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台風接近時の咳や息苦しさは「ぜんそく」かも…!?

台風が近づくと、咳(せき)が止まらない、呼吸がつらい…お子さんにそんな症状が見られたことはありませんか? もしかしたら、お子さんは「ぜんそく」かもしれません。しかし、なぜ台風が近づくと、咳が出やすくなるのでしょう? ぜんそく治療の名医として評判の佐野靖之先生に、その理由と悪化させないための対策などをお聞きしました。

ぜんそくは気圧の変化や天候で発作が起こりやすい

ぜんそくは、気管支などの空気の通り道(=気道)が、アレルギー性の炎症を起こして狭くなる病気です。ぜんそく発作を起こすとせきが長く続き、呼吸のたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴=ぜんめい)がしたり、息苦しさを感じます。発作がひどい場合には、呼吸困難につながることも…。

ぜんそく発作の原因となるものには、ダニやハウスダストなど吸い込むとアレルギー反応を起こす「アレルゲン」と呼ばれるもののほかに、タバコや花火の煙、運動などさまざまなものがあり、佐野先生によれば天候や気圧の変化もぜんそくの要因の1つなんだとか。

台風や雨などの低気圧になると、気管支が敏感なぜんそく持ちの子は、咳や息苦しさが出て悪化することが多いんです。逆に、ぜんそく持ちでない子は、天候による症状の変化はあまり見られません。一般に鼻水やのどの痛み、微熱などの症状と一緒にある場合は、風邪による咳と言っていいでしょう。」

また、急激な気温の変化もぜんそくの発作を起こしやすいため、季節の変わり目も要注意なのだそう。そのため、台風の発生頻度も高く、夏から秋への季節の変わり目であるこの時期は、いつもよりぜんそくを起こしやすい状況といえそうです。


ぜんそく治療は早期発見が大切!

「子供は、自分がぜんそく持ちなのかが判断できないので、親が気づいてあげることが大切です。以下の症状がある場合は『小児ぜんそく』のサインなので、不安な方は、子供をよく観察してみてください。」

こんな症状があれば「小児ぜんそく」かも

  • 肩で息をしがち
  • タバコや香水のニオイで息苦しくなる
  • 夜中から早朝あたりに激しく咳き込む
  • 息を吐くときに「ヒューヒュー」という音がする
  • 痰(たん)が絡みがち
  • 息切れをしがち
  • 激しく運動をすると、咳き込んだりする
  • 眠るときに咳き込んだり、息苦しそうにしている

これらの症状が子供から見られた場合は、ぜんそくの疑いがあるので、小児科やアレルギー科、呼吸器科を受診するのがベターです。また、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」などの音はしないけれど、3週間以上の長期間に渡って激しく咳き込んだり、痰がからむ咳をしている場合は、「咳ぜんそく」の疑いがあるようです。

「咳ぜんそく」は、喘息の前段階ともいわれています。放置すると、本格的な喘息に移行してしまうことがあるので、早期に治療を開始することが重要です。

「『咳ぜんそく』に限らず、『子供のぜんそく』は早く気づき、専門医に見てもらえれば、症状の悪化を防ぐことができます。ぜんそくの第一の治療薬と言われている『吸入ステロイド薬』を普段から使い続けていれば、気圧や気温の変化があっても、ほとんどの子供がぜんそく発作を起こすことなく過ごせますよ。」

ただ、「子供が台風や雨の影響で咳き込んでからなにか対策しようとしても遅い」と佐野先生。

「『吸入ステロイド薬』は、使ってすぐ効く薬ではないので、重い発作が出てから使ってもほとんど効果は得られません。毎日続けて使うことで、気道の炎症が治まって発作が起こりにくくなるんです。」


急な発作が起こったら、安静にすることが第一!

とは言っても、子供がぜんそくと気づかずに、天候などの影響で急に咳き込んだり、息苦しくなったときはどうすれば?と不安になりますよね。そこで、とっさの対処法も教えていただきました。

「咳が止まらなかったり、息苦しそうにした場合は、まずは子供を落ち着かせて、胸を圧迫させない体勢で座らせるなど、少しでも呼吸が楽になるような姿勢をさせてください。この段階でベッドに横になれるくらいの症状なら、軽度の発作なので、病院からもらった手持ちの薬があるなら、それで対応して、しばらく様子を見ましょう。」

「また、のどが乾燥していると、よりつらくなりますので、常温の水を飲ませて、適度にのどを湿らせるのも効果的です。これで、痰が出やすくなりますし、のどの痛みもいくらか軽減されるはず。また、部屋の湿度を上げるために加湿器を使ったり、お湯をはった洗面器を部屋に置くのもよいと思います。」

しかし、息が苦しくて横になれない状態だったり、どんどん咳がひどくなって息苦しくなるようなら、すぐに病院の救急外来などを受診しましょう

ぜんそくにならないためにはこまめに掃除を

とっさの対策も知ることができましたが、まずは子供がぜんそくにならないことが一番ですよね。普段の生活からできる「ぜんそく対策」も頭に入れておきたいものです。では、どんなことに気をつけるとよいのでしょうか。

ぜんそくを引き起こす原因となる、ハウスダストやダニ・カビ、ペットの毛、花粉などのアレルギー物質(アレルゲン)を、生活の中から排除することが大切。ダニが最も繁殖のしやすい布団や枕などの寝具は日光に当てて乾燥させたり、こまめにシーツを取り替えたり、防ダニシーツを使ったりしましょう。」

室内の掃除を習慣づけることも大切です。カーペットやソファ、家具のすき間なども、アレルゲンが多くたまっているので念入りに掃除をしてください。」

子供のぜんそくは、成長とともに呼吸器系がしっかりしてくるため、約5割が成長期で『寛解(かんかい)』する(=薬を飲まなくても、症状が消えて安定すること)と言われているそう。お子さんがぜんそく持ちだとわかったとしても、アレルゲンを排除する生活をして、日頃から薬の使用を続けていれば、『寛解』するのが早くなるかもしれません。

ぜんそく治療は早期発見が大切です。ぜんそくが起こりやすいこの時期、気になる症状があれば、早めに病院を受診しましょう。

お話を聞いたのは…

  • 佐野靖之先生

    佐野虎ノ門クリニック院長。東京大学を卒業後、アメリカへ留学し、臨床・研究に従事。同愛記念病院では、長年にわたってアレルギー呼吸器科部長を務め、2006年にクリニックおよび、東京アレルギー喘息研究所を開設。日本呼吸器学会関東地方会会長及び日本アレルギー学会春季臨床大会会長などの経験も持つ。

  • 佐野虎ノ門クリニック
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ライター紹介

宮平なつき

フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。

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