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6~9月がダニ発生の最盛期!効果的なダニ対策法は?

掲載日: 2015年6月5日更新日: 2017年5月16日青柳直子
梅雨から夏にかけて一気に増殖するダニ。ダニは小児喘息など多くのアレルギー疾患の原因になる確率が高いと言われています。小さな子どもがいる家庭では特に気になるダニ対策。どうすればダニの発生や増殖を抑えることができるのか、効果的なお手入れ方法をご紹介します。

アレルギーの原因になるのはどんなダニでどこにいる?

「日本の住宅にいるダニは20種程度で、そのうち6〜9割が、チリダニ(ヒョウヒダニ)と呼ばれる「ヤケヒョウダニ」と「コナヒョウダニ」の2種類です。成虫でも体長0.3〜0.4mmで温度20〜30度、湿度50%以上で増殖し、湿度60〜80%を最も好みます。周りと同化しやすい乳白色なので目では見えにくいのですが、家中のいたるところにいます。」

そう語るのは、環境アレルゲン対策の専門家・白井秀治さん。

枕、布団、ぬいぐるみ、布製のソファ、ラグ、などの布製品のほか、畳、押入れの中の布団などもダニの格好のすみかなんだそう。

「ダニの寿命は1〜3カ月。卵が成虫になるのに1カ月近くかかります。1日に1個〜の卵を産み、生涯では100個以上もの卵を産むともいわれています。梅雨から夏にかけてはダニの増殖が活発になる時期。高温多湿というダニが好む環境になるため、気がつけば数万、数十万匹、と爆発的に増える可能性があります」。

家の中に数十万匹のダニ・・・。考えるだけでもゾっとしますね。

気管支喘息の子どもの9割はダニアレルギー…!?

それでは続いて、気になる人との関わりについてみていきましょう。

体内に異物が入ってきたときに体を守る仕組を免疫といいますが、その免疫の過剰反応によって体に不都合な状態が引き起こされること、これがアレルギーなんだそう。

ダニやダニのフン、死骸はアレルギーの原因となることが多く、呼吸を通して吸い込んだ場合、鼻の粘膜ではアレルギー性鼻炎、気管支では気管支喘息の原因として関係するということが報告されています。また、皮膚についた場合は、皮膚のバリア機能に障害を与えることも報告されています。

特に子供の気管支喘息では、ダニがアレルギーの原因として関係している割合が9割というデータもあるのだとか・・・。

ダニのフンや死骸は、人にとってみれば異物です少しでもそれらとの接触を避けるように、工夫をしたいですね。

家庭でできる効果的なダニ対策

梅雨入りそして梅雨明けに大掃除を

このように様々なアレルギー疾患の原因となりうるダニを増殖させないためには、梅雨に入る前、そして梅雨明けの段階での大掃除が効果的と白井さん。

「梅雨はダニの増殖期ですが、元々の数が少なければ、増えた後の数も比較的少なく抑えられます。ですから、増殖期に入る前にできるだけ家庭内のダニの数を少なくしておくのが肝心です。どうしても梅雨入り前に掃除ができなかった場合は、梅雨が明けて数が増えた段階で大掃除をするのも効果的です」。

掃除機は1m四方あたり20秒以上かけてゆっくり吸い取る

「どこの家庭にもたいていある効果的なダニ対策ツールといえばやはり掃除機。ただ、さっさとかけるのではダニ対策としては不十分です。掃除機は必ず窓を開けて喚起を行いながら1m四方(畳半畳より少し大きいくらい)を20秒以上を目安に、吸い込み口をピッタリと密着させてゆっくりと動かします。」

掃除機をかける頻度はダニ対策という観点から見ると、毎日じゃなくても週1回以上かけておけばOKだそうです。

「カーペットでよく歩いたり寝そべったりしているところは毛がつぶれていますよね。その部分にいるダニは吸い取りにくいので、20秒より長くかける必要があります。だいたい3分ぐらいかけるとつぶれていた毛が立ち上がってきます。スキマノズルをつかってつぶれている毛をおこすようにかけるとよいですよ。」

また、ラグの縫い目や細かい溝などもスキマノズルを使うと効果的なんだそうです。

シーツやラグなど洗えるものは洗う!

