子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

金銭面、育てやすさetc. 兄弟姉妹を作るなら、何歳差がいいの?

掲載日: 2015年4月22日更新日: 2015年5月29日蜂谷智子
第2子が欲しい!と希望するママたちの大きな悩みがタイミング。兄弟姉妹の年齢差が3歳違いだと、高校受験と大学受験が一緒にやってきて大変…!というのはよく聞く話。自分の仕事の都合、子育てのしやすさなどから、いったい兄弟姉妹は何歳差がいいのかを聞いてきました。

子育てにおいて、親がラクな年齢差は?

子どもはかわいい。とはいえ、子育てって簡単にはいかないものですよね。もし第2子を作るならいったい何歳差が良いのかを、教育カウンセラーの庭田真理子さんに聞いてきました。 「3歳過ぎると、大体ひとりで自分のことがでるようになります。それでそのぐらいの年の差を望む方もいるかもしれません。一方で受験期の頃にダブルで受験となることを懸念する方も多いと思います。しかしダブルで受験してもらった方が、兄弟姉妹で一緒に勉強をしてくれる可能性があります。 親としては、受験の手続きなどが大変になったり、受験料や入学金などの出費が重なる点では大変ですが、子供のモチベーションを保つためには、いい面もあります。」

金銭的な面などで親に負担がかかりますが、子どもにとって、3歳差はメリットが多いようです。では、もっと年が近い2歳差の場合は、どうなのでしょうか?

2歳差の場合のメリットは、年齢が近いため一緒によく遊んでくれることですね。ただし、第2子が産まれた直後は、第1子が2歳のイヤイヤ期に加え、赤ちゃん返りもしてしまってママを困らせる場合もあります。」

年の近い兄弟姉妹に対して、4歳以上離れると、親としては上の子に手がかからなくなるので育てやすそうですが、どんなデメリットが考えられるのでしょうか?
「4、5歳以上離れると 『育児をすべてイチからやりなおし』と感じる方が多いようです。育児の仕方をすっかり忘れてしまっていて、沐浴の仕方は? 離乳食の進め方は? いちいち悩みながら、まるで初めての子育てのように悩んでしまうことも。また、子育て以外の自分自身の生活やキャリアを設計する際にも悩みが多く、『せっかく手が離れて、落ち着いた生活を送れていたのに』と思う方も少なくようです。まわり人たちが子供の手が離れて働きに出たりしているのを見ていると、焦りを感じたり、今後どうしたらいいの? と思ってしまうこともあるかもしれませんね。」

中でも4歳以上の年齢差で実はいちばん困るのが、どこかへ遊びに行く時なんだとか。

2人共が楽しめる場所を探すのに苦労している方が多いようです。上の子を優先して考えると、下の子が飽きてしまうし、その逆だと、上の子がつまらないし…ということで、知恵を絞ることになります。」

いちばん困るのがお出かけ先とは! 年齢の離れた子どもがそれぞれ楽しめる場所を探すためには、それまでにも増してお出かけ情報をリサーチする必要がありそうですね。

とはいえ、 4歳〜5歳以上離れると、「第1子が下の子の面倒を見てくれる場合も出てくるんですよ」と庭田さん。「親の手間だけではなく、兄弟姉妹同士の関係性も年齢差によって変わりますから、そういった視点からも検討してみることをおすすめします」とのこと。

きょうだいの年齢差別、子育てのポイント。

庭田さんも指摘するように、兄弟姉妹の関係も年の差によって変わってきます。親としてはもちろん、兄弟姉妹には仲良くなって欲しいもの。年齢差が小さい1~3歳、年齢差の大きな4歳以上の場合に分けて、庭田さんに育て方のアドバイスをいただきました。

年齢差:1歳~3歳

「上の子からするとママを取られた感がとても強く現れる年齢。 上の子が寂しくないようにうまくフォローしながら、赤ちゃんのお世話を一部手伝ってもらうなど、ママも頼りにしているということを伝えて、お兄ちゃん、お姉ちゃんとしての自覚を持たせるようにするのがポイント。そうすると年の近くても、同年代感覚の付き合いから発展し、兄弟姉妹同士、助け合える関係性が確立できます。」

