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虫歯にならない「正しい仕上げ磨き」とは?

掲載日: 2016年2月1日更新日: 2016年11月18日平野 友紀子

子どもが1人で歯を磨けるようになるまで、子どもが歯磨きをしたあとに親が行う仕上げ磨き。虫歯(むし歯)にならないよう、親がきちんと磨いてあげることが大切です。そこで、正しい仕上げ磨きの方法について、小児歯科専門の歯科医院「アリスバンビーニ小児歯科」で理事長を務める丸山進一郎先生に伺いました。

口の中がよく見える姿勢、場所で毎食後、仕上げ磨き

「仕上げ磨きをする時は、姿勢、場所、タイミングが重要」と丸山先生。それぞれのポイントを紹介します。

子どもの頭を固定できる姿勢で

親の膝の上に子どもの頭を乗せるように寝かせます。頭と体が安定し、口の中もよく見えるのでおすすめです。頭を固定しないと、歯を磨くときに力がかかって子どもが動いてしまい、口の中を傷つけてしまう場合があるので気をつけましょう。」

「1歳半から2歳半ぐらいまでは、平衡感覚をつかさどる三半規管の近くの脳細胞が盛んに発達するとき。仰向けに寝るのが不安定で、嫌がる子どもがいます。そのときは無理をせず、膝の上に座らせ、後ろから子どものあごを利き腕でない方の腕で支え、顔を少し上向きにしながら磨きましょう。」

口の中がよく見える明るい場所で

口の中がよく見えるよう、昼間なら光がよく入る窓側、夜なら家の中で1番明るい場所を選びましょう。夜にしかしっかりと仕上げ磨きができない場合は、週に1度ほど、市販されている歯垢の染め出し剤を利用し、磨き残しがないかチェックしましょう。

できれば毎食後、夜寝る前は特にしっかりと

「食べたら磨く、という習慣を覚えてもらうためにも、食事やおやつの後は毎回歯磨きをするのが望ましいですね。特に、夜寝る前は必ずしっかりと仕上げ磨きを行って下さい。寝ている時は唾液の分泌量が少なくなるため、むし歯菌が繁殖しやすくなるためです。」


子どもが使う歯ブラシと仕上げ磨き用は分けよう

歯ブラシを選ぶ時には、子どもが自分で磨く歯ブラシと、仕上げ磨き用の歯ブラシは分けたほうが良いそうです。仕上げ磨き用はできるだけ頭の部分が小さくて、柄が長めで大人が持ちやすいものを選ぶと良いとか。ペンを持つようにして、反対側の手指で子どもの唇を軽くめくり、歯ブラシを動かしましょう。

では、仕上げ磨きをする時には、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

歯磨きの基本は、(1)歯ブラシの毛先を使う、(2)毛先の部分を歯の面に対して直角方向に当てる、(3)軽い力で小刻みに動かす、の3つ。むし歯の原因となる歯垢をより効果的に落とすためにも、磨く場所に合せて毛先の面を使い分けましょう。」

歯ブラシの毛先には名称があり、左右の両端を「わき」、ブラシの一番上の部分を「つま先」持ち手に近い方を「かかと」と呼ぶそう。

「歯並びや歯の形は人によって様々。歯ブラシの毛先の面を使い分けながら、歯の形、歯並びにあわせて磨きましょう。ゴシゴシと力を入れれば歯垢が落ちるわけではありません。歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で磨きましょう。」

それでは、具体的な磨き方を紹介します。


正しい仕上げ磨きの方法と、特に注意すべきポイントは?

前歯は隣の歯との境目までしっかり磨く

「歯の中央部は毛先全体を使って磨きます。1本1本の歯の左右の端のほう、隣の
歯との境目あたりは磨きにくいので、右側部、左側部それぞれ『わき』を使い歯ブラシを立てた状態で1本ずつ磨いていきます
。磨きにくい歯の裏側は『かかと』を使い、1本ずつ磨きましょう。」

奥歯は表面の溝に磨き残しが多い

奥歯は、歯の表面に溝や凹凸があり、磨き残しが多いところ。歯の面を奥側、中央、手前側に分けて磨きます。歯列と並行になるように歯ブラシを入れ、中央部は歯ブラシを少し傾けて毛先の『わき』を、手前側は『かかと』、奥側は『つま先』を使うと磨きやすいです。 」

小さなすき間の磨き残しはデンタルフロスで

歯と歯の間など、歯磨きだけでは汚れが落ちにくい箇所があります。子ども用のデンタルフロス(糸ようじ)が市販されているので、歯磨き後に使用すると良いでしょう。歯と歯の間のすき間が狭い子どもはとくに習慣づけたいですね。」

歯磨き後のうがいもしっかり行って

歯磨きが終わったら、うがいをしてばい菌の固まりを吐き出しましょう。ただし、うがいができない年齢の子どもは、しなくても問題はありません。」


乳歯が生え始めたら、歯磨きの習慣づけをスタート

ところで、歯が生え揃う前の赤ちゃん、歯磨きは必要なのでしょうか?

乳歯が生え始めたら歯磨きの習慣づけをはじめましょう。まずは子どもをあお向けに寝かせ頭を親のひざの上にのせ、口の中を観察し、清潔な指で口の中を触りましょう。少しずつ触る時間を伸ばしていくと、子どもは口をいじられることに慣れてきます。」

最初に生えてくる乳歯は下の前歯のことが多く、下の前歯は唾液による自浄性が高いのでむし歯になりにくいそう。そのため、歯が生えたからと、すぐ歯ブラシでしっかりみがく必要はないのだとか。

はじめは、湿らせたガーゼや綿棒などで清拭してあげればいいでしょう。慣れてきたら毛先がゴム製の乳児用歯ブラシで1回〜2回ちょんちょんと歯に触れる練習から開始しましょう。毎日行うことで習慣として教えてあげて下さい。」

1歳頃、上下の前歯が4本ずつ生えたら、本格的な歯磨きのスタート。最初は子どもの機嫌のよい時間帯や親の余裕があるときに行い、慣れてきたら毎食後習慣となるように徐々に増やしていきましょう。

お話を聞いたのは…

  • 丸山進一郎先生

    医療法人アリスバンビーニ小児歯科理事。
    1977年日本歯科大学卒業。1992年日本小児歯科学会認定医取得。1995年日本歯科大学歯学博士(歯科麻酔学)取得。2005年日本小児歯科学会専門医指導医取得。1985年~埼玉県立大学(現)非常勤講師。2007年~昭和大学歯学部(口腔衛生学)兼任講師。全国小児歯科開業医会会長。

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ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

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