ダニのフンは洗濯すれば9割前後が落ちます。シーツや枕カバー、タオルケットなどはもちろん、キルトのラグやクッションカバーなど洗濯できるものは洗濯するのがもっとも効果的です。」

洗濯の頻度は、寝具は1週間に1回、ラグなどは2週間に1回が目安だそうです。

布団は天日干ししてから掃除機をかける

布団は天日干ししてから掃除機をかけるのがおすすめです。干すだけではダニ退治にはなりませんが、乾燥させることによりダニを増やしにくくするというダニ対策になります。ただし、布団たたきをすると中のダニやふん、死骸が表面に出てきますので、布団たたきをしたら必ず掃除機をかけましょう。」

「雨続きなどでなかなか布団が干せない場合は、掃除機だけでもかけるようにしてください。また、季節の変わり目など、布団の丸洗いができるときには丸洗いもおすすめします。」

布団の場合も、掃除機のかけ方はやはり1週間に1回以上、1m平方あたり(シングル布団半分が目安)20秒以上かけてゆっくり丁寧に

「布団に掃除機をかける場合は、布団専用ノズルを使えば布団を傷める心配も減ります。掃除機に付属のものがない場合でも、2000円から3000円程度で購入できますよ。」

ベッドの場合はマットレス、2段ベッドなどの敷板もダニの温床

「シーツや汗取りマットを洗っている間に部屋の窓を開けて換気し、裸の状態のマットレスにも掃除機をかけましょう。2段ベッドなどの布がまいてある敷板にも掃除機をかけましょう。外せるならばたまに天日で干すとさらに乾燥させるのに効果的です。」

子どもがいる家庭で実践したいダニ対策

「お子さんがいるご家庭では、子どもが歯磨きなどの寝る準備をしている間に布団を敷き、その後添い寝して寝かせる、という生活習慣をよく聞きます。しかし、布団の上げ下ろしをすると、通常の状態より約1000倍もの(ダニを含んだ)ホコリが舞い、落ちるまでに約1時間程度かかるという報告もあります。布団を敷いてすぐに寝るとダニのホコリを体で受けるようなもの。可能なら布団は寝る1時間前までに敷くようにし、布団を上げ下ろしする時は窓を開けて換気しながら行ってください。」

部屋の対角にある2カ所の窓を開けて風を通す窓換気が一番効果的なのだそうですが、それが難しい場合は、部屋の窓を1カ所開けた上で部屋の扉を開け、お風呂や台所、トイレなどの換気扇をまわし、窓から換気扇へという風の流れを作るようにするとよいそうです。

また、空気清浄機を効果的に使う方法があるのだそう。

「布団の上げ下ろし時に窓を開けて換気ができないときには空気清浄機を使うと、舞ったホコリが落ち着くまでの時間を約20〜30分短縮できます。就寝中は寝返りを打つだけでもホコリが舞いますので、空気清浄機を使うもの手です。キレイな空気だけが顔に来る角度に調整するのはなかなか難しいかと思いますが、できるだけ布団の近くに置くとよいでしょう。」

ダニ対策の心得は今いるダニの数を減らして増やさないこと。
特別な道具がなくても、今すぐできる効果的なダニ対策。ダニの増殖の前後にぜひトライしてみてください。

お話を聞いたのは…

  • 白井秀治さん

    日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、日本ダニ学会所属。アレルゲンに関わる室内環境の整備が専門。アレルゲンの影響や除去について、講演や各種メディアで対策を啓発している。

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ライター紹介

青柳直子

ライター暦16年。神戸生まれ・育ち・在住のアラフォー世代。芸能・インタビュー、舞台・コンサートレポをメインに、子育て関連、街取材まで“守備範囲を広く”がモットー。小学1年生の長男、1歳の長女、ヨーゼフ(ハイジの犬)似の夫+猫2匹と、毎日てんやわんやな暮らしぶり。娘が歩けるようになったのを機に、家族キャンプ再デビューを計画中。

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