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乳歯から永久歯の生えかわりはいつ? 順番&トラブル&虫歯予防

子供の成長過程で、乳歯から永久歯への生えかわりが必ずあります。親としては、乳歯が抜ける時期や順番、トラブル、ケア方法、歯並びなど、気になることも多いのではないでしょうか。

そこで今回、小児歯科医として40年以上の経験を持つ大曽根歯科医院の院長・保刈徳久先生に、歯の生えかわりに関する正しい知識や注意点などを聞きました。

虫歯になりやすい食べ物って?歯並びを悪くする生活習慣とは?

乳歯と永久歯は何が違うの?

そもそも、なぜ乳歯と永久歯があるのでしょうか。

「赤ちゃんは体も小さく、口やあごが小さいため、大人になったときに使う大きな歯が生える場所がありません。それに噛む力もままならないため、永久歯のようなしっかりとした大きな歯はまだ必要がありません。そこで、永久歯列に移行するまでの準備として、まず小さな歯が生えます。それが乳歯です

「乳歯は乳幼児期から学童期にのみ使う歯です。前歯は生えてから早くて5〜6年、奥歯は10年程でその役目を終えます。そのためエナメル質も薄く、短い期間耐えられる程度の丈夫さしかありません。やがて学童期になると永久歯が生えても良いように、少しずつあごが大きくなり、永久歯が生え揃ってきます」

ちなみに、乳歯と永久歯はいつ作られるのでしょうか。

乳歯は妊娠7週目頃に、お母さんのお腹の中にいるときに歯の芽が作られます。そのため、母親はバランスの取れた栄養が大切です。一方、永久歯は母乳や離乳食など、子供が生後に摂取した栄養によって作られます

そのほかに、大きな違いはあるのでしょうか。

「色が少し違います。乳歯は青白色、永久歯は黄白色と言われていますサイズの違いもあり、前歯では永久歯は乳歯の1.5倍くらい大きいので、見分けがつきやすいでしょう」

乳歯の抜け始めはいつから? 抜ける順番も

乳歯が抜け始めるのはいつ頃でしょうか。

早ければ5歳頃で、遅くても6歳頃から抜け始めます。時期には個人差があり、1年以上違うことも見られます。また、女の子の方がやや早い傾向があるようです」

たとえ抜け始めが遅くても、病気などの可能性はほとんどないので心配はいりません。むしろ、歯磨きが上手になってから生えかわる方が良いかもしれませんね」

乳歯が抜ける順番は決まっているのでしょうか。

最初に抜けるのは下の前歯です。下の前歯が何本か生えかわった頃に、上の前歯がグラグラしてきます。時期としては、小学校1年生頃です」

「奥歯は第一乳臼歯と第二乳臼歯があります。第一乳臼歯は小学校4〜5年生頃に抜け落ち、第二乳臼歯は小学校5〜6年生頃抜け落ちるのが一般的な生えかわりの時期です」

下の歯と上の歯でも、抜け始めの時期に1年ほどの差が出るのですね。いずれにしても、時期には個人差があるので、早い遅いはそれほど気にする必要はないそうです。

歯の抜け方で歯並びは変わる?

生えかわりのよくあるトラブルは?

生えかわりでよくあるトラブルを5つ紹介します。

(1)生えかわらない乳歯がある

ほかの歯は生えかわったのに1本だけ抜けないときは、転んでぶつけたなどの衝撃による影響が出ている可能性もあります。早めに専門医を受診して、永久歯が生えやすい環境を作ってあげるのがよいでしょう」

「また、虫歯によって根が膿んでいる場合もあるので、いずれにしても受診が必要です

(2)抜ける時期ではないのに乳歯がグラグラする

ぶつけた覚えがなく虫歯でもないのに、下の歯が生えかわる前に上の歯がグラグラしてくるなど、順番がおかしい場合は、『過剰歯(かじょうし)』の可能性があります

「過剰歯とは、正常な本数よりも多い歯のことで、乳歯列や永久歯列への移行の時期に生えてくることが多いです。歯並びなどに影響するので、専門医を受診しましょう。過剰歯と診断された場合は、抜いてもらうのが良いでしょう」

