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春にピークを迎えるPM2.5、子どもへ影響は?

掲載日: 2016年2月18日更新日: 2017年5月16日宇佐見明日香

最近よくニュースや天気予報などでも、その名前を耳にする「PM2.5」。一年のうちで一番危ないのは春とされ、ぜん息や気管支炎をはじめ肺や心臓疾患の原因になるともいわれています。大気汚染に詳しい国立環境研究所の研究者である菅田誠治さんに「PM2.5」の正しい知識と対策を学び、来る春に備えましょう。

粒子が小さい「PM2.5」は肺の奥に入り込む

まずは「PM2.5」がどんな物質なのか、基本的な知識についてお聞きしました。

『PM2.5』とは大気中に浮遊する粒子のうち、直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質のことです。マイクロメートルという単位は、1ミリの1000分の1に当たります。髪の毛の直径が約70マイクロメートル、花粉は約30マイクロメートルといわれていることから、『PM2.5』がとても小さい粒子であることがおわかりいただけるでしょうか」

「『PM2.5』は風によって運ばれ大気中に長時間存在します。呼吸を通して肺の奥まで入り込みやすく、呼吸器系や循環器系の疾患を引き起こす可能性があるとされています」

出典:東京都ホームページ

「PM2.5」とは単一の物質ではない

「『PM2.5』は、発生源から直接排出される一次粒子と、原因物質である気体が大気中で化学反応を起こし粒子状となる二次生成粒子があります。発生源には、工場での物の燃焼、自動車の排ガスなど人為起源の発生源と、土壌粒子、海塩粒子、火山の噴煙などの自然起源の発生源があります。その正体は単一の化学物質ではなく、炭素、硝酸塩、硫酸塩、有機物など複数成分の集合体です」

つまり、「PM2.5」は2.5マイクロメートル以下の粒子状の大気汚染物質の総称ということなんですね。日本まで届く黄砂のピーク粒径は約4マイクロメートルとのことですが、2.5マイクロメートル以下のものは「PM2.5」に分類されるそう。

ちなみに、たばこの煙も「PM2.5」。全席喫煙の飲食店や喫煙室内のPM2.5濃度は数百マイクログラム/m3にも及び、有害であることが報告されているそう。また、食材を焼く・炒めるなどの調理によってもPM2.5が発生することがわかっています。PM2.5は屋外ばかりではなく屋内でも生成されるのですね。


「PM2.5」は西風が強まる春がピーク

「PM2.5」の環境基準(人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準)として国は、【長期基準】と【短期基準】をそれぞれ設定しており、長期基準は1年平均値が15マイクログラム/m3以下。短期基準は1日平均値が35マイクログラム/m3以下としています。

「国などの排出抑制策によって、日本国内の人為起源のPM2.5は徐々に減り、年平均濃度は2000年〜2010年にかけて減少傾向にありました。しかし、現在は横ばいの状況が続いており、環境基準を満たせない地域が少なくありません。国内の抑制策による『PM2.5』の減少が一旦落ち着いた中で、国外から風に乗ってやってくる大気汚染物質の影響が気象要因などで年々変動するためと考えられています」

環境省が発表した月平均値の推移グラフを見ると、3月〜5月にかけてPM2.5の濃度が上昇しています。菅田さんによるとこれは、風向きの影響が大きいそう。

出典:「微小粒子状物質の月平均値の推移(平成24年度 一般局)」環境省

3月〜5月にPM2.5の濃度が上がるのは、大気汚染が深刻な中国方面から日本に向かって風が吹きやすい季節だからとみられます。国内のPM2.5の半分以上が国外から飛来していると推定されています。影響は、九州や中国・四国地方などアジア大陸に近いほど大きいと言えます」。

6月に平均値がガタッと落ち込んでいるのは梅雨の影響だそう。雨によって粒子が地面や海に落ちるのだとか。


ママが子どもにできる「PM2.5」対策

では、私たちママは、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。

都道府県のホームページなどでPM2.5の注意喚起が行われていないか確かめましょう。また、多くの自治体で測定値をほぼリアルタイムに掲載しているので、情報を得ましょう。今後のPM2.5濃度については、国立環境研究所の「大気汚染濃度予測図(愛称VENUS)」や日本気象協会「tenki.jp」、九州大学のSPRINTARSなどの数値予測結果も参考にできます」

国立環境研究所「大気汚染濃度予測図」

注意喚起が行われるのは、環境基準(日平均値35マイクログラム/m3)とは別で、暫定的な指針となる値【日平均値70マイクログラム/m3】を超えると判断される時です。注意喚起が行われたら下記のような対策をしてください。

屋内にいるとき

  • 外出をできるだけ控える
  • 換気や窓の開閉を必要最小限にする

屋外にいるとき

  • 長時間の激しい運動をさせない
  • マスクを着用させる

吸い込む量を減らすことが基本の対策です。注意喚起の暫定的な指針となる値は、あくまでも目安です。健康への影響が生じる生じないは、個人差が大きいと考えられています。高感受性者にあたる小児や高齢者、呼吸器系や循環器系疾患のある方たちは、注意喚起レベルの濃度以下でも影響がみられる可能性があります。ただし、日本の年平均値は約10〜20マイクログラム/m3です。必要以上に恐れる数値ではないと思われます」

PM2.5同様、春にピークを向かえるスギ花粉や黄砂…。目のかゆみ、くしゃみ、喉のかゆみ、咳が止まらないなどの症状があらわれても、どれに該当するか判断がつきにくいかもしれませんね。PM2.5対策はそのまま花粉や黄砂対策としても有効そう。不必要に怖がることなく冷静に対応したいですね。

お話を聞いたのは…

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ライター紹介

宇佐見明日香

1979年8月生まれ、埼玉県出身。フリーランスの編集者・ライター。2011年3月生まれの女の子のママ。「質問」でコミュニケーションを深める『しつもんかるた』(税込2160円)を制作。しつもんかるた公式サイト:situmon-karuta.com

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