トイレでおしっこができるようになったと思っても、なぜかうんちだけは嫌がってしまうという子は意外と多いようです。どうしてうんちだけがうまくいかないのか、その原因と親ができるサポート方法を、トイレトレーニングアドバイザー(R)の森下湖乃美さんに伺いました。
うんちのトイレトレーニングが進まない! その原因は?

「おしっこをトイレでするようになったのに、うんちはオムツの中でしかしない」という悩みを持つパパママは多いのではないでしょうか。子どもがうんちをトイレでしないのは、どんな原因があるのでしょうか。
「これまでうんちをするときには好きな場所で好きなようにいきんできたのが、トイレという慣れない場所、さらにはオムツを外した状態でいきまなければならない、ということに戸惑っているのではないでしょうか」
便座に座ると両足が宙に浮いて怖かったり、力を入れていきみづらかったりするのも、子どもがトイレでうんちを嫌がる理由のひとつです。
「『うんちをする=トイレに行く』ということが、お子さんの頭の中でうまく繋がっていない可能性もあります」
おしっこをトイレでできるようになったとはいえ、おしっことうんちでは排泄方法に違いがあるので、不安や戸惑いがあるのかもしれませんね。
親からのプレッシャーもトイレ嫌いになる原因に
また、トイレトレーニングに対するパパママからのプレッシャーを過度に感じることも、子どもがトイレに行かなくなる大きな原因だそう。
「親としては、おしっこができたのだから、うんちも早く成功してほしいという想いからつい、無理にでもトイレに連れて行きたくなるところ。でも、これがかえってトイレ=怖い所だと感じさせてしまい、逆効果なのです。『もうできるはず!』とプレッシャーをかけるのではなく、子どもの気持ちを大切にしてあげましょう。」
トイレでうんちをすることへの戸惑いや不安の原因は、子どもによってそれぞれ。子どもがどんなところに戸惑いを感じているのか、何が不安なのかを探りながらトレーニングを進めることが大切です。
家族ができるサポート方法ってどんなもの?

それでは、思うようにうんちのトイレトレーニングが進まないとき、親はどうサポートすればよいのでしょうか。
「まずは、親が子どもにプレッシャーをかけないことが重要。トイレに誘うときも言葉に期待をのせずに、さりげない感じを装うのが大切です。子どもがうんちをオムツでしたいと言ったときは、一度それとなくトイレに誘ってみて、嫌がるようであれば決して無理強いはせず、気持ちよくオムツでうんちをさせてあげましょう」
「オムツでうんちをしてしまったときやトイレへの誘導に乗ってくれなかったときも、言葉や態度で怒りを見せてはいけません」
親の怒りや焦りが子どもに伝わると、いい結果にはなりません。トイレに対してマイナスのイメージがつかないように接することが大切です。
トイレでうんちができない原因を考え、子どもの不安や戸惑いを取り除いてあげることも大切です。森下さんに、効果的なサポート方法を教えてもらいました。
こんな方法も試してみよう!
■トイレに行くことを怖がる場合
・トイレの電気を少し明るめにする
・便座カバーを子どもが喜ぶものにチェンジ(過度におもちゃを置くのはNG)
■便座に座ってもうんちが出ない場合
・安全な踏み台を用意するなど、しっかりと踏ん張れる環境を整える
■オムツでうんちをしても教えてくれない場合
・トイレに関する絵本を一緒に選んで読んでみる
・オムツでしたうんちをトイレに流しに行く(必ず一緒に、楽しい雰囲気で)
・親・兄・姉など、家族のトイレを見学させ、出たうんちも見せてあげる
焦らず子どもの成長を見守って
ただ、こうした方法を試しても、すぐにトイレでできるようになるとは限りません。
思うようにトイレトレーニングが進まないと、どうしても気持ちに焦りが出てくるものですよね。でも、この焦りが禁物だと森下さんは言います。
「うんちだけできない状況になったとしても、焦ったり周囲のお子さんと比較したりするのは絶対にやめましょう。まずはお子さんの『オムツでうんちをしたい』という気持ちを受け入れてあげてくださいね」
「お子さんそれぞれに、それなりのペースやタイミングというものがあります。お子さんと歩幅をあわせて少しずつ前進しながら、成功体験を積ませてあげてください。トイレでうんちができたら、これでもかというくらいほめてあげましょう!」
焦らなくてもいつかオムツははずれるもの。子どもの気持ちを受け止めて、いろいろと試行錯誤しながら、親も子も楽しいうんちトイレトレーニングができるといいですね。笑顔でオムツ卒業の日を迎えられますように。