電車が「ガタンゴトン」走る、犬が「ワンワン」吠える、丸を描いて「クルン」。これが、オノマトペ。フランス語で擬音語や擬態語を意味する言葉です。実はニッポンはオノマトペ大国。しかも、子育てに役立つ“魔法の言葉”なんですって!
オノマトペが子育てに役立つ理由とは?
日本語は、他の言語に比べて日常会話や商品名などに数多くのオノマトペが用いられています。その使われ方や効果について研究されているのが、藤野良孝先生。
「
オノマトペは、子どもとコミュニケーションを取るのにぴったりな言葉で、子どもの発育を心身ともに効果的に促す“魔法の言葉”であると確信しています」と藤野先生。確かに「ガタンゴトン」や「ワンワン」は楽しげな響きで、子どもウケするのはなんとなく納得。でもなぜオノマトペが、「心身ともに成長を促す“魔法の言葉”」なのでしょう?
発育への効果は?
たくさん話すことで声帯や横隔膜が鍛えられ、言葉と同時に体の発育にも良い影響を及ぼすはず!
発育への効果は?
おもちゃと戯れるように、遊び感覚で言葉に接することができ、コミュニケーションへの感心が高まる!。
発育への効果は?
感情や状況を的確に伝えようとすることで、感受性が豊かな子に! フラットな日本語とは異なり、メリハリに富んだ英語の発音に通じるものもあり、英語になじみやすくなるかも…の期待も。
発育への効果は?
オノマトペは身体に作用し、特定の行動を起こしやすくなる!
ちなみに、スポーツオノマトペの研究のきっかけは、巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんの指導法だそうです。「『ビューッ』と来たら、『バシン』と打て」などとオノマトペを織り交ぜた指導により、打撃不振に悩む多くの選手を立ち直らせました。その興味が一番のきっかけになったのだとか。
「猫がニャーニャー鳴いているね」
「日常のさまざまな場面で、聞いて楽しく発声しやすいオノマトペを使って話し掛けましょう。レスポンスがよくなれば、言葉が遅い子どもでも自然と言葉を覚えていきます。振る・鳴くという動作や、しっぽという名称も併せて教えてください。お母さんが手を振って、しっぽの動きと連動させるのもいいですね」
「近年、排便がうまくできない子どもが増えています。幼稚園や小学校でうんちをするのが恥ずかしくて、我慢をしてしまうそう…。ならば、うんちを、楽しく、スルッと促すスポーツオノマトペをベースにした掛け声にチャレンジ。特に腹筋に力が入る、母音の『ぅ』を力強く出してください。『あーっ』は力んだ体を解放する、大きく息を吐き出す音です。便秘に悩むお母さんもぜひお試しあれ」
「脳内で分泌される神経伝達物質のひとつセロトニンは、感情や情動を整える働きがあります。上手く分泌できれば、心が安定して落ち着きをキープ。このセロトニンの分泌を促すのが、小刻みなリズム運動です。例えば電車の中で子どもの落ち着きがなくなったら、『手のひらで太ももをトントントンしようか』とタッピングを促してみましょう」
「子どもがしょげていたら、『どうした?』と声を掛けてあげましょう。事情を話し始めたら、余計な口ははさまずに、『うん、うん』と最後まで聞いてあげてください。ひと通り話して、落ち着きを取り戻したら、うなだれている顔を上げさせて、腕を挙げて『シャキーン』と元気よくポーズ! 気持ちと行動は密接に関係しています。上を向いて歩くと気が晴れることは、脳科学的にも推奨されているのです」
そうそう、お母さんのイライラが募った時にも、良いオノマトペがあるそうです。「叱りつける前に『スー』と息を3秒吸って→『ハァー』と6秒掛けて吐き出すのを3回→最後は『グッ』と言って気持ちを抑えてください」
理由①発声しやすく、覚えやすいから
「ワンワン」など、オノマトペは単純な音節の繰り返しや一語で構成されているので、声帯が発達していない幼い子どもでも比較的発声しやすい。発育への効果は?
