赤ちゃんも大好きな、犬や猫などのペットたち。でも、ペットがいる場所へのおでかけはいつから大丈夫なのでしょうか。一児の母であり女性獣医師ネットワーク代表の獣医師・箱崎加奈子さんに聞きました。

低月齢でもOK。ただし「こちらから近づかない」が基本
近頃は室内で犬や猫などのペットを飼っているご家庭も増えています。ペットがいるお宅に赤ちゃんとお呼ばれした場合、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。そもそも生後何カ月からペットにあわせて大丈夫?
「一般的にペットとして飼われている動物(犬・猫・ハムスター・インコなど)であれば、赤ちゃんの月齢に関わらず同じ室内で過ごしていただいて構いません。ただ赤ちゃんが泣くなどして怖がっている場合は、どちらかが見えないところに移動して落ち着かせるなどするといいでしょう」と箱崎さん。
犬や猫などのペットは、人間の赤ちゃんのことも「赤ちゃん」と認識ができるそう。赤ちゃんにはやさしく接しなければという気持ちもあるようです。その反面、赤ちゃんならではの急な動きや乱暴な振る舞いに困惑していることもあるそう。
「赤ちゃんはまだ手加減がわからないので、ペットに対しても耳を引っ張ったり、尻尾を掴んだり、乱暴な振る舞いをしてしまいがちです。そういう経験をしたことがある犬や猫は、赤ちゃんに自ら近づかないようにしていることが多いですね。」
そんなペットの気持ちに気づかず赤ちゃんを近づけてしまうと、思わぬ事故を招くことも。
「赤ちゃんを避けているのに気づかず、大人しいから大丈夫と赤ちゃんを近づけてしまうと、引っ掻かれる・吠えられるといった事故に繋がることがあります。赤ちゃんはもちろんのこと、飼い主やペット自身も辛い思いをすることになるので、どんなペットにも、基本的にはこちらから赤ちゃんを近づけない、と考えたほうがいいでしょう。」
時にはケージに入れたり、別室に移すなどの工夫も
しかし、大人が気をつけていても、ハイハイやあんよができる赤ちゃんは、自分で動物に近づいていくこともあります。
「犬や猫などの動物が好きな赤ちゃんは、自分からどんどん近寄ってしまいます。3歳くらいになるまではダメといってもわからないことが多いので、まわりの大人が目を離さないなど注意するようにしたいですね。」
室内で放して飼っている場合は、その時だけゲージに入れたり別室に移動させて空間を分けるという方法も。
「ゲージに入れたり別室に移動させるなど空間を分ければお互いに安心です。ペットのいるお宅に遊びにいくときは、ペットや赤ちゃんがお互いを怖がった場合どうするか、あらかじめ飼い主さんと話し合っておくことをおすすめします。」

ハムスターや小鳥など小動物のほうが、噛まれる危険大!?
小さいから安心だと思われがちですが、ハムスターなどの小動物の場合も触らせないほうがいいそう。
「ハムスターなどの小動物は犬や猫に比べ、ちょっとしたことで噛んでくることが多いので、むしろ小さくても注意が必要です。赤ちゃん自身も触りたがりますし、小さい動物だから周りも大丈夫と思いがちですが、基本見ているだけにしたほうがいいでしょう。」
インコなどの小鳥も同様の注意が必要のようです。
「手乗りになるなどよく慣れていても、ちょっとしたことで突いてきたり、噛んだりすることがあります。大人にとって甘噛みでも、赤ちゃんの薄い皮膚だと傷つくことも。赤ちゃんもびっくりしてしまうので、赤ちゃんと同じ室内にいる場合は、鳥籠などに入ってもらうといいでしょう。」
舐められても大丈夫? ペットアレルギーは?
犬の場合、顔や手を舐めてくる場合も。赤ちゃんは舐められても大丈夫?<br>
「一般にペットとして飼われている動物の唾液であれば、気にしなくても大丈夫です。ただ唾液には細菌が含まれているため、粘膜や傷があるところを舐められた場合は、流水で洗い流すなどすると安心です。」
犬や猫などの場合、ペットアレルギーも気になります。
「赤ちゃんがペットアレルギーと診断されているようであれば、該当する動物と同じ室内にいることはおすすめできません。診断はされてないものの、ご家族にペットアレルギーの方がいるなど気になる場合は、その結果が出るまでは合わせないという選択もあるでしょう。」
ペットカフェは年齢制限があることも。利用規約の確認を
近頃人気のペットカフェ。犬や猫だけでなく、爬虫類や猛禽類などと触れあえるところも。
ペットカフェによっては、小学生以下や2歳以下の入店はお断りしているところもあり、利用規約などを確かめてから、おでかけするとよさそうです。
また、赤ちゃんの入店がOKな場合も、怪我などの損害に責任を負わないと注意事項に明記してあるところもあるので、よく読んで納得したうえで利用するといいでしょう。
赤ちゃんとペットが一緒にいるシーンはステキですが、赤ちゃんとペット双方にストレスがかからないよう気を配ることが大切なようです。訪れる先のペットの飼い主と相談したり利用施設の情報を調べたりして、皆が快適に過ごせるようにしたいですね。