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家族がもっと仲良くなる、パパの褒め方

掲載日: 2015年3月27日更新日: 2015年5月29日畑菜穂子
仕事が忙しく、あまり家にいる時間のないパパは、子どもとのコミュニケーションがうまく取れていないことも少なくないとか。パパと子どもの距離が縮まることは、家族の仲をもっと良くすることでもあります。そのためには、ママが子どもに対してパパのことをどう話すのかがとても大切。「大人力」の専門家であり、「夫婦力検定」や「大人のホメ力」などの著書もあるコラムニストの石原壮一郎さんに、家族の関係性をよくするためのパパの褒め方について伺いました。

褒めることで、家族の絆を強くする

「褒めるって、相手のいいところを探す行為でもありますよね。夫を好意的に見ることで夫婦の絆も強くなるし、褒めていくうえで相手の成長や変化が感じられたら、自分もうれしいと思うんです。」と、石原さん。

日々家事や育児に追われているママは、パパへの不満も相当溜まっている場合もあると思います。夫を褒めた方がいいとはわかっているものの、文句を言いたい気持ちの方が勝ってしまいそうになりますが…。

「夫が家事にあまり積極的でなかったり、得意ではない場合など、思わず文句を言いたくなることもありますが、母親が父親を悪く言うことは、子どもにいい影響を与えないうえに、家族の関係性も決してよくはなりません。文句を言う方が簡単なのですが、パパをおだててやる気を出してもらうくらいの心の余裕を持つと、結果的にママが抱えている家事の負担も軽くなりますよ。」

確かに、妻が夫に対して常に文句や批判を言い続けると、夫もそれに対して素直になれず、喧嘩になってしまうもの。褒めて育てるくらいの気持ちでいることが大事なんですね。

日頃からの印象操作でパパの株をアップさせる

では、子どもに対して、日頃から家にいる時間が少ないパパのことをどう説明するのが良いのでしょうか? 普段のスキンシップが少ないと、休日にいざ子どもと遊ぼうとなってもお互いにどうしたらいいかわからないということも起こりがちです。子どもによっては、父親をいやがるケースもあるのだとか。パパの印象がよくなるようなエピソードを聞かせて、好感度を上げてしまうのがいいようです。

「刷り込み」でパパを好きな気持ちを自覚させよう

では、あまりパパになついていない子どもに対して、パパの人気を上げるためには、どうしたらいいのでしょうか? まず大前提として、ママはパパをとても愛しているということを、子どもに伝えたほうがいいとのこと。さらに、パパの印象が良くなるようなエピソードを聞かせて、パパの好感度を上げるのも、ひとつの手だそうです。

「『パパってかけっこ得意なんだよ』というような、子どもにもわかりやすい例えで、パパのすごさを伝えることを、常に行なってほしいですね。さらには、父親と子どもが遊んでいる時に、しつこいくらい言ってほしいのが『○○ちゃんは本当にパパが好きね』というフレーズ。子どもの気持ちに働きかけるのはもちろん、お父さんのモチベーションを高めるのにも効果的です。」

このようにして刷り込まれると、あまりパパになついていなかった子どもも、「パパのこと好きかも」という意識が芽生えるのだとか。また、パパが言っていた子どもに対する褒め言葉を伝えるのもいいそうです。

「『○○ちゃんお絵描きじょうずになったって、パパがびっくりしていたよ』と打ち明け話的に言うのがポイントです。子どもは自分がいないところで褒められるのをよろこびますからね。」

また、休日などには、パパは肩車などの力技が必要なアトラクションでスキンシップをはかるというのもオススメ。力持ちのパパならではの楽しい体験を子供にさせるということも、パパの人気につながります。

パパが不在がちな理由は、ユーモアを交えて楽しく説明をする

子どもが父親の不在について知りたがる場合は、どう答えるのがいいのでしょうか。

「『パパは家族のためにがんばって働いているんだよ』という説明をする人は多いと思いますが、この説明だと、『仕事=パパを取られるもの』だとインプットされ、仕事に対して悪いイメージを持ってしまう可能性もあるので、あまりおすすめしません。『パパは外でバイキンマンと戦っているんだよ』くらいのユーモアを交えた説明の方がいいのではないでしょうか。アンパンマンに限らず、子どもの年齢に合わせたヒーローに設定すればパパの株も上がるし、説明するママも楽しくなると思いますよ。」

ママがおもしろがれる方向に持っていければ、家庭の雰囲気もより明るくなりそうです。

どうしても子どもがなつかない時のパパへの対応

ママがいくらがんばっても、子どもは気まぐれなので思うようにいかないこともあります。子供がなついてくれなくて肩を落とすパパに、どう声をかけたらいいか迷うところです。

