
子どもの日焼け対策は今やとても大切です
一昔前は常識のように言われた「日焼けは元気な子どものシンボル」というのは今や非常識! 今は、肌の機能が未熟な子どもの肌だからこそ、しっかり対策をして守ってあげる必要があると言われています。
今回は皮膚科小児科クリニックとともに病時保育施設を営み、地域の育児支援にも力を注いでいらっしゃる佐藤皮膚科小児科クリニック院長の佐藤徳枝先生に知っているようで知らない、子どもの日焼け対策についてお伺いしました。

紫外線は、4月くらいから増え、ピークは6〜7月。その後、9月くらいまで多い日が続きます。
Q子どもの日焼け対策についての質問(1) 紫外線を浴びると悪い影響があるのでしょうか?
一方で、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDが体内に作られたり、体内時計の調節ができるメリットがあります。

外出時には虫よけ熱中症対策とあわせて日焼け対策も忘れずに。
とはいえ、紫外線を浴びすぎてしまうのは禁物です。
すぐに出る悪影響としては日焼けや、免疫機能の低下。そして将来的にしわやシミのもとになったり、皮膚がんの原因にもなります。大人よりも肌が薄く、外部からの刺激に対するバリアー機能が未熟な赤ちゃんや子どもは、紫外線が浸透しやすいので、注意してあげましょう
Q 子どもの日焼け対策についての質問(2) 赤ちゃんの紫外線対策ってなにをすればいいの?
赤ちゃんの肌を直射日光に長時間当てないことが大切。日焼け止めを塗るだけでなく、帽子や通気性のいいパーカーやケープなどで肌の露出をなるべく避けましょう。
また、1日で紫外線のもっとも多くなる10時から14時はとくに注意。この時間の外出や外遊びは短めにして、日陰で遊ぶなど、直射日光に当たらない工夫をしましょう。

赤ちゃんから大人まで、夏の帽子は、紫外線対策から熱中症予防まで、いろいろな意味で必須です。
抱っこのとき・・・・・・
抱っこひもで外出するときは、お母さんが日傘をさして日陰をつくってあげて。赤ちゃんの脚や腕は意外と日傘に隠れないので、注意をしてください。
車での移動のとき・・・・・・
ほとんどの車の窓ガラスはUVカットの機能があるので、窓をしっかり閉めておけば紫外線対策になります。心配な場合は日よけカーテンをしてあげましょう。

赤ちゃんは自分で自分の状態を表現できません。長距離の車移動のときなどは、汗のかきかたや肌の様子など注意してあげるといいですね。
ベビーカーに乗せるとき・・・・・・幌を下げ、直射日光が当たらないようにしましょう。ただし、熱気がこもりがちなので、日陰では幌を上げて風通しをよくする工夫を。
Q子どもの日焼け対策についての質問(3) 屋外プールや海ではどうやって紫外線対策すればいいのかわかりません
肌が日光にさらされる水遊び。最近は、UVカットの長袖の水着やラッシュガードがあるので、活用するといいでしょう。それでも肌が露出する顔や手、足はSPF値の高い日焼け止めを塗って対策を。遊んでいる途中に日陰で休む時間をつくり、こまめに日焼け止めを塗り直しましょう。

水遊びのときには、特に意識をして、こまめに日焼けどめを塗り直すことも大切です。
Q子どもの日焼け対策についての質問(4) 赤ちゃんや子どもに使う日焼け止めの上手な選び方はありますか?
日常的なお散歩や短時間の外出などの場合、1才代までならSPF20程度のものを選べばOK。天気がよく紫外線の強い時間帯、山や高原などの高地や照り返しの強いアスファルトのあるところや海などではSPF30以上のものを選びましょう。水遊びや海水浴ではウォータープルーフタイプもおすすめです。保湿力、塗りやすさなども選ぶときのポイントにするといいですね。

海やプールに飛び込む前、子どもたちは早く行きたくてそわそわしていますが、日焼けどめは、ムラなく丁寧にぬりましょう。
SPFとは?・・・・・・
肌を赤くする紫外線(UV-B波)に対する防御指数のこと。SPF1で、約20分日焼けを遅らせます。SPF20という場合、約7時間日焼けを遅らせるということに。
PAとは?・・・・・・
肌の内部に紫外線が到達するのを防ぐことを示しています。+++は非常に効果がある、++はかなり効果がある、+は効果があるという意味。
Q子どもの日焼け対策についての質問(5) 日焼け止めの効果的な塗り方を教えてください
日焼け止めは、外出の30分前に塗ると、外出中肌を効果的にガードしてくれます。日焼け止めは肌荒れしている部分に塗ると刺激になり、かえって悪化させてしまいます。湿疹や傷のあるところは避けて。耳の裏や首の後ろ、手足の甲は塗るのを忘れがちな部分なので注意を。

傷口や湿疹は避けながら丁寧に塗っていきましょう。
Q子どもの日焼け対策についての質問(6) 目にも紫外線の影響があると聞いたのですが
長時間、紫外線を浴びることは皮膚だけでなく目にも影響があります。白内障を引き起こす原因のひとつは紫外線だと言われています。帽子をかぶったり、UVカット機能のサングラスなどで目にも紫外線が当たらないようにしましょう。
また、サングラスの色が濃いだけでUVカット効果がないと、瞳孔が開いた状態で紫外線がたくさん入ってきてしまうので、サングラスをしていない時より危険だとも言われています。

Q子どもの日焼け対策についての質問(7) サングラスを選ぶときにグラスの色などに注意をする必要はありますか?
サングラスの色が濃いと紫外線カットできると勘違いしてしまいがち。実はレンズの色は紫外線カットの機能とはまったく無関係。紫外線カット率の数値を基準に選びましょう。
Q子どもの日焼け対策についての質問(8) それでも日焼けをしたときはどうしたらいいでしょう?
日焼けをして肌が赤くなってしまった場合は、冷やして赤みを落ち着かせて保湿をしましょう。痛みが強い場合は我慢せず皮膚科を受診して。また、皮がひどくむけたり、湿疹がひどくなった場合も皮膚科を受診して、適切な処置が必要です。

夏のお出かけには、帽子、上着、日焼けどめを忘れずに。