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塊肉・野菜・デザートも! BBQの上手な焼き方&便利な片付け術

掲載日: 2018年4月25日更新日: 2018年4月25日西條一法

外出が気持ちいいこれからの季節、家族でバーベキュー(BBQ)を計画しているファミリーも多いはず。そんなときに、ボリューム満点の大きな肉を手際よく焼けたら、家族みんなから喜ばれること間違いなしですよね。

今回は、家族に「スゴイね! パパ!」と言われる「スゴパパ」を養成する講座「スゴパパ工場」で行われた「デカイ肉の焼き方」と、後片付けで役立つ「コゲ落としテクニック」をレポートで紹介します。

バーベキューと焼肉の違いは?

今回の講師は、横浜バーベキュー協会所属の田形勇輔さん。合格率20%といわれる日本バーベキュー協会認定の「上級バーベキューインストラクター」の資格を持っており、横浜開港祭や平塚ビーチフェスタなどでその腕を振るっている人物です。

金麦で乾杯をしてちょっといい気分になった参加者に、哲学的な質問を投げかける田形さん(写真左)

田形さんは、イベント参加者に開口一番「人はなぜ、バーベキューを求めるのか?」と質問。答えに困る一同に「それは焼肉とバーベキューの違いにあります。焼肉は食べるもの、バーベキューは『する』ものです。バーベキューは単なる料理ではなく、コミュニケーション文化だと考えています」と力説していました。

さらに、「バーベキューと茶道はつながっている」と持論を展開し、「1つの大きな肉を分け合って食べるというコミュニケーションには、おもてなしの心があります。茶道もお茶を淹れて、分け合って飲みます。そこが似ていると思うんです。また、味だけでなく所作も大事。バーベキューもスマートな所作をやるから楽しいんです」と魅力を語っていました。

デカイ肉を焼いて「スゴイ!」と言わせるには?

田形さん流の「スマートバーベキュー」を実現させるためには、バーベキューグリルが重要とのこと。「日本でよく使われている四角いものではなく、ウェーバーというブランドの円形のバーベキューグリルがおすすめです。これはフタで密閉できるので火力を保てますし、蒸し焼きもできます。これがあれば『火が弱くて生焼け』という事態を防げます」

ウェーバーのバーベキューグリルはレンタルできるところもあります

「また、チムニースターターという炭を加熱するためのアイテムもおすすめです。これを使えば、日本のBBQでよくある『うちわであおぐ』必要がありません」

確かにバーベキューはもともと海外の文化。海外のバーベキューでは火を起こすのにうちわは使いませんよね? 海外ではチムニースターターを使うほうが一般的なのだそうです。

ステーキの上手な焼き方&コツ

BBQの主役といえばステーキ。普段はなかなか食べない大きな塊肉をみんなでシェアすると盛り上がりますね。バーベキューでステーキを焼くコツを実際に紹介していきます。

ステーキを焼くときは炭の量を変えて配置する「スリーゾーンファイアー」を使います

まずは、チムニースターターから出した炭を配置します。バーべキューグリルを使うときの炭の配置を「チャコールレイアウト」と呼びます。

ステーキを焼くときは、「炭が多い(強火)」「炭が少ない(中火)」「炭がない(弱火)」の3つのエリアを作る「スリーゾーンファイアー」がベスト。上記の写真がまさにそれです。

次は、ステーキ肉をトングで叩きます。焼く直前に叩くと肉が柔らかくなります。その後、「自分が思っているより3〜5倍の量」で塩・コショウをふります。普段食べるものよりも厚い肉を使っているので、多いぐらいでちょうどよいバランスになるそうです。

叩いた肉を強火のエリアに置いて、表面が焼けたらひっくり返し、少し中火で中まで火を通せば完成。弱火のエリアは保温したいときなどに使います。

「普段、ステーキを食べるときは端から切ると思いますが、ここは中央から切るのがおすすめです」と田形さん。

「半分に切ると、断面をみんなに見せるパフォーマンスがしやすい (笑)」とのこと。また、もっと焼きたいという人がいた場合にも、もう半分を再び焼けばいいので、スマートに対応できます。

焼きあがった肉を食べてみたところ、とても柔らかくて絶品でした。塩・コショウが効いているので、そのままで十分な味付けです。これは簡単なので真似したくなります!

