夏休みシーズンに入ると、水難事故のニュースが連日報じられ、子どもを持つ親としては心配ですよね。では、実際に水難事故は年間どのくらいあって、夏の時期はどれほど多いのでしょうか。2017年6月に発表された警察庁の水難事故に関するレポートを元に、気になる実態数をわかりやすく紹介します。
年間の水難事故数はどのくらい?

警察庁の生活安全局地域課が今年6月に発表した「平成28年における水難の概況」によると、昨年2016年の水難事故数は全国で1,505件。ここでいう水難事故とは、海や河川、湖、沼、プールなど水のある場所で起こる事故を指しています。単純に12カ月で割ると、ひと月で約125件、1日に約4件ある計算になります。
続いて、事故により水難した人(水難者)は1,742人おり、うち死亡・行方不明となった人は816人いました。事故が起きた際の死亡率は約47%と半数近くにのぼり、危険度が高いことがわかります。
子どもの水難事故数は多い? 少ない?
次に、子ども(中学生以下)の水難事故数を見てみると、全国で162件となっています。月で平均するとひと月に約13.5件、1日では0.4件と1日1件を下回る数字です。子どもの水難者は年間217人、死者・行方不明者は31人。事故が起きた際の死亡率は約14%で、全体の47%に比べると圧倒的に低いといえます。
また、水難者全体のうち子どもが占める割合は12.5%で、死亡・行方不明者ではわずか4%。これを見る限り、子どもが占める割合は非常に低いといえそうです。
水難事故はやはり夏に急増!

では、夏の時期だけで一体どのくらいの水難事故があるのでしょうか。7月と8月の事故の発生数は614件。全体で1,505件なので、夏の時期だけで4割を占めていることになります。死者・行方不明者数の割合も、2カ月で304人おり約37%とやはり多いです。
子どもの夏の水難事故を見てみると、7〜8月で98件あり、全体の6割にも達します。さらに、死者・行方不明者数も19人と全体の6割以上がこの2カ月に集中しています。
水難が多い場所は?

さらに、水難事故全体で死亡・行方不明が発生した主な場所を見てみると、「海」が425人で52.1%、ついで「河川」が250人で30.6%を占めています。これを子どもに絞ってみると、場所は「河川」が最も多く20人で64.5%。ほかは「海」が2人、「湖沼池」「用水路」「プール」が各3人となっています。

また、行為別に見ると、全体が「魚とり・釣り」が237人で29%、「水泳」が69人で8.5%と続きます。子どもだけでは「川遊び」が14人(45.2%)、「水泳」が4人(12.9%)となります。
子どもの水難者と死者・行方不明者の年齢層別

最後に、子どもの水難者を年齢層別で見てみると、全217人のうち「未就学児童」は59人、「小学生」が119人、「中学生」が39人です。死者・行方不明者では、「未就学児童」は6人、「小学生」が17人、「中学生」が8人となっています。
ちなみに、水難事故が多い都道府県は、「沖縄」(85件)、「千葉」(72件)、「北海道」と「神奈川」(62件)と続きます。
やはり夏の河川は注意が必要!
具体的な数字を見ると、子どもの水難事故や死亡数は少なく感じますが、やはり夏の河川での川遊びや水泳は注意が必要といえますね。
水深が浅いところでも保護者が付き添って目を離さないことや、ライフジャケットの活用、遊泳区域の理解、悪天候時に近づかないなど、必ず防止対策をしっかりして、楽しいおでかけの万が一に備えましょう。