(3)抜けたあと永久歯が生えてこない

「乳歯は、永久歯が生えることで根が吸収され(溶かされ)短くなり抜けていきます。ですが、永久歯は乳歯よりも非常に大きいため、まだ抜ける時期ではない隣の乳歯の根まで吸収してしまうことがあります。そのため、生えるまで時間がかかることもあります

「下あご永久歯の中切歯が5歳から6歳で生えかわるとすると、隣に生えてくる側切歯は6歳から7歳に生えかわります。従って半年〜1年くらい生えてこない場合があります。それ以上生えない場合は、受診してレントゲンで確認が必要です

(4)乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきた

「あごの発育が悪い場合など、乳歯が抜ける前に重なって永久歯が生えてくる場合があります。その場合は早めに専門医を受診してください

(5)歯並びが悪く、矯正が必要な場合も

「乳歯があったスペースに生えてくる永久歯は目立つため、歯並びは気になりますよね。歯並びでまず確認するのは、親の歯並びです。親子の顔が似るように、歯並びも親に似る傾向があります。親の歯並びが悪かったり、矯正をしていたりする場合は、早めに専門医に相談するのがおすすめです

「また、永久歯が生えた直後に歯並びが悪いと感じ、矯正を考える親も多いですが、小学3年生頃になると急激にあごが大きくなり始めます様子をみていると自然ときれいになることもあります。必ずしも慌てて矯正を開始しないといけないわけでもありません


生えかわり時の注意点&ケア方法&虫歯予防

生えかわり時期に、親が注意するポイントはどんなところでしょうか。

生えかわり時期に注意したいのは虫歯です。この時期は乳歯と永久歯が重なって、歯磨きが十分にできないことや、生えかわり直後の永久歯はエナメル質が幼弱なため、非常に虫歯になりやすい時期です」

「虫歯にならないためには、正しい歯磨きの仕方を覚えるのが大事です。歯ブラシは横ではなく縦に使うのがポイント。歯が重なっている部分などは、より丁寧に磨きます。歯の間など磨きにくい箇所は、糸ようじやデンタルフロスを使いましょう。時々、磨き残しが分かる染色剤などを使うことで、しっかり磨けているかを確認するのもおすすめです」

そのほかに、虫歯を予防できることはありますか?

フッ素は歯を硬く丈夫にするので虫歯予防になります。とはいえ、虫歯にならない魔法の薬ではないので、食生活習慣も含めて予防を心がけるのが大切です。歯磨きの仕方やフッ素塗布については、3歳頃から歯科医院で指導を受けるのがいいと思います」

「ほかに虫歯予防として、おやつにキシリトールを含む食べ物を選ぶことも効果的です。今は工夫されたおやつがいろいろあるので、小さな子供にはキシリトールのタブレットなどがおすすめです」

抜けた歯は捨ててしまっていいのでしょうか。

「母子手帳などに歯が抜けた日や状況を記入し、子供の成長の記録として木箱などに入れておきましょう。子供も抜けた歯を見ることで、虫歯や歯の健康について考えるきっかけになりますよ

最近では、抜けた歯を保管しておくための専用ケースなども市販されているので、子供と一緒に選んでみてはいかがでしょうか。

歯の生えかわり時期には個人差があるので、焦らず見守っていきましょう。長く丈夫な歯を維持できるように、子供のうちから虫歯予防の正しい習慣を身につけたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 保刈徳久さん

    昭和54年に神奈川歯科大学卒業後、鶴見大学小児歯科学教室に入局、同時に日本小児歯科学会会員加入。昭和63年に小児歯科専門医を取得。平成5年より横浜市港北区大倉山に於いて母に代わり、大曽根歯科医院の開設者となる。令和元年6月まで港北区歯科医師会の会長を4年間勤め、現在も地域区民への健康維持増進に努めている。

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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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