようになったら、本人に合ったスプーンを用意してあげましょう。スプーンが重すぎると疲れて投げ出してしまうこともあるので、手のひらサイズでプラスチックや木製など軽いものからスタートしましょう。『12カ月用』などを買ったり参考にしたりするとよいですね。慣れてきたら金属製などでも大丈夫。いろいろな感触も楽しませてあげましょう」


スプーンの持ち方の変化と時期の目安は?

実際に自分で食べるようになると、手のひら握り(1歳)→指握り(1歳〜2歳)→鉛筆握り(2歳後半)というステップで進んでいくそうです。

「ただし、月齢はあくまでも目安です。食べる機能の獲得には、『きちんと座れる』などの脊髄の発達のほか、手や指、腕、肩などの発達が大きく関係しています。個人差もありますので、月齢や年齢にこだわらず、全体の発達をみることが大切です。また、自分で全部(こぼさないで)食べられる目安はさらに遅く、2歳半から3歳ぐらい。焦らずゆっくり見守りましょう

スプーンの持ち方をトレーニングする必要はない!?

発達にあわせてスプーンの持ち方が変化しますが、どうやって持ち方を教えればいいのでしょうか?

「実は、親がスプーンの持ち方をトレーニングする必要はないんです」と上田先生。正常な発達のステップを踏んでいる子どもであれば、親があえて誘導しなくても、自分で持ち方を変えていくのだそうです。

「保育園などでスプーンの持ち方の指導がある場合もありますが、積極的なトレーニングをしないでも自然に習得するケースも多いもの。『ガラガラを持つ、積み木で遊ぶ、スコップで遊ぶ』といった日常生活の中の動作で手の使い方を覚えるにつれて、より持ちやすい・すくいやすい・食べやすい方法に、自分からスプーンを持ちかえるようになります」


見守るときに気をつけるポイントは?

親はあくまで見守るのが基本とはいえ、ほかの子と比較してしまったり、発達が遅くないか気になったりするパパママも多いと思います。注意が必要なポイントや、サポートの方法はあるのでしょうか?

「ものをつかむ・にぎる・放す、おもちゃやコップで遊ぶ、スコップを使うなど、いろいろな体験をさせることが、大きな動きや手先や指先の細かい動きの発達を促します。その結果としてスプーンがうまく使えるようになることもあります。ですから、スプーンの使い方そのものを練習させるよりも、体全体やそれぞれのパーツを動かして積み木や砂遊びをさせたり、遊び食べを十分にさせたりすることが大切です」

遊びの中での声かけでサポート

なお、発達の目安は「ものを手でつかむ(6カ月)→手を放してものを落とす(10カ月)→本をめくる(1歳半)→積み木を6〜7個重ねる(2歳)→指でクレヨンを持つ(3歳)→小さいものをつまんでビンなどに入れる(4歳)」とのこと。これらの発達が順調なのにスプーンの持ち方だけ遅れている場合は、遊びのなかで声かけをするのもオススメだそうです。

「たとえば、2歳児で『手のひら握り』だけをしているようなら『指握り』をさせてみてもよいですし、3歳児で『指握り』だけをしているようなら、こんなのもあるよ…という感じで『鉛筆握り』を一緒にしてみてもいいでしょう」

何事も大切なのは、子ども本人のやる気です。食べこぼしを叱るのは逆効果になってしまうそう。

「食べ物を落とすとお行儀が悪いと感じる保護者がいますが、落とすという動作も10カ月頃にみられる発達の段階のひとつです。叱らないようにしましょう」

体の発達に応じて変化するということは、個人差も大きいということ。また、本人の「ひとりで食べたい!」という意欲によるところも大きいものです。成長のだいたいの目安や、気をつけるべきポイントは頭に入れておきつつも、必要以上に焦らないようにしたいものですね。

お話を聞いたのは…

  • 上田玲子先生

    帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授ほか、山梨大学、東洋英和女学院大学の非常勤講師など、多くの顔を持つ。専門分野は 母性・小児栄養、栄養教育。『健康教育 ヘルスプロモーションの展開』『新版 子どもの食生活』、『よくわかる離乳食』『はじめての離乳食と幼児食』など著書多数。ヘルシーな食事と豊かな時間を提案するブログ「れいこのあったかサロン」やフェイスブックを更新中。

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ライター紹介

高柳涼子

雑誌編集部勤務を経てフリーランスに。ライティングと校正を中心に、ときどき編集もやる3児の母です。これまでに関わった分野は、求人、進学、ウェディング、アート、手芸、田舎暮らし、食育、仏教、料理など。

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