雪合戦と言えば雪遊びの定番。子どもの頃経験したパパやママも多いのでは? 今ではウインタースポーツの競技として、海外でも楽しまれているんです。そこで、「スポーツ雪合戦」を参考に、家族でもっと雪合戦を楽しんでみませんか?
雪玉の投げ方やよけ方が何通りもあり、『相手のこのポジションを、この投げ方で集中攻撃、その次に前に攻めていき…』など、事前の計画も含めて戦術がものを言う。
そして何よりチームワークが大事! 上手な人が一人いればなんとかなるのではなく、上手な人を周りがいかにサポートするか、また一人一人の役割をきちっとこなさないと結果に繋がらないんです。これは学校や社会でも大切なことですよね。」
「スポーツ雪合戦では、1チーム7名で横40メートル、たて10メートルのコートで競います。1セット3分間×3セットマッチで、雪玉を当てられたらアウトでコートから出ます。勝敗は、相手陣地のフラッグを取るか、最後に残った人数やポイントで決定。でも、家族対抗の場合は年齢もバラバラですし、人数の確保も難しい。小さい子どもならすぐに雪玉を当てられて、あっという間にゲームセットになってしまうので、オリジナルなルールで初めてみてはどうでしょう」
「競技では、タイムアップするまで雪玉を当てられないようシェルターに隠れ続けるという作戦もありますが、家族対抗では雪玉を当てる・よけることをメインに、動き回る楽しさやスリルを味わってください。」
磯田さんは、親子の絆を深めるために「声かけ」をすすめています。「『よくやった!』『いけるいける!』など、たくさん励まして褒めてあげてください。単純にうれしいし、きっとまたやりたいって思ってくれるはず。小学生以下の小さい子どもがいる場合は、大人は下から山なりにしか投げない、などルールを増やして。誰でも・どこでもできるのが雪合戦です。」
また安全に行うためには、ヘルメットの着用は必須とのこと。雪玉は形が崩れない程度に固める必要があるので、やはり当たると痛いのだとか。実際の競技では顔の部分に透明のアクリル板が付いた専用ヘルメットを着用しますが、自転車や野球のヘルメットにゴーグルでも代用できるそうです。
1分半なら、普段運動していない大人も最後まで全力で子どもと遊べそうですね。冬季五輪の種目にという話も上がっているそうなので、今年から初めて、わが子がオリンピック選手になるのも夢じゃない!? 今年は雪の日が待ち遠しくなってきました。
雪合戦は今や世界で親しまれるスポーツ
昔ながらの雪遊びというイメージが強いですが、雪合戦は今、「スポーツ雪合戦」という立派な競技となって、世界に広がっているのをご存知ですか? 日本のみならずフィンランドやノルウェー、オーストラリアでも「yukigassen」として国際大会も存在します。北海道を拠点に活躍する雪合戦チーム「あすとろうず。」の代表・磯田宗国さんにその魅力を教えていただきました。写真提供:あすとろうず。
チームワークが何より大事!
「僕がはじめてスポーツ雪合戦に参加したのは15年前。社会人ラグビーの仲間に誘われて参加しました。ラグビーで身についた機動力に自信があったので勝てると思ったら、ボロボロに負けました(笑)やってみると分かりますが、力ではなく頭脳のスポーツなんです。雪玉の投げ方やよけ方が何通りもあり、『相手のこのポジションを、この投げ方で集中攻撃、その次に前に攻めていき…』など、事前の計画も含めて戦術がものを言う。
そして何よりチームワークが大事! 上手な人が一人いればなんとかなるのではなく、上手な人を周りがいかにサポートするか、また一人一人の役割をきちっとこなさないと結果に繋がらないんです。これは学校や社会でも大切なことですよね。」
雪合戦のおもしろさって?
