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改めておさらい!風邪予防に効果的な手洗い・うがいの方法

掲載日: 2016年1月18日更新日: 2017年5月16日平野 友紀子

インフルエンザや風邪が流行しやすい季節になりました。予防には手洗い・うがいが効果的と言われていますが、正しい方法を知っていますか? そこで、予防効果のある手洗い・うがいの方法について、マオクリニック医院長の岡田昌子先生に伺いました。

手洗いで接触感染を、うがいで飛沫感染を予防!

そもそも病気の予防には、なぜ手洗い・うがいが大切なのでしょうか?

「手にはたくさんのウイルスや細菌が付着しています。手洗いをすることで、感染症を予防することができます」と岡田先生。

日常生活における主な感染経路は、「接触」「飛沫」「空気」感染の3つ。その中でも皮膚や粘膜の直接的な接触や、手指・食品・器具などを介する間接的な接触によって感染する接触感染が多いそう。

「いまの時期であれば、手洗いをすることでインフルエンザやノロウイルス、ロタウイルス、一般的な風邪などの接触感染を予防することができます。ほかにも、手の汚れでおこる食中毒、例えば、サルモネラ菌やブドウ球菌、O157などにも効果的です。」

一方、咳やくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染する飛沫感染にはうがいが効果的だそう。

「感染している人が下痢や嘔吐などをしてしまった場合、それ自体に触らなくても、乾燥したものが浮遊して口から入ることもあります。基本的には、のどの内壁には生えている『線毛』という細かい毛が動くことで、粘液に付着した細菌などの異物を 除去してくれます。しかし、中には線毛だけでは排出できないウイルスもあるので、うがいをしましょう。」

のどが乾燥していると細菌が付着しやすくなるので、のどを潤すという意味でもうがいは大切なのだとか。冬はとくに乾燥しやすいので、注意しましょう。


石けん&アルコール消毒で効果的に!正しい手洗いの方法

それでは、予防効果を高める手洗いの方法を紹介します。

効果的な手洗いの方法

  1. アクセサリーや腕時計などを外す。
  2. 流水で手を湿らせ、石けんを手に取りよく泡立てる。
  3. 手のひら、甲、指の間、爪のまわり、手首を両手でこするようにしながら、30秒間を目安に隅々まで洗う。できれば、ひじまで行なうと良い。
  4. 20秒を目安に、流水でしっかりとすすぎ、泡を完全に洗い流す。
  5. 清潔なタオルやペーパータオルなどで水分をよく拭き取り乾かす。

手洗いのポイント

●石けんを使って洗ったうえで、アルコール消毒をする
水だけで洗うよりも、石けんを使った方が、界面活性剤の効果でウイルスが落としやすいです。手洗いが終わったらアルコール消毒をするとより効果的。濡れたまま消毒をすると、せっかくのアルコールが薄まってしまうので、よく乾かした後につけましょう。速乾性タイプなら、手荒れを軽減することができます。

●洗う時間は、ハッピーバースデーの歌2回が目安
しっかりと手を洗うには、30秒は必要。子どもに教えるときは、ハッピーバースデーの歌を2回歌うのを目安にすると良いでしょう。

●手を拭くタオルは共有しない
手を拭くときは、常に新しいタオルを使うかペーパータオルを使用しましょう。感染性のものが付着してしまうと、家族中に広がってしまいます。それだけでなく、湿った状態のタオルは、カビが発生しやすくなります。また、洋服で拭くのはもってのほか。雑菌が付着しているので絶対にやめましょう。

●こまめに手洗いする
食事の前、トイレの後、帰宅時、ペットなど動物にさわった後はもちろんのこと、咳やくしゃみを手で押さえた後や鼻をかんだ後も手洗いしましょう。子どもの場合はおもちゃを触った後、大人の場合は、ごはんを作る前や吐瀉物や排泄物を片づけた後も忘れずに。

なお、外出先などですぐ手洗いができない場合には、アルコール消毒も効果的ですが、ノロウイルスなどアルコール消毒だけでは除去できないウイルスや細菌もいるので、「アルコール消毒をすれば大丈夫」と思わず、なるべく手洗いするよう心がけましょう。


水うがいだけでも予防効果あり!正しいうがいの方法

続いて、うがいの方法を紹介します。

効果的なうがいの方法

  1. 初めに口の中をクチュクチュすすぐ。
  2. 新しい水を口に含み、上を向いて10秒間ガラガラと喉の奥まで洗浄する。
  3. 「2」のガラガラうがいを3回繰り返す。

うがいのポイント

●うがい薬は使わなくてもいい
うがい薬に含まれているポピヨンヨードは、細菌やウイルス、カビの殺菌効果はあっても、やりすぎるとかえってのどの粘膜を傷つけてしまい風邪をひきやすくなることも。唾液自体にも殺菌作用があるので、健康的な人は 水うがいだけで大丈夫です。病気をした時にうがい薬を処方された場合は、お医者さんの指示に従いましょう。

●緑茶・紅茶うがいは風邪予防に効果的
緑茶に含まれるカテキンは、ウイルスに付着して細胞への吸着を防ぐことから、粘膜を保護し、炎症を押さえてくれます。また、緑茶、特に煎茶に多く含まれるビタミンCは、 免疫力を高めてくれるので風邪予防に効果的。紅茶は、カテキンは緑茶よりも少ないですが、抗酸化作用や抗菌作用があるポリフェノールが豊富。また、ビタミンやミネラルも多く含み、粘膜を正常に維持・強くするため風邪予防にもなります。煮出したお茶や紅茶を口に含み、うがいをしましょう。

●うがいできない場合は、マスクや水分補給を
外出先でうがいができない場合は、マスクをする、水分補給をこま目にするなど、のどの乾燥を防ぎましょう。
 

お気に入りのコップやかわいいタオルを用意して、親子で楽しみながら正しい手洗い。うがいの習慣を身に付けましょう。

お話を聞いたのは…

  • 岡田昌子さん

    マオクリニック医院長。東京女子医科大学卒業、同大学院卒業、内科医。東京女子医大病院、山王病院、聖路加病院予防医療センター勤務を経てマオクリニック開業。医学博士。日本内科学会認定内科医。日本アロマセラピー学会認定医。日本抗加齢医学会専門医。産業医。

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ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

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