子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

ケーキ、チョコレート…虫歯になりやすい食べ物とは?

掲載日: 2016年1月29日更新日: 2016年11月18日平野 友紀子

甘いものは虫歯(むし歯)になりやすいと分かっているものの、子どもにまったく食べさせないようにするのは難しいもの。そこで、お菓子や甘いものの中でも、特に虫歯になりやすい食べ物はあるのでしょうか? 小児歯科専門の歯科医院「アリスバンビーニ小児歯科」で理事長を務める丸山進一郎先生に伺いました。

大人よりも子どもの方が虫歯になりやすい

そもそもなぜむし歯ができるのでしょうか?

むし歯は、『歯』『飲食物(糖)』『ミュータンス菌』『時間』の4つの条件が揃った時にできる」と丸山先生。

「歯の表面についた飲食物のカス(プラーク)に親などから感染したミュータンス菌が住みつき、食べ物の糖分を分解して酸を作ります。この酸に歯が長時間さらされていると、歯の表面の硬いエナメル質を溶かして穴が開き、むし歯ができます。」

大人と子どもでむし歯になりやすさに違いはあるのでしょうか?

「大人は、24時間の中で食習慣がおおよそ出来上がっているので、だらだらと食べるということはあまりありません。しかし、子どもは親が見守っていなければ、好きな時に好きな物を好きなだけ食べてしまいがち。『だらだら食べること』が虫歯の原因になるのです。また、子どものほうが大人よりもむし歯になりやすい理由として、乳歯はもちろん、生えて間もない頃の永久歯は、歯の質が弱いため溶けやすいということもあります。」

虫歯予防には3歳までの食習慣が大切!

日本小児歯科学会の研究論文で、3歳までにむし歯がある子どもは永久歯に生え変わってもむし歯になる確率が高いことが分かっているそう。

「乳歯のむし歯が永久歯に伝染するわけではありません。3歳までに甘い物を頻繁に口にするような食習慣ができあがってしまうと、なかなか変えることができず、後々ずっとむし歯で苦しむことになってしまいます。おやつには野菜や果物などの自然の甘味のものにして、なるべく早いうちから人工的な甘味をあげないようにしましょう。」

小さい頃の食習慣は重要なので、気をつけたいですね。


虫歯になりやすい食べ物、飲み物

一体どんな食べ物や飲み物がむし歯になりやすいのでしょうか?

糖分が多いもの、粘着性があるもの、長時間口に入れるものはむし歯になりやすいです。お菓子だけでなく、糖分が多く含まれている飲み物にも気をつけましょう。」

それでは、むし歯になりやすい飲食物を紹介します。

カステラ、ケーキ、クッキー、ビスケット

「砂糖の主成分であるショ糖は、糖類の中でも最もむし歯になりやすいです。砂糖が多く、カステラや生クリームは歯にベタッとくっつきやすいので注意が必要です。クッキーやビスケットは歯のすき間に残ってしまうので、むし歯になりやすいでしょう。」

あめ、ガム、キャラメル

「なかなか溶けなかったり、1つ食べ終わったら、もう1つ、とついつい続けて食べてしまったり、長時間口に入れてしまいがち。『電車の中で静かにしていてね』と子どもにあげている場合は気をつけましょう。とくに、キャラメルは歯にくっつきやすいので気をつけましょう。」

チョコレート

「子どもが大好きで習慣化しがち。歯にもくっつきやすいので、なるべく与えないようにしましょう。」

乳酸飲料(ヨーグルトドリンク)

「健康に良いイメージの乳酸飲料ですが、意外と糖分が多いです。ベタベタとして口に残りやすいのもむし歯の原因に。」

イオン飲料

「水分補給とミネラルの補給ができるイオン飲料。ただし、糖分が多いので注意が必要です。とくに、夏場など水分補給で子どもに与えてしまいがち。発熱で汗をかいたり、食欲がなかったりする時に飲ませるのは良いですが、なんでもない時には与えないようにしましょう。」

炭酸飲料、ジュース

「コーラなどの炭酸飲料は糖分が多いです。また、100%果汁ジュースと謳われていても加糖されているものも多いです。また、果汁には果糖が含まれています。砂糖に含まれるショ糖よりはむし歯になりにくいですが、取り過ぎに注意してください。」

とくに、あめやガム、キャラメルといったお菓子や甘い飲み物は、親がおやつとして認識していないことも多いです。いつの間にか糖分を取り過ぎている場合があるので気をつけましょう。


虫歯を防ぐための食習慣・生活習慣

とはいえ、甘いものを全く食べてはいけないというわけではないそう。

「今日ケーキを食べたからアイスクリームは明日食べる、夜甘い物を食べてそのまま寝ない、など食習慣や生活習慣に気をつけましょう。」

そこで、むし歯を防ぐために身につけておきたい、食習慣や生活習慣について教えてもらいました。

ダラダラ食いをしない

「口の中の酸度がpH5.4付近の状態が長く続くと、歯は溶け始めます。食後30分位すると、酸性に傾いた口の中が、自然に出て来た唾液により酸が洗い流されて元の状態に戻るため、すぐにむし歯になる訳ではありません。けれど、ダラダラ食いをすると、常に口の中に物が入り、酸性の状態が続いてしまいむし歯になりやすいのでやめましょう。」

食べたら歯磨きをする

「習慣化するためにも、食べたら歯磨きをするようにしましょう。とくに、寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるのでむし歯菌が増殖しやすくなります。少なくとも寝る前は必ず歯磨きをするようにしましょう。外出先などで歯磨きができない場合は、せめて口をゆすいだり、麦茶などの糖分が入っていないお茶を飲むようにしましょう。」

普段の食事も甘味を控えめにする

「甘みは、慣れるとどんどんエスカレートして『もっと甘く』となってしまいがち。日頃から食事の味つけの甘さを控えたり、おやつでも、なるべく甘いものを少なくしたりして、甘さに慣れすぎないようにしましょう。」

1歳半頃には哺乳瓶ではなくコップ飲みで

「哺乳瓶は、コップのようにぐっと飲むのではなく、チョコチョコ飲みになりがち。そのため、哺乳瓶にジュースやイオン飲料など糖分の多い飲み物を入れて飲ませたり、寝る時に哺乳ビンでミルクを飲ませながら眠ったりしてしまうと、むし歯のリスクが高くなります。1歳過ぎには自分でコップを持って飲めるようになるので、1歳6ヶ月頃までには哺乳瓶を卒業できるようにしましょう。」

歯は一生使う大切な身体の一部。日々の生活習慣や食習慣に気をつけ、子どもの歯を守りましょう。

お話を聞いたのは…

  • 丸山進一郎先生

    医療法人アリスバンビーニ小児歯科理事。
    1977年日本歯科大学卒業。1992年日本小児歯科学会認定医取得。1995年日本歯科大学歯学博士(歯科麻酔学)取得。2005年日本小児歯科学会専門医指導医取得。1985年~埼玉県立大学(現)非常勤講師。2007年~昭和大学歯学部(口腔衛生学)兼任講師。全国小児歯科開業医会会長。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • RSS
  • follow us in feedly
  • チェック

ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事