また、兄弟姉妹の年齢差が近ければ近いほど、お互いにライバル心を持ってしまうものですが、それを逆手に取って、負けん気の強いパワーのある子に育てることもできるそうです。

年齢差:4歳以上

「どうしても下の子に気を取られ、上の子に注意が行かない状態になりがちな年齢差。上の子ばかり我慢させて、下の子を甘やかしてしまう場面も多々あるので、注意が必要です。ここでもママがうまくフォローして、上の子のお兄ちゃん、お姉ちゃんとしての自覚を持たせながら、兄弟姉妹の関係を作っていくことが大切。

年齢差があっても、上の子はやはり寂しさを感じることはありますが、しっかりとママがフォローしてあげると、自発的に下の子の面倒を見るようになります。また下の子にとっては、年が離れている分、上の子がよいお手本(ロールモデル)に。兄弟姉妹の関係が尊敬の念で結ばれると、疎遠にならず、仲の良い兄弟姉妹になります」

良きライバルであり、最高の友達。または尊敬するロールモデル。そういった素晴らしい兄弟姉妹関係になるかどうかは、ママのフォローにかかっているのですね。

金銭的に一番ラクなのは何歳差?

さらに、親として気になってしまうのがやっぱり金銭的な問題。学費やお稽古ごとにかかるお金を考えると、一気に払ってしまった方がいいのか、それとも別々にした方がいいのか、悩んでしまいますよね。

「教育費は、高校、大学と年齢が上がるにつれて、上がっていきます。ですから、 あれこれと悩む前にまず教育費全体像を把握することをおすすめします。文部科学省の学習費、授業料の調査によると、幼稚園を経て、小学校から高校までを公立、大学は国立に通わせた場合、大体総額が900万円くらい、小学校から大学まですべて私立だと2200万ぐらいという試算もあります。公立と私立でかなりの差がありますね。」

兄弟姉妹の年齢差によって、この総額は変わるわけではないので、 親が何を望んで、子供にどんな教育を受けさせるかを、早い段階で夫婦で相談し、準備を進めることが大切とのこと。

また、年齢差によって親の働き方も変わってくる可能性があるとか。たとえば、 年の離れた兄弟姉妹なら、一気に育児の負担が押し寄せることのないので両親がフルタイムの仕事を続けることも可能。一方、年の近い兄弟姉妹の場合は、幼少期はどちらかが育児に専念し、教育にお金がかかる年齢になったら両親ともフルタイムの仕事に復帰するというプランも考えられるそう。

子どもにどんな教育を受けさせたいのか、自分の今後のキャリアはどうしたいのかなどを、夫婦で率直に話し合うことが大切なんですね。

兄弟姉妹の年齢差によって、気をつけるべきポイントはありますが、家族が増えるのは素晴らしいこと。子どもをいつ授かるかは、もちろん想定通りに行かないこともありますが、楽しい未来を思い描いて、前向きに検討したいものです。

お話を聞いたのは…

  • 庭田真理子さん

    保育士・認定心理士・社会福祉士・心理カウンセラー。40歳で保育士の資格を取得。3人の子育てに悩んだ自身の経験を元に、子育て支援者に。公立の年間3000組以上の親子の子育て支援の現場勤務15年勤務したあと、心理カウンセラーとして独立。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • RSS
  • follow us in feedly
  • チェック

ライター紹介

蜂谷智子

ライター・編集者。学び系の出版社勤務後、フリーランスに。現在はライフスタイルやカルチャーに関するメディアを中心に活動中。趣味は映画や音楽などのアートに浸ることと、おいしいお酒を飲むこと。去年からはそこに娘の子育ても加わって大忙しの毎日。親子で趣味を共有することを夢見て、美術館や音楽鑑賞に連れ出しては娘の反応をうかがっている。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事