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入学まであと半年!今から始める子どもの自立サポート

掲載日: 2015年10月16日更新日: 2017年5月16日近藤 浩己

先生や親が何かとフォローしてくれる保育園・幼稚園時代とは違い、小学生になると、着替えや食事、宿題や翌日の持ち物の準備など、身の回りのことを子ども自身で行うようになります。小学校入学前の子どもの自立を助けるため、親はどのようなことをサポートすればよいのでしょうか?こどもの発達学について研究している太田光洋先生にお話を聞きました。

子どもの自立に必要な3つのポイント

そもそも、小学生に求められる自立とは、具体的にどういったことなのでしょうか? 太田先生は、まず小学校入学前に、親子が知っておきたい大きなポイントを3つ教えてくれました。

  1. 着替え・食事など自分のことは自分でできる
  2. モノの管理が自分でできる
  3. 先生と親との間の情報交換が減る

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。


時間を意識する食事とトイレ

まず、1つめの「着替え・食事など自分のことは自分でできる」とは、限られた時間内で、着替えや食事、トイレなどを済ませるということです。保育園・幼稚園と小学校の大きな違いは、時間割があるところ。中でもトイレは、いつでも行きたいときに行けた園生活とは違い、行くべきタイミングを自分で見計らう必要が出てきます。

食事の後やお出かけの前など、活動の区切りに、早めにトイレに行く習慣をつけておいてあげてほしいですね。そうすれば、休み時間などにトイレを済ませられるようになり、授業中にそわそわすることが減るはずです。」

また、トイレの使い方をしっかりマスターすることも重要だと太田先生。

「お尻がうまく拭けないとか、和式トイレの使い方がわからないなどの理由で、学校のトイレを嫌がる子もいます。」

その結果、授業中におなかが痛くなったり、おもらしをしてしまうことも。

「人前でのうんちやおしっこの失敗は、子どもにとってダメージが大きいもの。トイレを一人でキレイに使えるのか、改めて確認してあげてほしいですね。」

食事や着替えでも、一人だけ遅くなってしまうと、自信がもてなくなるケースがあるそう。

「給食なら配膳の時に『これは少なめに入れてね』など、自分の食べられる量を先生や係の人に言うように、とアドバイスしてあげてください。時間内においしく食べきれる経験を重ねれば、給食の時間が楽しみになってくるはずですよ。」

ほかにも、時間内に給食を食べる練習として、自宅での食事も、できるだけテレビを消して「ながら食べ」をなくしてほしいと太田先生は言います。

「学校と同じように、テレビはつけずに、できるだけ食事に集中できる環境を整えてあげてほしいのです。それに、テレビがないほうが会話も楽しめて、親子のコミュニケーションが活発になりますよ。」


限られた空間を自分で管理

2つめのポイントは「モノの管理が自分でできる」こと。これは、机の中やロッカーなど、自分で管理する場所が増える小学校生活では大切なことです。

教科書やふで箱など、管理するモノも増えます。これらを、与えられた場所で管理できないと、大切なモノをなくしたり、忘れ物が増えて授業を集中して受けられないなんてことにもつながります。」

管理能力を鍛えるためには、子ども専用の箱を1つ作って、自分のおもちゃを管理させてみると良いそう。ただし、おもちゃが多すぎると管理しきれないので、使わないおもちゃは、あらかじめ違う場所にしまっておいてくださいね。

学校の情報は子どもから聞くように

最後のポイントは「先生と親との間の情報交換が減る」ことです。

「保育園や幼稚園のように、その日にあったことを先生が丁寧に教えてくれるということがぐっと減ります。子どもから直接、学校での様子を聞くことになるので、日頃から会話をする時間を意識的にとっておくと安心かと思います。」

例えば、毎日夕食の時に、しつこくない程度に「今日はどうだった?」などと聞く習慣を付けておくと、小学生になっても自然と学校での出来事を話してくれるようになるそう。

“聞いてもらう”ことで子どもの心は落ち着きますから、相づちを打ちながら、しっかりと話を聞いてあげてくださいね。うれしいことがあればいっしょに喜んで共感してあげれば、子どもは、お母さんにその日起こったことを話すのが楽しみになってきますよ。」


トラブルを避けるために覚えておくこと

太田先生は最後に、トラブル回避のために覚えておいてほしいことがあると話します。それが「自宅の住所と電話番号を覚える」こと。

「通学路を一緒に歩いてみて、しっかり道を覚えることはもちろんですが、子ども同士で学校帰りに遊びに行くことも増えます。万が一、道に迷ってしまったときのために、自分で住所や電話番号が言えるように覚えさせてあげてください。」

いろんなことが自分でできるようになると、子どもの世界は広がります。小学校でお友達とのびのび学べるように、入学までの半年間、できることから子どもの自立サポートを始めてみませんか?

お話を聞いたのは…

  • 太田光洋先生

    和洋女子大学こども発達学類教授。旭川大学女子短期大学部教授、旭川大学附属幼稚園長、シンガポール国立大学客員研究員、九州女子大学教授などを経て、現職。現在、保育文化学会を設立し、保育者、保育学生、研究者を対象に保育現場での遊びや活動の紹介、保育と子育て支援に関する研修などを行っている。「保育言論」「実践としての保育学―現代に生きる子どものための保育」など著書多数。

  • 「保育出版会」ホームページ
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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