「競技でも、家族対抗でも、雪合戦の面白さは一緒!」と磯田さん。大きく分けて5つの魅力を教えてもらいました。1:相手に雪玉を当てた時の快感
人にボールを当てて、ほめられるのはドッヂボールと雪合戦だけ(笑)。ドッヂボールは、ボールを投げて相手に受け止められたら相手のボールになりますが、雪合戦は体に触れたらアウトなので、投げると相手は全部よけます。その中で当たった時の快感は今までにない体験だと思います。2:当たらないように避けるドキドキ感
競技では雪玉から身を隠すための、雪で作る「シェルター」があるんですが、家族対抗でも1基あると面白さが倍増。シェルターに隠れながら、飛んでくる雪玉に当たらないかとドキドキ、シェルターから相手の隙を突いて雪玉を投げてドキドキ。このスリルは大人も子どもも共通です!3:相手のフラッグを抜いた時の達成感
攻撃をかわして相手陣地に立つフラッグを抜くとポイントが入るのですが、抜いた瞬間は爽快! 競技では残った人数で換算するポイント制ですが、フラッグを抜くとポイントが高い。途中まで負けていても、最後にフラッグを抜くと大逆転の可能性があるんです。最後まで希望を捨てずに頑張れば結果に繋がると、子どもたちも感じてくれるはず。4:作戦が成功した時のうれしさ
雪玉の投げ方や攻め方をみんなで考えて、成功した時の嬉しい気持ちと、それを仲間と共有できる喜び。例えば、子どもたちで相手のお父さんを挟み撃ちにする作戦を立てて成功したら、力を合わせれば普段勝てないだろうなという相手でも勝てるんだと身を持って学べます。5:生き残った時の喜び
タイムアップまで雪玉をよけ続け、生き残ったメンバーと喜びを分かち合う時は本当にうれしい。体を動かし、頭を使って工夫した結果です。子どもたちにはコントローラーを持つゲームではなく、体を使ってその気持ちを知ってほしいですね。写真提供:あすとろうず。
「やればやるほど奥が深い」という磯田さんの言う通り、頭と体をフル回転して楽しめる雪合戦。ただ投げ合うだけでなく、ルールがあるからおもしろいんですね。家族対抗で行う場合のルールについて、富山県雪合戦連盟でスポーツ雪合戦公認審判員を務める水口迪(すすむ)さんにアドバイスをいただきました。「スポーツ雪合戦では、1チーム7名で横40メートル、たて10メートルのコートで競います。1セット3分間×3セットマッチで、雪玉を当てられたらアウトでコートから出ます。勝敗は、相手陣地のフラッグを取るか、最後に残った人数やポイントで決定。でも、家族対抗の場合は年齢もバラバラですし、人数の確保も難しい。小さい子どもならすぐに雪玉を当てられて、あっという間にゲームセットになってしまうので、オリジナルなルールで初めてみてはどうでしょう」
気軽に楽しめる独自ルール
- 1チーム3名(大人1名子ども2名など、年齢などを考慮して構成)。
- 1セット1分半×2セット(タイムキーパーがいない場合はストップウォッチなどで計る)。
- 小学校低学年までは、雪玉を3回当てられたらアウト(〜大人は1回でアウト)。
- ポイントは、生き残った人数×1ポイント、フラッグを抜く、または全滅させると5ポイント。
必要な準備
- その時確保できる広さの中央にセンターラインを引き、コートとする。
- センターラインからそれぞれ同じ距離を取って、対照的にフラッグ(ケガをしないよう先が尖っていない棒状のもの)を立て、ラインまでの間を陣地とする。
- シェルターを陣地に一つ以上作る(大人一人身を隠せる大きさが理想ですが、できる範囲でOK。作れるほど雪がなければ、突き進むのみ!)。
- 雪玉を1セットにつき30個用意する。
「競技では、タイムアップするまで雪玉を当てられないようシェルターに隠れ続けるという作戦もありますが、家族対抗では雪玉を当てる・よけることをメインに、動き回る楽しさやスリルを味わってください。」
写真提供:あすとろうず。
チームの中で役割を決めると初心者も動きやすい、と水口さん。「例えば、お父さんが前に出て、子供は雪玉をお父さんに運ぶ係。その場合、もう一方のチームも前に出るのは大人にして力の差が出ないように。お父さんも子どもも相手からの攻撃を受けながらなので動線も考えなければいけませんし、それぞれスリルがあると思います。」磯田さんは、親子の絆を深めるために「声かけ」をすすめています。「『よくやった!』『いけるいける!』など、たくさん励まして褒めてあげてください。単純にうれしいし、きっとまたやりたいって思ってくれるはず。小学生以下の小さい子どもがいる場合は、大人は下から山なりにしか投げない、などルールを増やして。誰でも・どこでもできるのが雪合戦です。」
また安全に行うためには、ヘルメットの着用は必須とのこと。雪玉は形が崩れない程度に固める必要があるので、やはり当たると痛いのだとか。実際の競技では顔の部分に透明のアクリル板が付いた専用ヘルメットを着用しますが、自転車や野球のヘルメットにゴーグルでも代用できるそうです。
雪合戦に適した雪は?
「雪とスペースがあればすぐにできるのが雪合戦のいいところ。ただし、パウダースノーは崩れやすく雪玉を作りにくく、水分が多い雪は固すぎる雪玉になって危険なので、あまりおすすめできません。雪玉を作ってちょうどいい硬さになるか確かめてくださいね。」1分半なら、普段運動していない大人も最後まで全力で子どもと遊べそうですね。冬季五輪の種目にという話も上がっているそうなので、今年から初めて、わが子がオリンピック選手になるのも夢じゃない!? 今年は雪の日が待ち遠しくなってきました。
雪合戦ができるスポット
- ノース・スノーランドin千歳(北海道)
- スノータウン イエティ(静岡県)
- 国立妙高青少年自然の家(新潟県)
- 黒姫高原スノーパーク(長野県)
- 立山山麓スキー場(富山県)
- びわ湖バレイ(滋賀県)