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子どもの乗り物酔いはなぜ起きる? 原因・予防・対策も紹介!

いよいよゴールデンウィーク! 子どもと遠出をする絶好の機会ですが、心配なのは「乗り物酔い」ですよね。特に、子どもは乗り物酔いしやすいので、旅行などを控えてしまう親もいるのではないでしょうか。そこで、乗り物酔いの原因や対策法について、川越耳科学クリニックの坂田英明院長に伺いました。

「赤ちゃんは酔わない」って本当? 乗り物酔いの原因

そもそも「乗り物酔い」とはどのような症状のことを言うのでしょう。そして、乗り物酔いはなぜ起こるのでしょうか? 

乗り物酔いは、『動揺病』という平衡障害、バランス感覚の異常で、めまいや胃のむかつき、吐き気といった悪心を伴うもののことです。耳や目、自律神経などの器官から前庭小脳へ届けられる情報が混乱することで症状が引き起こされます」

目の動きや、三半規管などから感じ取る動き、空腹や満腹、臭いなどの自律神経が感じ取る身体の状態などの情報は、前庭小脳に集められます。乗り物に乗ると、さまざまな刺激が絶えず伝わるため、この情報が混乱しやすくなります。すると、脳が「不快」と感じ、吐き気やめまいなどの症状があらわれる。これが、乗り物酔いが起こる仕組みです。

坂田先生によると、子どもが特に乗り物酔いになりやすいのは、脳の発達段階によるものなんだそう。

「0歳から3歳までは、小脳全体が未発達なため、乗り物酔いにはかかりません。小脳が発達し始める4歳前後になると外部からの刺激に敏感になり、乗り物酔いにかかりやすくなります。20歳ごろまでは小脳が未熟な状態です」

さまざまなものに興味を持ち、動きも活発になる頃からかかりやすくなる「乗り物酔い」。だからこそ、しっかりと対策をして、楽しいおでかけにしたいですよね。


乗り物酔い予防のカギは「乗る前の準備」!

さて、一口に「乗り物酔い対策」といっても、さまざまな刺激が原因で引き起こされる症状だけに、とるべき対策も多岐にわたります。そこで、特に大事な「車に乗る前の準備」について、ポイントを伺いました。

1.空腹・満腹はNG! 睡眠もしっかり

まず大切なこととして、「空腹や満腹は避けてください」と坂田先生。空腹・満腹の状態は、どちらも自律神経が不安定になるそう。出発の少し前に、できるだけ消化のよいものをお腹に入れておきましょう。唾液を出すことも有効な対策になるそうです。また、睡眠不足や疲れも自律神経の乱れにつながる大敵。おでかけ前はしっかり睡眠をとらせるようにしてくださいね。

2.快適な車内環境づくりや座席の位置も大切!

車の中の強い「臭い」は、乗り物酔いを引き起こす大きな要因になります。自家用車であれば、事前に車内を掃除したり、消臭剤を使ったり、出発前に換気をするのも大事です。また、車内で座る位置によっても揺れの感じ方は異なるもの。バスなどに乗車する場合は、あらかじめ前方・後方などの揺れの大きい座席を避けて座ることも大切です。

3.「絶対酔わない!」という自信を持たせる

乗り物への苦手意識や「酔っちゃうかも・・・」という不安やストレスも要因の一つ。過去に酷い乗り物酔いを経験したことがある子どもの場合、どうしても不安になってしまうものです。そんな時こそパパ・ママの出番! 子どもが不安に陥らないよう、「絶対大丈夫!」とおまじないをかけてあげましょう。いつも身につけていて安心するものを持参するのもよいとのことです。

4.3歳から服用可能な「酔い止め薬」も有効

酔い止め薬は3歳頃から飲ませることが可能。子どもが服用しやすいドリンクタイプや飴タイプの製品もあるようです。「子どもに飲ませても大丈夫なの?」と不安に思うかもしれませんが「吐き気を抑える薬や『抗ヒスタミン薬』は、少し眠くはなりますが問題ありません」とのこと。

体調・環境・心理面をしっかり整えることに加えて、酔い止め薬によるサポート、そしてちょっとの「おまじない」。これが、乗り物酔いから子どもを守る「乗る前の準備」のポイントです。最後に、車に酔いにくくなる車内での過ごし方についても伺いました。


乗り物酔いしにくくなる車内での過ごし方は?

揺れが大きいとその分乗り物酔いしやすくなるため、自家用車であれば、急発進や急停車など、荒っぽい運転は避けるようにしましょう。また、時々窓を開け、自然の風を入れて空気を入れ替えることも大切です。

また、乗車中に気をつけたいのは「目」の動き。特に、車内での読書やゲームは、車の揺れに目から入る強い刺激が加わって車酔いが誘発されます。「熱中しているから」「静かにしているから」とつい頼りがちな本や携帯ゲーム、スマホですが、乗車中は避けるように心がけましょう。

逆に、進行方向や遠くの風景を見ることや、楽しい会話は乗り物酔いを遠ざけます。「あの山大きいね!」「あの雲は何の形にみえる?」など積極的に話かけて、外の景色に興味を持たせることが、子どもを車酔いから守ることにつながります。

乗り物酔いになってしまったときの対処法&日常的にできる対策は?

それでも乗り物酔いになってしまったら、すぐに外に出て新鮮な空気を吸いましょう。横になり、ゆっくりと深く深呼吸。水分補給をして、症状が治まるのを待ちます。すぐ降りられない場合は、できるだけ目を開け、遠くを見つめるようにします。また、締め付けないように服を調整し、窓を開けて風を入れることで症状を緩和することができるそうです。

乗る直前・乗車中の対策以外にも、普段の生活から乗り物に積極的に乗って揺れやスピードに慣れること、滑り台やブランコなどの遊具でバランス感覚を鍛えることなどで、乗り物酔いは徐々に克服できるそう。また、「動揺病」自体を抑えるたに、内服薬の種類や量を調整する「カクテル療法」も有効とのことです。子どもが酷い車酔いに悩んでいるのであれば、一度めまい専門医に相談してみるのもいいかもしれません。

子どもが特にかりやすい「乗り物酔い」。つらい症状のせいでおでかけが台なしになるだけでなく、出かけること自体「嫌い!」になってしまうのは悲しいことです。楽しく快適な思い出作りのためにも、「酔わせない」ための対策をしっかりとりましょう!

お話を聞いたのは…

  • 坂田英明先生

    川越耳科学クリニック院長、埼玉医科大学客員教授、All Aboutガイド。埼玉医科大学卒。ドイツ・マグデブルグ大学耳鼻咽喉科研究員、埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科医長、目白大学耳科学研究所クリニック院長を経て、2015年に川越耳科学クリニックを開設、現在に至る。子どものめまい・耳鳴り・難聴の早期発見を推進し、療育プログラム開発をする「特定非営利活動法人第8神経を考える会」代表。著書に『「乗り物酔い」撃退ブック』(マキノ出版)などがある。

  • 川越耳科学クリニック
  • All Aboutガイドプロフィール
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ライター紹介

山田 ジュンジ

小学生時代は常に通信簿に「落ち着きがない」と書かれ続けていた、筋金入りのやんちゃ坊主。そのやんちゃぶりをフットワークに替え、現在は広告の制作・デザインや、雑誌・Web記事の編集・ライティングなどを幅広く手がけています。分野を問わない幅広い知識と多彩な趣味を活かして、お役立ち情報をお届けします。

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