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子どもも親も成長できる!父と子のプチお泊まり

掲載日: 2015年4月27日更新日: 2017年5月19日杉山元洋

「子どもとじっくり接する時間が持てない」、という思いは、多くの父親の悩みのひとつではないでしょうか。そんな父と子の関係をぐっと近づけてくれるのが、二人きりで出かける気軽な宿泊旅行「プチお泊り」です。

日々の育児を積極的にこなす父親が増えたものの、母親抜きのお泊まりとなるとハードルが高いもの。そこで今回は、父親の育児に関するブログや著作でおなじみの育児教育ジャーナリスト・おおたとしまささんに、「プチお泊りデビュー」のコツを伺いました。


「お泊りデビュー」こそ父親の出番

「子どもは親と一緒にいるだけで、『いま自分は守られている』と安心しますよね。
親子の絆は、その安心感が心に積み重なることで成長します。非日常を共有する一泊旅行は、子どもと過ごす時間が比較的短い父親との絆を、より深めるのにぴったりなんです。」

初めての一泊旅行に連れ出す年齢は、食事やトイレがスムーズにできる4歳ごろが目安。この年齢だと父親が頼りになる存在だとはっきりと認識でき、思い出としてしっかり記憶してくれるのだそうです。

「行き先は、子どもがワクワクできる場所ならどこでもかまいませんが、宿は目的地の近所が無難です。たとえば、生き物に興味があるなら動物園、水族館や植物園。鉄道が好きならターミナル駅などを見学し、遊び疲れたら近くのホテルに泊まると言った具合。つまり、
『自分のお気に入り』にたっぷり触れる体験にお泊りをプラスすれば、帰り道で疲れてグズる心配をしないですむため、思う存分子どもとの時間を楽しめるというわけです。」

日帰りでも十分行ける近場のスポットでたっぷり遊び、ついでに近くで一泊する。そんな気軽プランなら、二人旅が初めてのお父さんでもハードルは低そうです。また、子どもにまだ興味の対象がないのなら、一緒に面白いものを探すことを旅の目的してしまうのも手なのだとか。目的地が決まるとスケジュールもきちんと立てたくなりますが、
あえて詳細は決めずに、子どものペースの成り行きに任せるくらいがちょうどいいのだそうです。

「飛行機好きな長男が小さいころ、二人で空港に見学に行ったんです。テレビやおもちゃでしか知らない本物のジャンボジェット機に感動したせいか、乗りたいと言って譲らない。『そんなに好きなら夢を叶えてこそ父親』だと、すぐに航空券を買って大阪行きに飛び乗ったんです。出たとこ勝負のささやかな旅でしたが、男二人の充実した時間はお互いにとってかけがいのない経験でした。」

画像提供:おおたとしまささん

子どもに合わせた柔軟な対応で貴重な体験をしたおおたさん親子。成り行きまかせの旅でも、家で待つ母親へはこまめな連絡を忘れないのがポイントだとか。その他に注意したい点は?


普段以上に子どもから目を離さないこと。よく見かけるのは、写真やビデオを撮るのに夢中なお父さん。思い出を記録したい気持ちはわかりますが、カメラを操作していると子どもだけでなく周囲への気配りも怠りがちです。二人旅では、あなたがたった一人の保護者。子どもの安全を最優先に考えてあげたいですね。」

思い出は心に焼きつけて帰宅後に家族みんなで話しあえば、待っていた母親にも二人の成長を共有してもらえ、最高のおみやげになりますね。


大切なのは「とりあえず出発する」こと

「持ち物はあれもこれもと欲ばらず、
手元にあるもので対処する心がまえが大切です。極端ですが現金やクレジットカードさえあれば、食べ物はコンビニ、宿泊はシティホテルがありますし、寒ければ服を買うこともできる。それこそ飛行機にだって乗れるので、どうしても困った場合は現地で調達するもの一つの解決法です。」

初めての二人旅には持ち物がたくさん必要だと思いがち。とはいえあれこれ悩みすぎず、とりあえず旅に出て子どもとの時間を楽しんでしまうのが正解のようです。

失敗を乗り越える後ろ姿を見せてあげたい

電車の乗り換えを間違えたり、お目当ての店が見つからなかったりと、旅には失敗がつきもの。それをどうやって乗り越えるかが、父親の存在感を示すチャンス。

「子どもは困難に立ち向かう父の姿をしっかりと見ています。
大切なのは、「なんとかなるさ」と大きな心で構えること。『トラブルはあって当然』と、ある程度開き直り、『さぁて、どう切り抜けようか?』、と前向きな姿を見せてあげる。一番良くないのは、必要以上に慌てたり、イライラしてしまうこと。失敗を引きずると、ネガティブな気持ちが子どもにも伝染してしまいます。」


非日常の経験が自立と成長をうながす

旅は思い通りにならない反面、普段当たり前にしていたことを特別な体験に変えてくれる不思議な力があるともおおたさんは言います。

「たとえば、見知らぬ土地を歩きまわってお腹が空けば、コンビニで買ったカップラーメンでさえ、『家で食べるよりずっとおいしい!』と、忘れられない思い出となります。それは旅をしなければ一生実感できない価値観です。」

画像提供:おおたとしまささん

こうした些細な経験からも、もの事の多面性を知ることができるのも旅のメリット。幼いころは親を頼ってばかりいたおおたさんの長男も、旅を重ねるごとに生きる力や自立心を身につけ、旅の中身も進化していったのだそうです。

「『あそこが楽しそうだよ』などと、自主的に旅をリードしたり、母親や妹を気づかって荷物を持つように。そんな長男が10歳になったとき、念願だったアフリカ旅行へ二人で出かけたんです。日本から36時間かかるアフリカの大地のまっただ中で、『これが地球だ。この風景を忘れるな』と語りかけ『忘れるわけないじゃん!』という力強い答えを聞いた時、自我が確立される10歳という大きな節目を無事迎えられたと感無量でした。」

画像提供:おおたとしまささん

画像提供:おおたとしまささん

旅で得た知識や経験は、将来一人で困難に立ち向かう子どもの心強い味方になってくれるはず。その第一歩として、子どもと二人でともに冒険を楽しむように一泊二日の旅にチャレンジしてみる。母親の力を借りずにどこまで子どもと向き合えるかを試すきっかけにもなるので、まずは気軽に出かけてみることが大切なようです。

お話を聞いたのは…

  • おおたとしまささん

    教育ジャーナリスト。リクルートから独立後、教育・育児・夫婦なのどのパートナーシップについて、執筆・講演を行うほか新聞・雑誌へのコメント掲載、メディア出演にも対応している。『ルポ塾歴社会』、『名門校とは何か?』、『ルポ教育虐待』などの著書がある。

  • 『ルポ 教育虐待』(ディスカバー携書/1100円)
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ライター紹介

杉山元洋

女性情報誌から男性ファッション誌など幅広い分野に手を出す編集・ライター兼二児の父。自転車と釣り、そして下町大衆酒場をこよなく愛し、家事は料理と洗濯(畳むのは苦手)を担当する。

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