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食育にもつながる!幼児期からできる料理のお手伝い

掲載日: 2015年8月6日更新日: 2017年5月16日佐藤葉月
嫌いな食べ物でも、自分で切ったり炒めたりしたら食べられた…など、料理のお手伝いをすると、子どもの食べることへの興味や関心が高まるという声がよく聞かれます。とは言え、「どんなお手伝いから始めればいいの?」と迷うママも多いはず。そこで、3人の子どもを持つ現役ママの料理研究家・江口恵子さんに楽しく、そして食育にもつながる、子どもと一緒に料理をするコツについて話を聞きました。

「教える」のではなく、一緒に楽しもう

料理は食育になるからやらせたい、というママたちも多いはず。でも、教えよう、学ばせようと子どもに押し付けてしまうと、続かないし、子どもに響かないそうです。

「ママ自身が肩の力を抜いて、 一緒に料理をする時間を、子どもとのコミュニケーションの時間として楽しむことが大切です。」

お手伝いをしながら料理をすることが楽しいと思えたり、親子の会話を弾ませたりと、子どもの興味に応える場、子どもと触れ合う場として、一緒にキッチンに立つのが良いようです。

「ママが忙しければ、無理に手伝わせる必要はありません。週末だけにするとか、簡単な作業だけを任せるとか。その時のペースでいいんです。」

2歳〜3歳におすすめのお手伝いは、ちぎったり丸めたり

どんなお手伝いができるかは性格や能力にもよるそうですが、年齢別に、子どもが興味を持って安全にできそうなお手伝いを聞いてみました。まずは、2歳〜3歳ごろ。

ホウレンソウやキャベツなど、葉ものの野菜をちぎるとか、白玉団子を丸めるとか、おにぎりを親が途中までにぎって最後のひとにぎりをさせるなどから始めてみるといいでしょう。おにぎりなどは、粘土や泥遊びのような感覚で、みんな上手に丸めますよ。」

この年齢では、 遊びの延長としてできるような、手を使って行う作業を一緒にやるのが良さそうです。そして、注意したいのは、失敗しても止めずに、怒らずにやらせてみること、と江口さん。親がこうしなさいと押し付けるのではなく、子どもに自由にやらせて、まずは料理の楽しさを感じさせることが、料理を楽しむ第一歩になるようです。

4歳〜6歳のお手伝いでは包丁デビュー

江口家の長女は3歳から包丁を握っていたそうですが、4歳以上になれば包丁も少しずつ使えるようになるとか。

「豆腐やちくわ、かまぼこなどのやわらかく、切れやすいものから切らせてみてはいかがでしょうか。怖ければ、包丁でなくテーブルナイフから始めるのも手です。」

柔らかくて切りやすい食材で、多少切り方を失敗しても問題ないものからチャレンジさせると良いようです。また、包丁以外には、遊び感覚でできるような料理のプロセスも、子どものお手伝いに適しているそう。

フライに衣を付ける、餃子や春巻きを包む、クッキーの型を抜く、ピザのトッピングなども夢中になってやりますね。フライの衣付けなんかは、ものすごく散らかりますけど(笑)。それと、意外かもしれませんが、イワシの手開きは、子どもの手の大きさの方が上手にできたりして、おすすめなんです。魚屋さんで頭と腹だけ落としてもらったものを買ってくれば、すぐにできますよ。」

この時期は、できることの幅が広がっていく年齢なので、子どもの興味やレベルに応じて、様々なことにチャレンジさせるといいかもしれません。また、慎重だったり、大胆だったり、器用だったり、トッピングが芸術的だったりと、子どもの個性や性格も、料理を通して知ることができるそうです。

6歳になったら、1品料理の完成を目指そう

「例えば、卵を今日はオムレツに、今日は目玉焼きに、今日は卵焼きに…と、小学生以上になるといろんなバリエーションで調理できるようになってきます。味噌汁や、炒めものなどにチャレンジしても良いと思います」

ただ、 急に完璧にはできない、ということを忘れないでほしいとのこと。江口家でも、最初は「今日は味噌を溶く、今日は煮干しを入れるなど、毎日毎日工程をちょっとずつ積み重ねて、その結果、自分で作れるようになりました。1回で1から10まで教えるのは、お互い疲れてしまうから、やめた方が良いですよ」とのアドバイス。

そして、教える時には、「こうするといいよ」と、アドバイスをするような感じで伝えること。また、親はできないことをサポートしてあげるというスタンスで見守ることも大切だそうです。

早い遅いはない やりたい時が始め時!

では、どんなタイミングで、料理のお手伝いを始めさせると良いのでしょうか? 

始めるのに早いも遅いもないんです。子どもがやりたいと思ったら、その時にやらせてあげればいい。子どもの興味や関心を見逃さないようにしたいですね。ただし、ママ側に気持ちの余裕があることが大切です。ママが楽しんでやっていないと子どもも当然楽しくなくて、結局、料理=楽しくないものというイメージが残ってしまいます。」

無理をせず、親子そろって楽しくできるタイミングを探すといいそうです。もし余裕が無いなら、テーブルセッティングだけしてもらう、作った料理をテーブルまで運んでもらう、ご飯をよそう、皿を選ばせるなどから始めるのもおすすめだとか。そこから、料理への関心が芽生えるかもしれません。

そして、 料理をさせる以前に、食べることを楽しむことを子どもに伝えることも大事だそう。

「作ったものを、おいしくいただいて、幸せな気持ちなる。その過程を親が見せることは重要だと思いますね。また、『このトマトサラダ、冷やしておいて夜食べたら美味しいよね』など、子どもが食べることに興味を持ってくれるような会話を日頃から心がけることも、食育につながるのではないでしょうか。」

肩の力を抜いてできることから、料理を通した子どもとのコミュニケーションを続けていきたいですね。

※参考書籍

お話を聞いたのは…

  • 江口恵子さん

    料理家・フードスタイリスト。ナチュラルフード&スィーツカフェ ORIDO.吉祥寺オーナー。雑誌、広告、WEBサイト等で、素材感、空気感のあるスタイリングと実生活に根付いた提案が人気。講演会、料理教室、ケータリング、カフェ、とあらゆるシチュエーションで野菜たっぷりの美味しくて体に優しい料理を伝えるべく活動中。

  • All About「家事」ガイド江口恵子さん紹介ページ
  • ナチュラルフードクッキング
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ライター紹介

佐藤葉月

宮城県生まれ。タウン誌の記者、ブライダル雑誌の編集者を経てフリーランスに。東京オリンピックを含め、子どもたちに夢を与えるスポーツ関連の記事を書くことが目標。月に1回はライブを見に行く音楽好き。海外一人旅にはまり、アジア圏制覇を目論んでいる。

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