ちなみに、バーベキューでは「生ものを扱う用」と「焼いた肉と野菜用」で、最低2つずつトングと包丁、まな板を用意しておく必要があるそうです。これは生肉についている細菌がトングを経由して、口に入らないようにするためです。

次はいよいよ、本日のメイン食材となる「ポークバックリブ」の焼き方です。


ポークバックリブの上手な焼き方&コツ

続いて、「ブタの背中の肉」を意味する「ポークバックリブ(ベイビーバックリブとも呼ばれる)」を焼きます。通常のスーパーではあまり見かけないですが、ネットなどで手に入るとのこと。

まず、内側にある皮をはぎます。脂がついているので、ビニール手袋をして端から引っ張ってはがすのがおすすめです。

続いて「ドライ・ラブ(スパイス・ラブ)」で下味をつけます。赤い色をしていますが、これはパプリカの色。それほど辛くはないので、表と裏にたっぷりつけましょう。

鶏肉や豚肉を焼くときの炭の配置は、中央にアルミホイルを置いて、左右のスペースに炭を入れる「スプリットツーゾーンファイアー」を使います。

「両サイドに炭が入る形です。アルミホイルは肉の脂が垂れてきたときに、炭に脂が流れないようにするための工夫です」

表面に焦げ目ができるなど、ある程度焼きあがったら市販のバーベキューソースをつけてもう少し焼きます。焼き上がりまでの時間はおよそ30分。

工程としてはかなりシンプルながら、本格的な肉料理が完成です。初めてポークバックリブを食べたのですが、骨からの身離れがよく、肉もほどよい柔らかさで食べやすかったです。バーベキューソースが甘めなので、子どもも大好きな味ですね。

野菜の上手な焼き方&コツ

今回のバーベキューで意外だったのが、野菜の焼き方。なんと切らないでそのまま焼いています

子どもが嫌いな食べ物の上位に挙がってくるピーマンは、やはり苦いことがその理由だと思います。であれば、切らないで焼いて食べると不思議と苦みが抑えられて、さらに種まで食べられます。味付けはバーベキューソースを軽く塗って、塩・コショウをするだけ。

参加者のパパたちも思わず「これは美味い!」「知らなかった!」と大絶賛! 田形さんによると「これでピーマン嫌いを克服した子どもがたくさんいますよ」とのこと。家庭では魚焼き用のグリルで代用して作れますね。

また、しいたけはカサを下にした状態で塩を振り、カサの内側の塩がとけて「汗をかいてきたら」食べごろ。こちらも簡単かつ美味しく野菜が食べられます。このほか、玉ねぎを皮のままアルミホイルで包んで焼くのもおすすめです。

次は「デザートバーベキュー」です。意外な食材を焼くことで、バーベキューならではの絶品メニューに変身!


デザートBBQで子どもの胃袋と心を最後までつかむ

スマートバーベキューのシメはデザートを焼きます。今回はオレンジとバナナを焼きましたが、田形さんが主宰するBBQではパイナップルを丸々1個焼くこともあるとか。

オレンジは2つに割って両面を焼きます。バナナは皮のまま表面が黒くなるまで焼きましょう。

オレンジは食べる前にもう半分にカットすると食べやすくなります。温められたオレンジは、甘みが増しているように感じられて、これまた想像以上の美味さ!

バナナは上側の皮をむいてシナモンをかけるのがポイント。トロトロになったバナナとシナモンの香りがとてもよく合います。

親子のスマートバーベキューを成功させるコツ

子どもを連れてバーベキューに行くと、慣れていないといろいろと不安ですよね。そこで、初心者が「バーベキューで困ること」を田形さんにぶつけてみました。

バーベキューで子どもが喜ぶ食材は?

「今回焼いた塊肉やオレンジ、バナナのほかに、マシュマロを串に刺して焼いて食べるのもおすすめです。マシュマロにはチョコレートソースをかけるのもいいですね」

そのほかには、炭に火を入れているときや蒸し焼きにしている間に出すものを一品用意しておくといいようです。す。

「例えばクラッカーにクリームチーズとブルーベリージャムを乗せたもののような、火を使わずに簡単に作れるものがあると便利ですよ」

BBQの途中で子どもがグズったら?

「ポークバックリブのドライ・ラブをすりこむ作業や、ステーキ肉をトングで叩く作業など、子どもも一緒に手伝いしてもらうと飽きにくくていいですよ」

「あとは、ステーキ肉を焼くときに、水鉄砲を用意しておいて火力が強いところを狙い撃ちしてもらいましょう。肉が焼きあがるまでの待ち時間にシャボン玉で遊ぶのもおすすめです」

子どもから目を離さないでBBQを行うには?

