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子どもの食事がスムーズに終わる方法って?

掲載日: 2016年3月18日更新日: 2017年5月16日近藤 浩己

子どもはよく食事の途中で遊びだしたり、椅子から立ち上がって歩きまわったりしますよね?中には、食事が終わるのに、1時間もかかるというケースも。子どもはどうして、食事に集中できないのでしょうか。また、スムーズに食事を終わらせる方法は?専門家に聞きました。

子どもが食事を嫌がる3つの理由

子どもはなぜ、食事に集中できないのでしょうか。

「理由は大きく3つあります。それは、『おなかがすいていない』『遊ぶほうが楽しい』『食事が楽しくない』からです。」

こう答えてくれたのは、ベビーシッターでイヤイヤ期専門家の西村史子さん。それぞれ、子どもとしては下記のような状況のようです。それぞれの対処法も教えてもらいました。

おなかがすいていない

  • おやつや飲み物でおながが膨れている
  • 食べた物を消化するだけの運動をしていない

【対処法】
おやつの量を減らしたり、運動する時間を増やす。

遊ぶほうが楽しい

  • じっと座っているよりも、遊ぶほうが楽しい
  • 「こぼしちゃダメ!」「食べなさい!」「座りなさい!」など、叱られることが多くてイヤ

【対処法】
時間を決めて、時間がきたら残っていても片付ける。食べながら遊ぶこともあるが、親は叱りすぎないように注意。

食事が楽しくない

  • 嫌いな食べ物がある
  • 単純作業に感じてしまうなど、「食事」という行為そのものが楽しくない

【対処法】
苦手な食材がある場合は「どこが嫌い」かを把握したうえで、味付けや食材のサイズ、見た目などを調整する。自分で食べられたら褒めてあげることも大切。


「量」ではなく「時間」を決めて食事を切り上げる

この中で特に対処に困るのが、「遊ぶほうが楽しい」タイプ。立ち歩きながら食べたり、遊び食べをしたり…親も手を焼くことが多いようです。

「このタイプは、そもそも興味が移り変わりやすい性格の場合が多いもの。個人的には、その子に必要なだけの食事を摂っているのなら、立ち歩きながら食べてもいいと思います。」

食事は、「食べることを覚える」のが先決だと西村さん。マナーなどは、そのあとで教えてあげれば良いと話します。

「とはいえ、食事にかける時間は決めたほうがいいですね。うちの場合は30分と決めていて、時間がきたら残っていても片付けます。そうすることで、『この時間に食べないと、ごはんの時間は終わりなんだ』と覚えていきますから。」

ポイントは、ママが「全部食べさせなくてはいけない!」とプレッシャーを感じてしまわないように、「量」ではなく「時間」を目標にすること。量が足りていなければ、子どもから「まだ食べたい」と訴えてくるので、そのときにおやつや、少し早めのごはんでフォローしてあげれば良いそうです。


スムーズな食事のために親ができることは?

子どもが、決めた時間内にちゃんと食べられるようになるための具体的な声かけについても教えてもらいました。ポイントは「子どもの気持ちを受け止める」こと。食事中に子どもが取りがちな行動別にお伝えします。

ケース1:すぐに椅子から降りて遊んでしまう場合

おもちゃで遊びだしたら、『それが気になったんだね』と、子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。その上で、『ごはんの時間だから、そのおもちゃと一緒に戻っておいで』と促します。」

気持ちを受け止めてくれたことで満足し、ママの言葉を受け入れやすくなるのだとか。でも、それでも戻ってこないときは?

『もうごはんはおしまいですか?』と聞いてください。返事がなければ『お返事がないということはもうおしまいですね』『ごちそうさまするよ』と言って、片付けてしまいましょう。」

片付けたあとで、「まだ食べる」と言ってくることもありますが…。

「食事の区切りを覚えるために、『食べるならここに座ってください』と言って、『いただきます』からまた始めてください。ここで注意してほしいのが、『今度また遊びだしたら、もういらないんだって思うからね』と釘を刺しておくこと。興味を引くために、『まだ食べる』と繰り返し言うことを防げます。」

また、テレビを消し、おもちゃを全部隠してしまうのも、食事だけに集中する一つの方法だそうです。


ケース2:食べ物で遊んでしまう場合

食べ物で遊んでしまう場合はどうでしょう?

『遊びたいんだね。じゃあ別のもので遊ぼうね』と言ってから、『お食事はおしまい。ごちそうさま』と片付けてしまいましょう。」

このとき、ごはんとおもちゃの区別がついていない年齢の子どもだと、「おもちゃを取られた!」と思って泣いてしまうことも。

「そんなときは『遊びたかったよね、ママもわかるよ。でも、ごはんは食べ物だから遊ばないんだよ』と言って、寄り添ってあげましょう。遊びたいと思った子どもの気持ちは間違いじゃないから、教えるだけで否定しないのがポイントです。」

そうしたことを繰り返しながら、ごはんとおもちゃの違いを理解していくのですね。

「早くしなさい!」はNG

逆に、食事中に言ってはいけないNGワードなどはあるのでしょうか。

『早くしなさい!』『もう片付けるよ!』など、急かしたり、プレッシャーを与えるような言葉はできるだけ言わないほうがいいですね。特にイヤイヤ期は、叱られていると感じると、逆にそうした行動を取りたがるものですから。」

とはいえ、神経質になるほど、言葉を選ばなくてもいいと西村さん。

「つい出てしまった言葉まで、そんなに気にしなくていいですよ。ただ、できるだけ大らかに、子どもの気持ちを受け止め教えてあげるということを心がけてもらえればと思います。」

食べないことをただ頭ごなしに叱っても、食事が楽しくなくなるだけで逆効果。まずは子どもの気持ちに寄り添って、そのうえで正しい行動を教えていくのが大切なようです。
マナーを覚えさせることも大切ですが、まずは子どもが食事の時間を楽しめるよう、大きな気持ちで見守ってあげたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 西村史子さん

    一時保育所で100人以上のイヤイヤ期の子ども達を託児した経験を踏まえ、イヤイヤ期の対処法を体系化した。NLP心理学を応用した子育て相談も行なっており、相談者から好評を得ている。長野でベビーシッターも行っている。

  • 西村史子さん公式ブログ
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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