フリーマーケット(フリマ)のように、ネット上で商品の売買ができる「フリマアプリ」。スマートフォンさえあれば簡単に出品できる手軽さから子育て中のママに人気ですが、個人間取引ゆえにトラブルも多発しているよう。そこで、読者が実際に体験したトラブルエピソードとともに、ネットオークションの専門家に聞いたトラブル防止策についてもご紹介します。
フリマアプリ利用経験者の2割がトラブルを経験
「いこーよ」では、フリマアプリを使っているユーザーを対象に、緊急アンケートを実施。実際にフリマアプリでトラブルを経験したことがあるかを聞いてみました。その結果がこちら。
購入者としてトラブルを経験した人が18%、出品者としてトラブルを経験した人が4%と、フリマアプリ利用者の実に2割(22%)もの人がトラブルを経験しているという結果に…。
そこで、読者が経験したトラブル体験談を元に、出品者・購入者がどのように対応すればいいのか、AllAboutネットオークションガイドの川崎さちえさんにアドバイスをもらいました。
フリマアプリ利用者にありがちなトラブル&対処法は?
出品者側によくあるトラブル:購入後のキャンセル
「まず、出品者側のトラブルでいえば、一番多いのは、購入後のキャンセルです」と川崎さん。
実際、読者アンケートでもこのような声が寄せられました。
購入者がなかなか支払ってくれないので、こちらから渋々連絡したら「やっぱり買いません」と謝罪もなく言われました(パワフルママ/3歳男の子、1歳女の子のママ)
このような購入者にはどのように対応すればよいのでしょうか。
【川崎さんからのアドバイス】
「こういう購入者の場合は、その時点でキャンセルを受け付けた方が無難です。結局相手方は支払う気がないのですから、交渉しても時間の無駄ということになりかねません。それならば再出品をして次の購入者に売った方が賢明です。」
「フリマアプリに出品された商品は早い者勝ちなので、購入側は『急いで購入をしないと他の人にとられてしまう』という心理が働きます。ですから、勢いで購入してしまって、よくよく考えたら『やっぱりいらない』となってしまうことがあるのです。」
このようなトラブルは、スマホを使うことで比較的参加しやすいというフリマアプリの使いやすさが裏目に出てしまった結果なのかもしれませんね。キャンセルは出品者に大きな迷惑をかけます。購入時は本当にその商品が必要かどうかよく考えましょう。
出品者側によくあるトラブル:購入者側の評価が厳しい
次に、「商品状態への評価が厳しい(中古品への理解が薄い)」というトラブルについてみていきましょう。読者からはこのような声が寄せられました。
中古の子ども靴を出品。万全の体制で送ったつもりでしたが、中に砂が残っていたらしく、そのことで評価を下げられました。中敷まで取って洗い、しっかりチェックしたものの、取り切れていなかったのでしょうか。残念です(やいちょさん/1歳の男の子、6歳の女の子のママ)
購入者からの評価は次回以降の取引に響いてくるので、出品者としては切実な問題です。評価を下げないためにはどのような対策があるのでしょうか。
【川崎さんからのアドバイス】
「中古品を出品する場合は、商品説明に必ず『中古ですので、ご理解ください』と書いておきましょう。あるいは『中古ですので、神経質な方の購入はご遠慮ください』と少々強気に書いてもいいのではないでしょうか。」
このように書いておけば、購入者側も「中古だからある程度は仕方がない」という心理になるようです。
この他、出品者側によくあるトラブルは購入者からの「連絡が遅い、発送が遅いというクレームです」と川崎さん。これに関しては、商品説明に「仕事の都合で連絡や発送が遅くなります」などと書いておけば、それを読んで納得した人が購入するので、トラブルは起きにくいそうです。
購入者側によくあるトラブル:商品が届かない
購入者側のトラブルとしてまずあげられるのは「商品がなかなか届かない」こと。読者からもこのような体験談が寄せられました。
入金後もなかなか商品が届かず、到着するまで3週間も待った(keiさん/5歳男の子のママ)
商品が届いていないのに、受け取り完了のお願いをされたことがあります(ホーリーホックさん/0歳の男の子のパパ)
せっかく購入し、入金もしたのに商品がなかなか届かなければ、購入者は不安になってしまいます。このような場合はどのように対処すればよいのでしょうか。
【川崎さんからのアドバイス】
「商品がなかなか届かないというのは、そもそも発送方法に問題がある場合が多いです。補償や追跡機能がない方法を使う場合は、郵便事故が起こる可能性があることを購入者も了承しているはす。そのうえでこういった方法を選択したならば、購入者にも責任があります。絶対に郵便事故を避けたいならば、追跡ができる方法で発送してくれる出品者を選びましょう。商品の受け取り完了については、当然のことながら絶対に受け取ってからにしてください。」
発送方法や発送時期は出品者任せにせず、取引時にきちんと確認、選択するのが大切ですね。
購入者側によくあるトラブル:届いた商品が商品説明の記載と違う
次に多く声が寄せられたのが「商品状態が記載と違う」というトラブルです。
思っていたより汚れているなど、商品に欠陥があることがよくある(S.Tさん/5歳の男の子のパパ)
汚れがないと記載されていたのに、シミと小さな穴が開いていた(K.Sさん/2歳の女の子のママ)
中古品が多くやり取りされるフリマアプリならではのトラブルですが、どのような対処ができるのでしょうか。
【川崎さんからのアドバイス】
「全然動かずに使えない、致命的な傷があるなど、誰が見てもダメージが大きい場合には、出品者に連絡をして返金してもらうことも可能です。それでも応じてくれない場合はアプリ運営会社に問い合わせてみてください。」
「一方で、中古品にありがちな小傷や使用感は、出品者と購入者の認識の違いもあります。中古である以上、多少のダメージはあるので、『中古です』と記載がある商品は、できるだけ多くの写真と丁寧な説明で状態が伝えられている商品、傷や汚れもしっかりと掲載されている商品を選ぶのがおすすめです。」
フリマアプリのトラブルは増加中!慎重な取引を
便利で手軽なフリマアプリ、今後利用者が増えていくことが予想されますが、それに伴いトラブルも増加するのは必至。東京都でもフリマアプリのトラブルに関して注意喚起を行っています。
【参考】東京くらしWEB「とらぶるの芽」「フリマアプリのトラブルを防ぐ一番の方法はユーザーの評価を確認すること。お互い会ったこともない人との取引なので、相手方の情報は評価しかありません。いい評価よりむしろ悪い評価に注目して、その内容をしっかり確認します。同じようなトラブルが何度もあるユーザーとは取引しないのが賢明です」と川崎さん。
フリマアプリは個人間取引である以上「リスクの伴うもの」という認識をもってできるだけ慎重に行い、それでもトラブルが起こってしまった場合は、アプリ運営会社や消費者センターなどへ連絡するようにしてください。