「バーベキューグリルのサイドにテーブルなどを置いて、子どもがこないようにしつつ、調理をするところの正面を食べる場所にしておくと、比較的全体を見渡しながらバーベキューができると思います」

「とはいえ、ほかの家族と一緒にきているなら焼かない人を誰か決めて、その人に見てもらうのがおすすめです。バーベキューは複数の家族でできるものなので、互いに協力して役割分担するのがいいでしょう」

ゆっくり食べるための工夫はありますか?

バーベキューの肉を焼くのがパパが担当としても、不慣れなところがあって結局ママの手を借りることも多いはず。

「食べる際に切るなどの手間を省くために、子どもに肉を分けるときは、なるべく小さく切ってあげると、自分で取って食べられるので、親が食べる時間を作りやすくなりますよ」

一般的なバーベキューは野菜などを細かく切ったりしていますが、田形さんが推奨するスマートバーベキューの場合は野菜を切らないので、そういう意味でも手間をかけずにゆっくり楽しむことができそうです。

後片付けを上手に行うには?

「基本的に洗わないですね。キッチンペーパーで拭いて、あとで家で洗うようにしています。バーベキュー場のお水で洗ってもあまり落ちないですし、時間がかかるのでそこは家に持ち帰りですね」

BBQ後に大活躍のコゲ落とし法を家事のプロが伝授!

今回の「スゴパパ講座」では、BBQ後の網や鍋のコゲ落としテクニックも紹介します! 伝授してくれたのは、家事代行サービス「CaSy (カジー)」のキャスト・瀬戸島実千代(せとじま・みちよ)さん。家事のスペシャリストで、テレビなど多数のメディアに出演実績があります。今回は、家の調理器具などにも使える「プロのコゲ落としテクニック」を教えていただきました。

瀬戸島実千代(せとじま・みちよ)さん

瀬戸島さんがまず紹介してくれたのが、鍋などのコゲつきを落とすのにおすすめの「コゲ落としシート」です。

「これはロール状になっていて、使う分だけハサミで切って使えます。軽く水をつけてこするだけで、洗剤を使わずにコゲが取れるのが特徴です。シート状なのでカーブにそってコゲを落としたり、グリルのようなものでもはさんで使えます」

ネットで「アズマ コゲ落としシート」で検索すると見つかります。

続いて紹介したのが「過炭酸ナトリウム」です。

「バーベキューが終わったあとの網などのコゲを落とすのに最適です。網などを袋に入れて、50度くらいのお湯でつけおきしておくだけでOK。普通のコゲであれば、1時間くらいで十分落ちます。匂いも落ちるのですごく便利です」

「小さいものなら100円ショップで売っているので、まずは試してみるのがいいと思います。」

過炭酸ナトリウムは湯垢にも効果あり。瀬戸島さんはお風呂のイスや洗面器などを残り湯に沈めてから過炭酸ナトリウムを入れて、お風呂のフタを閉めて1時間ほどで湯垢とりをしているそうです。ただし、アルミ製品には使えないので注意が必要です。

BBQスキルはパパから子どもに「受け継ぐ」もの

上級バーベキューインストラクターの田形さんは「居酒屋はパパだけの交流ですが、BBQはママも子どもも一緒に交流できます。また、欧米ではバーベキューはパパに教わるのが普通。それぞれの家の『パパ流』のバーベキューが存在します。バーベキューの楽しさを多くのパパに知ってもらい、それを子どもに受け継いでいってもらえるとうれしいですね」と語っていました。

「スゴパパ」公式Facebookページはこちら

デカイ肉の焼き方をはじめとするスマートバーベキューのポイントと、コゲ落としに便利なアイテムの使い方を教えてもらい、参加したパパたちは大満足でイベント終了。実際に自分で試したいコツが満載でした。

なお、今回のイベントの会場になった「WILD MAGIC The Rainbow Farm」は、豊洲の高層ビルが映える昼でも夜でもロケーションに優れたスポットです。ぜひお出かけしてみてください!

施設情報
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ライター紹介

西條一法

39歳のときに子どもが生まれて育児の楽しさを知り、40歳にして某ゲーム雑誌から「いこーよ」編集部に電撃移籍した。「きかんしゃトーマス」で感動して泣く41歳。最近のマイブームは、子どもに絵本を読むことと、体力が続く限り一緒に遊ぶこと。お風呂と寝かしつけも担当しているが、最近は息子より先に自分が寝てしまう。

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