暑い夏は海のレジャーを満喫したいもの。ですが、子供が小さかったり、遠方であまり馴染みがなかったり、楽しみ方がわからないファミリーも多いはず。そこで、親子におすすめの海のレジャーが海上クルージングです。
遠方に行かずとも、都心からスタートすることもあり、手軽に楽しめます。また、船上デッキから見える非日常的な景色は、子供も大人も楽しめます。船から橋を見上げたり、人気の観光名所を海上から快適に眺められるので、小さな子供連れでも安心です。ほとんど揺れを感じることはないので、乗り物酔いしやすい子供もにもおすすめです。
そこで今回は、クルージングの魅力や、親子の楽しみ方について、「東京水辺ライン」を運営している「公益財団法人東京都公園協会」スタッフに伺いました。実際に体験した様子も交えて紹介します。
クルージングの魅力は?
早速ですが、クルージングの魅力を教えてください。
「東京水辺ラインで行っているクルージングは、台東区浅草〜江戸川区葛西の間を運航しています。川や海から景観を楽しめることに加えて、東京湾をパノラマ状に見渡せるのが最大の魅力です」

「ほかには、日が沈んでからのナイトクルーズもあって、橋梁やタワーなどがライトアップされた非日常的なウォーターフロントの景観も楽しめます」
「都内では、電車の経路など横移動する傾向にありますが、船の場合は縦移動ができるのもクルージングならではの見どころですね」
乗り物酔いをする子供でも大丈夫でしょうか?
「小中学生の修学旅行や総合学習でご利用いただいており、乗り物酔いするお子様はほとんど見受けられません。上部デッキに出て風にあたることもできるので、気分転換ができるスペースは広く、自由に動き回ることができるので、酔う可能性は低いかと思います」
クルージングは何歳から楽しめる?
クルージングは何歳から乗れますか?
「クルージング自体は、0歳から乗ることができます。おすすめの年齢などはとくになく、小さな子供から年配の方まで幅広く利用いただいています」
予約不要で当日行って楽しめる!
乗船チケットは予約が必要ですか?
「基本的には当日券のみになります。ただし、15人以上の団体やナイトクルーズのみ、事前予約が可能です」
最大で何名くらい乗船できるのでしょうか?
「船が200名定員と140名定員のものがございます。その定員の範囲内で受け付けておりますが、繁忙期には定員を超えるお客様にご利用いただいておりますので、お早めにチケットをご購入ください」

体調不良など、急な予定変更が多い子連れには、当日行って楽しめるのはありがたいですね。
子供と楽しむポイントは?
子供がとくに楽しめるコースはありますか?
「土日・祝日に運行している『葛西・お台場周遊』は、船上クルーズを楽しんだあと、下船して葛西臨海公園で遊べるのでおすすめです。繁忙期には祝日や土日も運航しています。スケジュールは公式サイトでご確認ください」

「また、船上デッキからスカイツリーやレインボーブリッジ、東京タワー、ゲートブリッジなどの観光名所を一望できるのは、年齢問わず楽しめると思います。さらに、羽田沖で飛行機が見えたり、葛西臨海公園で下船後の公園で遊んだり、プラスアルファの楽しみもあります」

ほかにはどんなコースがありますか?
「月曜日以外の平日に『浅草・お台場クルーズ』、土日祝日などは『浅草・葛西クルーズ』『葛西・浅草クルーズ』を運航しています」
「ほかには、夜の景色を堪能できるナイトクルーズや、夏の花火大会を見られる特別イベント便、春の桜並木を堪能できる季節ならではのクルーズなど、時期によってさまざまなシチュエーションを親子で楽しめるコースがあります」
船内にガイドはいますか?
「通常は船内の放送のみなります。ただし、土日・祝日の急行便のみ、ボランティアガイドが乗船している便がございます」
「ただし、荒天や強風の場合など安全のために欠航することがあるので、事前に公式サイトや電話で確認してください」
船内では、船で通過する橋の歴史など興味深い話も学べるのもうれしいポイントですね。
※ガイドは、ボランティアのため乗船しない場合もあります
動画で見るクルージング(約30秒)
クルーズ船ってどんな乗り物?
クルーズ船はどんな乗り物ですか?

「いろいろありますが、うちでは1階が座席になっていて、階段を登ると2階がデッキになっています。指定席などは設けていないので、空いていればお好きな席に座れます。運航中は、座席からのんびり外の景色を楽しんだり、船上デッキで360度のパノラマを堪能したり、自由に楽しめます」
船内には、飲み物の自販機やトイレなどが設置されています。ですが、オムツ替え台や授乳室はないので、事前に対応しておく必要があります。

船上ならではの体験に子供も大はしゃぎできそうですね。

座席には、ミニテーブルやドリンクホルダーも付いています。
展望デッキは、柵で囲われていますが、潮風を直接受ける開放的なスペースです。

ベビーカーで乗ることはできますか?
「船に持ち込むのは可能です。ですが、乗降口が階段になっているので、ベビーカーを折りたたんでから乗る必要があります」

スタッフが設置したタラップを使って、船乗場から船の中へ乗り込みます。

船発着場から船に乗る際は、必ずスタッフのアテンドがあるので、小さな子供連れでも安心です。

船の中は、1階前方にずらりと並んだ120ほどの座席があり、後部にもソファやベンチなどが設けられていて広々としています。

船内は座ったり歩いたり自由に動けるので、いろいろな場所から親子で船上の景色を堪能できます。

後方は、場合によっては水しぶきがかかるほどで、臨場感たっぷりです。
混雑しない時間帯は?
「平日の朝一番の便は、比較的利用しやすくておすすめです」
実際に平日に体験したところ、墨田区役所前から乗船して浜離宮経由で、お台場までの往復でしたが、乗り降り時の混雑もなく快適な海上クルーズを楽しめました。
クルージングで気をつけたいマナーは?
船上でのマナーや注意点を教えてください。
「船上デッキでは、飛び跳ねたり、柵にもたれかかったり、橋の下を通過する際に橋桁に手を伸ばしたりするのは危険なのでやめてください」
取材で乗船した「浅草・お台場クルーズ」では、10本以上の橋の下をくぐりましたが、場所によっては橋桁すれすれを進むこともあるので、ワクワクする反面注意が必要です。
東京水辺ラインクルーズ料金
運賃は、乗車距離によって異なります。また、小学生は大人の半額相当。未就学児は大人1人につき1人無料(2人目からは)で利用できます。
浅草・お台場クルーズ/大人310円〜2,160円
葛西・お台場周遊/大人1,130円(往復の場合は1,650円)
浅草↔葛西クルーズ/大人310円〜1,650円
※ほか、イベント便などもあります。
※0歳から保護者同伴で乗車可能です。
海上クルージングは、陸では味わえない360度の景色が堪能できるのが最大の魅力です。また、小さな子供も気軽に乗船できるので、今年の夏は親子で海上クルージングを楽しんでみてはいかがでしょうか。