「『照れているだけなのよ。いつもはパパ大好きって言ってるんだから』と、子どもがパパを嫌っているわけじゃないとアピールすることが大事です。へそを曲げてしまうタイプのパパには、『あなたを頼りにしているのよ。わたしひとりじゃどうにもならないんだから』と、夫婦間での夫の役割を自覚してもらうといいですね。」

家事育児のやる気をアップさせるパパの褒め方

パパ本人に対して、家事育児参加へのモチベーションを高めてくれるような褒め方はあるのでしょうか? タイプ別に説明してもらいました。

その1:子どもと遊んではくれるけど、食事やオムツ替え(特にウンチ)はしてくれないパパ。お世話もしてもらえるように誘導したい

「完璧にしなくては、と身構えてしまう反面、ママがやってくれるっていう甘えもあるんでしょうね。この場合、理論で責めるのは逆効果です。『そこを乗り越えると、男としてひとまわり大きくなれるよ』とか『娘を育てるのはつらいことなのよ。ウンチの後始末もお嫁に行く時の練習だと思ってがんばって』と、ユーモアを交えて、こちらがやってほしいことに巻き込んでいくのがいいですね。」

ママが出かけてしまって、やらざるを得ない状況にするという作戦もあるそうですが、その場合、帰って来た時にかけるひと言が大事だとか。

「ここでは、帰ってきた時のフォローが肝心です。『泣いているかと思って心配したけど、私といる時よりうれしそうだね』というような、パパに自信をつけさせる褒め言葉を用意しましょう。」

その2:育児はしっかりやってくれるパパに、家事参加もしてもらいたい

「『○○は私が見ているから、食器を洗っておいて』と具体的に頼んでしまいましょう。本来、家事は分担してやったほうが良いものなので、下手に出過ぎるのはよくありません。やってもらいたいことを明確にすれば、パパも家事に参加しやすくなりますよ。」

大切なのは、家事を引き受けてくれる度に、褒め言葉や感謝の気持ちを伝えることだそうです。

その3:多忙なパパに、さりげなく家事育児もお願いしたい

「『家事の段取りがうまくいかなくて、夕飯の時間が遅くなっちゃった。子どもともゆっくり遊んであげられないし。どうすればいいと思う?』と助けを求めるのは効果的です。パパがアドバイスをしてきたら、『さすがパパね! わたしひとりじゃそこには気がつかなかったわ』と男心をくすぐる褒め言葉を伝えることを忘れずに。」

切羽詰まった状況ではケンカの元になってしまうこともあるので、ママの余裕のあるときに言うことを心がけるといいそうです。


このような状況に応じた褒め方で、まずは夫のモチベーションを上げておき、パパが手伝ってくれることに慣れてきたころに、家事や育児の分担を提案するとうまくいくとのこと。

相手を褒めるという行為は、夫婦間だと特に照れくさいかもしれません。しかし、褒め言葉や「ありがとう」が家庭で交わされるようになると、自然と家族の笑顔も増えるはず。変わっていくパパを手のひらの上で転がしているイメージで、楽しんでしまうのがよさそう。そうすると、家族、夫婦の中でプラスのスパイラルが生まれて、お互いに気分よく家事や育児に取り組めるとか。

「自分が褒めてもらいときは、まず相手を褒めるのが鉄則です。パパをいい気分にさせて、ママもたくさん褒めてもらってください。」

楽しいことも多いけど、大変なことも多い家事育児。お互いに褒め合って、楽しく乗り切っていきたいものですね。

お話を聞いたのは…

  • 石原壮一郎さん

    コラムニスト。1963年三重県松阪市生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に「大人力養成講座」でデビュー。2012年7月に「伊勢うどん友の会」を立ち上げ、2013年8月には世界初の「伊勢うどん大使」に就任。伊勢うどんの魅力を伝える活動を、太くやわらかく行っている。著書に「大人の当たり前メソッド」、「食べるパワースポット[伊勢うどん]全国制覇への道」などがある。2015年2月には最新刊「日本人の人生相談」を上梓。

  • 石原さん公式サイト「大人マガジン」
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ライター紹介

畑菜穂子

1979年生まれのライター。研究テーマは1980年代の子ども番組「パックンたまご!」とおかっぱ男子。食欲旺盛な2歳の娘を連れて行ける、おいしいごはん屋さんに目がない。雨の日の家での子どもとの過ごし方を模索中。

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