子どもってなぜか石が好きですよね。拾った小石でいつまでも遊んでいたり、気がつけばポケットに入れたまま洗濯してしまった……、なんてことは日常茶飯事。どこにでも転がっていて、普段は気にもしない存在の石でもっと楽しく遊んだり、学んだりする方法がきっとあるはず。
今回お話を伺ったのは、国立科学博物館で鉱物を研究してきた松原聰先生。子ども時代に化石の採集に夢中になり、やがて石そのものに興味が移ってきたという、石や鉱物の専門家です。
「地球の表面は石でできていて、内部もほとんどが石ですが、一部はアメのようにドロドロに溶けたマグマもあります。つまり石は、我々が暮らす地球のミニチュアとも言えるのです。」
なるほど「石=小さな地球」というわけですね。そう考えると大人でも俄然興味が湧いてきます。どうやらそのあたりに子どもの心をとらえる魅力が隠されていそうです。
「幼いころは、石の見たままの形や色を純粋に楽しめばいいと思います。さらに、親子で語りあいながらイマジネーションをふくらませ、何かを連想させる形の石を探して、鳥なら翼、魚にはヒレ、クジラの吹く潮などを絵の具で描き足したり、切った色紙をノリで貼りつけるのも楽しいですよ。」
親子で対話しながら想像力を働かせるのは楽しそうです。石遊びにおすすめなのはどんな場所ですか?
「近所でもいいですし、旅行先で探すのもいいでしょう。小さな幼児を連れてくなら、広くて平らな河原がおすすめです。関東なら荒川、相模川、多摩川など、どんな川でも簡単に石が見つけられます。河川の流れる地域によって、火成岩、堆積岩、変成岩など、石の種類も変わってきます。」
石にもさまざまな種類があるんですね。では、持って行くとより石遊びが楽しめるグッズはありますか?
「表面を拡大して、種類の違いをよりはっきりと観察できるルーペがあると楽しいです。100円ショップでも扱っているようですし、本格的な物でも2000円程度と手ごろ。ただ、太陽を直視すると眼を痛めてしまうので、ある程度の年齢になってから与えてはいかがでしょうか。」
石の種類によって、表面の色や模様、触った時の質感なども変わります。ルーペなどで拡大して、その違いをじっくり観察してみましょう。ルーペのほか、スマホやデジカメで撮影しておけば、帰宅後にパソコンで拡大して楽しむこともできるのだとか。
また、小学校高学年以上であれば、石を割った内部の観察にもチャレンジしてほしいのだそう。
「石の表面は意外と汚れているので、割ることで本来の姿を観察できます。写真のガーネット(ザクロ石)は、溶けた成分が石の隙間で結晶になったものですが、こういった美しい鉱石がむき出しで落ちていることはまれです。石を割るにはハンマーが必要ですが、一般の家庭にもあるような大工道具の金槌では危険なので、研究グッズを扱う店でピックハンマーと呼ばれる専門の道具を購入してください。あとは、砕いた石の破片から目を守る安全メガネ、丈夫な革手袋などを揃えれば十分です。」
石を割ってみると、その石の本来の色や模様がよりいっそうよく見えるため、そこから、その石がどんな鉱物で構成されているのかなどを、知ることができます。表面だけではわからない石の魅力を探るなんて楽しそう。新しい断面には思いがけない発見があるのかもしれませんね。鉱物観察の入門書としては、「鉱物観察ガイド」「かわらの小石の図鑑」(どちらも東海大学出版会発行)がオススメなのだそうです。
その他に注意が必要なことはありますか?
「河原では大雨が降ると水かさが増して、大水が出ることも。雨が強く降ってきたらすぐに中止するのはもちろんですが、雷などの天候の急変には気を配ってほしいですね。また、ハチやヘビなどの害のある生物にも要注意。服装は長袖長ズボンが基本。難しく考える必要はありませんし、アウトドアで遊んでいることを忘れなければ大丈夫です。それと、楽しくなっても石を投げたりしないでくださいね(笑)。」
さらに松原先生は、「地球という大きな岩が割れて石になり、さらに細かくなったものが砂。つまり、石を学ぶことは自然を学ぶということ。夏休みの自由研究にもぴったりですよ。」とも教えてくれました。
親子で石に触れれば、「自分たちが暮らすこの地球がどうしてできたのか?」と、地球が辿ってきた46億年の歴史に思いを馳せる貴重な経験ができそうです。
気にも留めない石にもロマンが詰まっている

「地球の表面は石でできていて、内部もほとんどが石ですが、一部はアメのようにドロドロに溶けたマグマもあります。つまり石は、我々が暮らす地球のミニチュアとも言えるのです。」
なるほど「石=小さな地球」というわけですね。そう考えると大人でも俄然興味が湧いてきます。どうやらそのあたりに子どもの心をとらえる魅力が隠されていそうです。
石の形や色が広げる親と子のコミュニケーション
石には様々な大きさや形、色がありますが、どんな遊び方があるのでしょうか?「幼いころは、石の見たままの形や色を純粋に楽しめばいいと思います。さらに、親子で語りあいながらイマジネーションをふくらませ、何かを連想させる形の石を探して、鳥なら翼、魚にはヒレ、クジラの吹く潮などを絵の具で描き足したり、切った色紙をノリで貼りつけるのも楽しいですよ。」
親子で対話しながら想像力を働かせるのは楽しそうです。石遊びにおすすめなのはどんな場所ですか?
「近所でもいいですし、旅行先で探すのもいいでしょう。小さな幼児を連れてくなら、広くて平らな河原がおすすめです。関東なら荒川、相模川、多摩川など、どんな川でも簡単に石が見つけられます。河川の流れる地域によって、火成岩、堆積岩、変成岩など、石の種類も変わってきます。」
石にもさまざまな種類があるんですね。では、持って行くとより石遊びが楽しめるグッズはありますか?
「表面を拡大して、種類の違いをよりはっきりと観察できるルーペがあると楽しいです。100円ショップでも扱っているようですし、本格的な物でも2000円程度と手ごろ。ただ、太陽を直視すると眼を痛めてしまうので、ある程度の年齢になってから与えてはいかがでしょうか。」

石の持つ魅力的な美しさは割ってはじめてわかる

「石の表面は意外と汚れているので、割ることで本来の姿を観察できます。写真のガーネット(ザクロ石)は、溶けた成分が石の隙間で結晶になったものですが、こういった美しい鉱石がむき出しで落ちていることはまれです。石を割るにはハンマーが必要ですが、一般の家庭にもあるような大工道具の金槌では危険なので、研究グッズを扱う店でピックハンマーと呼ばれる専門の道具を購入してください。あとは、砕いた石の破片から目を守る安全メガネ、丈夫な革手袋などを揃えれば十分です。」

その他に注意が必要なことはありますか?
「河原では大雨が降ると水かさが増して、大水が出ることも。雨が強く降ってきたらすぐに中止するのはもちろんですが、雷などの天候の急変には気を配ってほしいですね。また、ハチやヘビなどの害のある生物にも要注意。服装は長袖長ズボンが基本。難しく考える必要はありませんし、アウトドアで遊んでいることを忘れなければ大丈夫です。それと、楽しくなっても石を投げたりしないでくださいね(笑)。」
さらに松原先生は、「地球という大きな岩が割れて石になり、さらに細かくなったものが砂。つまり、石を学ぶことは自然を学ぶということ。夏休みの自由研究にもぴったりですよ。」とも教えてくれました。
親子で石に触れれば、「自分たちが暮らすこの地球がどうしてできたのか?」と、地球が辿ってきた46億年の歴史に思いを馳せる貴重な経験ができそうです。