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冬から春に流行するロタウィルス、かかった時の対処法と予防法

毎年この時期、全国的に流行するロタウィルス胃腸炎。小さな子どもがかかることが多く、激しい下痢や嘔吐、発熱などの症状が現れます。繰り返される下痢や嘔吐物の処理に追われ、看病する側もとても大変な思いをするこの病気。くろさわ子ども&内科クリニックの黒澤サト子先生に予防法と対処法を伺いました。

感染力が強く、つらい胃腸炎を起こすロタウィルス

まず、ロタウィルス感染症とはどういうものなのでしょうか。特徴や症状を伺いました。

感染性胃腸炎の中でも感染力が強い

「ロタウィルス感染症は、 生後6ヶ月から2歳をピークに乳幼児を中心に流行するウィルス性の胃腸炎です。昔は『冬期下痢症』とも呼ばれていて、流行は年末から始まり春先にピークがあるのが特徴ですね。感染性胃腸炎をおこすウィルスは他にも、ノロウィルス、サポウィルス、アデノウィルスなど色々あるのですが、その中でもロタウィルスによる胃腸炎が全体の40%〜50%近くを占めています。」

どのウィルスでも治療法は同じなので、ウィルス検査を行なうことはあまりないそうですが、ノロウィルスよりもロタウィルスのほうが感染力が強く、症状も強く出ることが多いそうです。

下痢、嘔吐、発熱が1週間ほど続く

ロタウィルスは、ほとんどの子どもが5歳までに一度は感染するんだそう。では、ロタウィルスに感染するとどんな症状が起こるのでしょうか?

「ウィルスに感染後、 症状が出るまでの潜伏期間は2日〜3日で、その後、下痢、嘔吐、発熱といった症状が1週間前後続きます。米のとぎ汁や粘土のような白い便が見られることもありますね。非常に稀ではありますが、重症化すると、急性脳症や多臓器不全など重い合併症をおこすこともあります」。

自宅で看護する際のポイントや注意点は?

では、子どもがロタウィルスにかかった場合、どのように対処すればいいでしょうか?自宅で看護するポイントを教えて下さい。

一番怖いのは脱水症状。こまめな水分補給を

「ロタウィルスに効く治療薬はとくになく、体の中に抗体ができてウィルスを殺し、通常1~2週間で自然治癒します。 胃腸炎で一番怖いのは、下痢と嘔吐を繰り返すことによる脱水症状です。ポカリスエットやOS-1などの電解質飲料でこまめに水分補給をして下さい。一度にたくさん飲ませると吐き出してしまうので、何度かに分けて少しずつ飲ませるのがポイントです。」

固形物が食べられない日が2~3日続いても、電解質を含む水分が取れていれば大丈夫とのこと。ただ、 子どもの脱水症状は急激に進み、点滴が必要なことがあるので、ぐったりした様子があれば早めに医療機関に連れていきましょう。

家族への感染を防ぐには、嘔吐物の処理を慎重に

小さな子どもは吐く前に教えてくれないので、嘔吐物の処理も大変ですよね。他の兄弟への感染を防ぐためにできることはありますか?

「ロタウィルスは非常に感染力が強いため家族間の感染を防ぐのは難しいですが、 感染者の吐物や便などに直接触れないようにし、タオルやシーツ類の共有はやめましょう。嘔吐物は使い捨て手袋をして拭き取り、そのままポリ袋に密閉して袋ごと廃棄します。吐いたあとは次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)で消毒することを徹底して下さい。嘔吐物や便が付着した服やシーツなどは、塩素系漂白剤につけて消毒してから、他のものと分けて洗濯機に入れるようにしましょう。アルコール等の消毒液はあまり効き目がありません。」

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤は、0.1%濃度に薄め、それにペーパータオルなどを浸して付着した床などを拭き取るのが良いそうです。また、漂白できない衣類は、85℃以上の熱湯に1分間浸してから洗濯しましょう。

ロタウィルス胃腸炎を防ぐためには?

ロタウィルスの感染を予防するためにはどうしたらいいでしょうか?

手洗いと排泄物の消毒処理を徹底しましょう

「ロタウィルスの主な感染ルートは糞口感染です。感染便には1g中1000億個もの多量のウィルス排泄があり、10~100個程度のウィルスが口に入るだけで感染します。 基本的なことですが、外から帰って来た時や排便後、食事の前などは必ず石けんでしっかりと手を洗いましょう。もし家族に感染者が出た時には、嘔吐物や便を触った手でドアノブなどに触れると、そこからウィルスが他の人に感染し拡大するので、手洗いはより念入りに。また、オムツ交換は使い捨て手袋を使用し、ポリ袋に入れて捨てましょう。」

ロタウィルスにはいくつもの型があり、年によって流行する型が違うので、何度でもかかってしまうんだそう。ただ、ひとつのウィルスにかかると他の型にも免疫ができるので、何度か経験するうちに体の中で抗体の作りが早くなり、いずれは症状がほとんど出なくなるんだとか。大人は症状が出にくいのもこのためなんですね。

重症化を防ぐために、乳児はワクチン接種も

「一番大変なのは、持って産まれた 母親からの免疫が切れる頃に、初めてこの病気にかかる乳児の症状が最も重いことです。そのため、生後6週から14週6日までにロタウィルスワクチンを接種することをおすすめしています。このワクチンはロタウィルスの感染を完全に防ぐものではありませんが、初感染での重症化を防いでくれます。任意接種の経口生ワクチンで、現在2種類のワクチンがあり、2回から3回の接種で完了します」。

ロタウィルスは非常に感染力が強く、ほとんどの子どもが経験することになるので、一番の予防法はワクチンを接種することなんだそう。かかった子どもにとってもお世話をする親にとっても負担が大きいロタウィルス胃腸炎。しっかり予防し、かかってしまった場合にもあわてずに適切なケアができるといいですね。

お話を聞いたのは…

  • 黒澤サト子先生

    東京都国分寺市にある地域密着型クリニック「くろさわ子ども&内科クリニック」院長。

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ライター紹介

宇都宮 薫

1980年生まれ。フリーランスの編集者・ライターとして活動中。4歳、1歳の娘と同業者の夫との4人家族。過去にバイク雑誌編集部やライター事務所に所属し、出産を機にフリーランスへ転向。独身時代から大の旅好きで、バイクや原付に乗って日本中を巡る。子持ちとなった今は、家族揃ってのおでかけに情熱を燃やしている。

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