小学校でうんちをすると「友達にバカにされる」「和式トイレは使いにくい」などの理由で、トイレに入りにくかった経験は誰にもあるはず。実際、小学生の約半数が学校でうんちをせず、5人に1人の割合で便秘状態にあります。そんな小学生の意識と環境を変える「ラブレッタプロジェクト」を取材しました。
小学生の約半数が学校でうんちをしない!?

NPO法人「日本トイレ研究所」が2016年6月に発表した全国的なアンケート調査で、学校での排便について「ほとんどしない」「まったくしない」の合計は49.7%。さらに小学生の5人に1人が便秘状態にあるということがわかりました。

学校のトイレでうんちがしにくい理由については「友だちに知られたくないこと」や「落ち着かないこと」「友だちにからかわれること」「和式便器」などがあげられています。
こうした問題を改善するために日本トイレ研究所とカゴメ(株)が立ち上げたのが「ラブレッタプロジェクト」。「腸内環境の改善」「排便意識の改善」「トイレ空間の改善」の3つのテーマに取り組んでいます。
つまり学校のトイレをキレイにして使いやすくすることと、「うんち」について正しい知識を学んで実践することで、子どもたちが「学校でうんちをすること」に抵抗をなくし、便秘の子どもを減らそうというわけです。
そのプロジェクトの実施校である世田谷区立喜多見小学校で、9月1日に記念セレモニーを実施。そこでは「おなかを元気にする授業」と、洋式トイレの追加をはじめとする「トイレのリニューアル」が行われました。その模様をリポートします。
親子で挑戦!うんちを知る「うんちクイズ」!

喜多見小学校の小学1年生を集った「おなかを元気にする授業」では、「普段はお腹の中にいるけど、この日のために大きくなった」という「いいきん(菌)」さんを特別講師(!?)に迎えて行われました。

まず、口に入った食べ物がどのようにして「うんち」になっていくかをイラストで紹介。とくに大腸は最後の食べかすが「うんち」になるところで、「『腸内細菌』といわれる小さい生き物がたくさんいます」と、いい菌さん。
そこで腸内細菌を知るための「うんちクイズ」がスタート! ここからはぜひ、親子で挑戦してみてください。
第1問:いちばんおおいのは?

腸内で一番多いのはどの菌か? というクイズ。喜多見小学校の回答の中で一番多かったのは…。

(1)の「いいきん(菌)」でしたが、じつは正解は(2)の「ふつうきん(菌)」。「ふつう菌」は腸内に「いい菌」が多いときはいい菌の味方、悪い菌が多いときはそちらへと、どちらにも影響されてしまいます。
悪い菌がたくさんあると、いいうんちが出なくなります。腸の調子がよくないと風邪にかかりやすいともいわれていますね。
第2問:いい菌が多いときのうんちは?

続いて、うんちの形に関するクイズ。これはもう、誰もがわかりますね。(3)の「するっと出る、いいうんち」が正解です。
いい菌さんは「いいうんちをするためには、腸にとっていい菌である『乳酸菌』が入っている食べ物を摂りましょう。」と語ります。
その乳酸菌が入っている食べ物を当てるのが次の問題です。
第3問:乳酸菌が入っている、この食べ物の名前は?




正解は、(1)チーズ、(2)ヨーグルト、(3)味噌、(4)漬け物でした。これらの食べ物を優先して摂るようにしたいですね。

「おなかを元気にする授業」 の最後に「するっとでる、いいうんち」3つのポイントを紹介。3番目の「ラブレッタ体操」は胃と小腸、大腸を刺激する動きが入った体操です。



その場での足踏み運動や、一般的な体操の動きに加えて、これらの動きが入ったものが「ラブレッタ体操」になっています。体操自体は簡単にできるものなので、初めて挑戦する子どもたちもすぐに動きに慣れていました。
新しくなった「学校のトイレ」に大喜び!

「ラブレッタプロジェクト」では、子どもたちの意識だけでなく、トイレそのものを清潔で使いやすいものにすることで、トイレに行きやすくする取り組みをしています。
今回お披露目された喜多見小学校のトイレは、個室ブースの洋式化(男女ともに1カ所)と、トイレ床の張替え(湿式から乾式へ変更)、壁や便器のクリーニングが行われました。

男子トイレや和式便器には、足を置く位置がわかる「マナーアップシール」が貼られ、清潔に用が足しやすくなっています。

個室内や壁には「うんちクイズ」やシールが貼られています。うんちについて楽しく学んで、うんちを我慢しないことの大切さを自然にわかる仕組みです。

新しくなったトイレを見に来た児童たちも、ぴかぴかの床や新しくなった洋式トイレに最初はビックリ! 次にニッコリ! でした。
「ラブレッタプロジェクト」はまだまだ全国的に展開しているものではありませんが、この機会におうちでも「うんちクイズ」などを通して、きちんとうんちをすることの大切さを学んでみてはいかがでしょうか。