赤ちゃんから大人まで、幅広い世代が楽しめる「デジタル絵本」。スマホ・タブレットの普及に伴って最近は様々な作品が出ていますが、種類が多すぎてどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。そこで、今回はAll Aboutで「子どもとインターネット」ガイドとしてご活躍の金子由李さんに、子供の年齢別におすすめの作品を伺いました。
●本の読み聞かせは本当に大事? 効果的な方法&飽きた時の対処法●「ロングセラー絵本」はほかと何が違うの? おすすめ作品も紹介紙と何が違うの? デジタル絵本ならではの魅力とは
スマホやタブレットのアプリで読む「デジタル絵本」。紙の絵本とは一味違う、デジタルならではの魅力とは何でしょうか?
1. 音や動きがあり、小さな子供でも楽しめる
音や動きが加わることで、絵本の世界をより深く楽しめます。物語を朗読してくれるものも多く、まだ文字が読めない子供でも楽しめます。
2. 読者が参加して主体的に楽しめる
画面をタップすると主人公や背景が動く、選択肢を選んで進んでいくことでストーリーが変わる、といったように、紙の絵本にはないインタラクティブ(双方向)な動きを見せてくれます。
3. 収納スペースを気にしなくてよい
重さや厚みがある紙の絵本と違って、何作品ものタイトルを気軽にダウンロードしてどこへでも持ち運べ、収納場所に困ることがありません。
4. 1作品あたりの値段が安い
印刷コストがかからない分、同じ作品でも紙の絵本よりも安く買える場合が多いです。お試し版として数ページだけ無料で公開している場合もあるので、イラストのタッチや動きなど、作品のクオリティを立ち読み感覚でチェックしてから購入するのがおすすめです。
このように、様々な魅力がいっぱいのデジタル絵本。基本的には1つのアプリでデジタル絵本1作品が読めますが、最近は本棚的な役割を果たす無料アプリをインストールし、有料の絵本から好みの作品を買い足していくシリーズも増えているのだそう。
例えば「森のえほん館」というアプリでは、340冊以上の絵本から好きな作品を選んで読むことができます。
●「森のえほん館」の詳細はこちらからこうしたアプリは、読み放題プランや、作品をまとめて購入すると割安になるパック料金がある場合が多いので、「とにかくたくさんのデジタル絵本を読みたい!」という方におすすめです。本棚にお気に入りの作品をコレクションしていく楽しみもありそうですね。
作品選びは子どもの成長に合わせて
では、具体的にどういったデジタル絵本を選べばいいのでしょうか。年齢別のおすすめ作品を金子さんに伺いました。
乳児(0〜1才)におすすめのデジタル絵本
まだストーリーを理解することは難しいので、音や動きをメインで楽しめる作品がおすすめです。
「いないいないばあ」 無料(アプリ内課金有)
赤ちゃんが大好きな「いないいないばぁ」を楽しめる、スタンダードなアプリ。画面をタップすると動物が「ばぁ!」としてくれる仕掛けが施された音声付きの絵本です。
「ぶりぶりどんどん」 無料

「ブッブー」など擬音を使って物の名前を覚えられる音声付きの絵本アプリ。生き物、乗り物、トイレなど様々なジャンルが収録されており、擬音でコミュニケーションをとることを覚えていく乳児期のお子さんも楽しめます。
●「ぶりぶりどんどん」詳細はこちら幼児(2〜6才)におすすめのデジタル絵本
短めでわかりやすいストーリーの作品がおすすめ。朗読音声付きの作品を選べば、文字が読めない子供も楽しめます。
「がっけんのえほんやさん」 本体ストアアプリ無料(絵本ごとに課金)

作品ごとに購入できる学研のデジタル絵本アプリ。世界の名作童話、「ぴよちゃん」シリーズなど子供に人気の絵本が40作品以上、朗読音声付きで楽しめます。全ての絵本が二カ国語対応で、朗読音声を英語に変更すれば、英語学習にも役立ちます。タッチすると音がしたり、主人公が動き出す仕掛けも。
●「がっけんのえほんやさん」詳細はこちら「おしりたんてい」シリーズ 無料

顔がお尻になっていて、タップするとオナラが出る、なんともユーモラスな探偵が主人公の絵本。第1〜第4弾まであり、第1弾はケーキを食べた犯人を動物たちの証言を元に探しだすストーリー。犯人をオナラで攻撃する姿に、幼児期の子供が大ウケすること間違いなしです。迷路や絵さがしも楽しめます。
●「おしりたんてい」シリーズ 詳細はこちら小学生以上(7才〜)におすすめのデジタル絵本
文字が読めるようになるので、子供自身でじっくりと読み進めながら、イラストや音楽も含めてデジタル絵本の世界観を味わえる作品を選ぶといいでしょう。
「サーカスが燃えた」 無料

直木賞作家・佐々木譲氏が執筆した童話が無料絵本アプリに。自身の幼少期の実体験をもとに、8歳の女の子が父親とともにサーカスの火事に出くわした際の光景を描いた作品。レトロで温かみのあるイラストと効果的な楽曲により、大人が読んでも引き込まれる切ない世界観を作り上げています。親子でどうぞ。
●「サーカスが燃えた」詳細はこちら「雪の女王」 有料(400円)

「雪の女王」はデンマークの童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話で、雪の女王に連れ去られた幼なじみの少年・カイを探して、少女・ゲルダが旅をするストーリー。繊細なタッチのイラストが美しく、イラストの中を触るとあちこち動き出す楽しい仕掛けが隠れています。児童書としてもしっかり読める文字数なので、小学生以上向けです。
●「雪の女王」詳細はこちらストーリーの内容や絵のタッチに加えて、音やしかけの種類や見せ方も、対象年齢によって違ってくるもの。おすすめ作品を参考にしながら、わが子にぴったりなデジタル絵本を探してあげてください。
親子で一緒に楽しむ時間も大切!

家事で忙しい時など、絵本を読んであげられない際に、デジタル絵本の朗読機能は大変重宝するものですが、他のアプリ同様に、長時間に渡り子供1人で使用させるのは控えたいところ。
「物語を朗読してくれる作品は、保護者の方が朗読を行わなくても、子供1人で楽しむことができるので、いわゆる『スマホに子守りをさせる』ようになりがちな面があります。親子で朗読を楽しんだり、画面に隠された仕掛けを一緒に探してみたり、ときには朗読をオフにして保護者の方が読み聞かせをしてみるのも良いのではないでしょうか」
読書で大切なことは、親子の心のふれあい。それは絵本がデジタルになっても同じことです。読んだ後に絵本の内容について話したりして、親子で過ごす時間を楽しみたいですね。