たくさん話すことで声帯や横隔膜が鍛えられ、言葉と同時に体の発育にも良い影響を及ぼすはず!
理由②リズミカルで楽しいから
オノマトペは五感を刺激する“サウンドトイ”。独特のリズムを持っているので、聞くのも、声に出すのも楽しい。発育への効果は?
おもちゃと戯れるように、遊び感覚で言葉に接することができ、コミュニケーションへの感心が高まる!。
理由③抑揚をつけて、感情表現できるから
音を高くしたり低くしたり、長く伸ばしたり短くしたり、速くしたり遅くしたり。オノマトペは通常の言葉と違って細かいニュアンスを表現できる。発育への効果は?
感情や状況を的確に伝えようとすることで、感受性が豊かな子に! フラットな日本語とは異なり、メリハリに富んだ英語の発音に通じるものもあり、英語になじみやすくなるかも…の期待も。
理由④身体と連動して出る言葉だから
一般的なオノマトペに加え、声の抑揚と体のリズムが連動して表現されるのも、大きなオノマトペの特徴。特に体育・スポーツ場面で多く認められ、これらを藤野先生は「スポーツオノマトペ」と命名しました。例えば、体に力を入れるときにおなじみの「よいしょ」もスポーツオノマトペの一種です。発育への効果は?
オノマトペは身体に作用し、特定の行動を起こしやすくなる!
ちなみに、スポーツオノマトペの研究のきっかけは、巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんの指導法だそうです。「『ビューッ』と来たら、『バシン』と打て」などとオノマトペを織り交ぜた指導により、打撃不振に悩む多くの選手を立ち直らせました。その興味が一番のきっかけになったのだとか。
オノマトペで育児をやってみよう!
0歳〜2歳向け、言葉の楽しさを教えるオノマトペ
「ワンワンがしっぽを振っているよ」「猫がニャーニャー鳴いているね」
「日常のさまざまな場面で、聞いて楽しく発声しやすいオノマトペを使って話し掛けましょう。レスポンスがよくなれば、言葉が遅い子どもでも自然と言葉を覚えていきます。振る・鳴くという動作や、しっぽという名称も併せて教えてください。お母さんが手を振って、しっぽの動きと連動させるのもいいですね」
2歳以上向け、うんちがスムーズに出るオノマトペ
「んぅ」でお腹に力を入れて、「あーっ」と息を吐く「近年、排便がうまくできない子どもが増えています。幼稚園や小学校でうんちをするのが恥ずかしくて、我慢をしてしまうそう…。ならば、うんちを、楽しく、スルッと促すスポーツオノマトペをベースにした掛け声にチャレンジ。特に腹筋に力が入る、母音の『ぅ』を力強く出してください。『あーっ』は力んだ体を解放する、大きく息を吐き出す音です。便秘に悩むお母さんもぜひお試しあれ」
3歳以上向け、乗り物で落ち着くオノマトペ
手のひらで足を「トントントン」「脳内で分泌される神経伝達物質のひとつセロトニンは、感情や情動を整える働きがあります。上手く分泌できれば、心が安定して落ち着きをキープ。このセロトニンの分泌を促すのが、小刻みなリズム運動です。例えば電車の中で子どもの落ち着きがなくなったら、『手のひらで太ももをトントントンしようか』とタッピングを促してみましょう」
3歳以上向け、しょげている子を元気づけるオノマトペ
上を見上げて、腕を挙げて「シャキーン」「子どもがしょげていたら、『どうした?』と声を掛けてあげましょう。事情を話し始めたら、余計な口ははさまずに、『うん、うん』と最後まで聞いてあげてください。ひと通り話して、落ち着きを取り戻したら、うなだれている顔を上げさせて、腕を挙げて『シャキーン』と元気よくポーズ! 気持ちと行動は密接に関係しています。上を向いて歩くと気が晴れることは、脳科学的にも推奨されているのです」
お母さんのイライラにも効きますよ
「ワンワン」「ニャンニャン」は、決して幼稚な言葉ではないんですね。言葉を話す・聞くが楽しくなる、コミュニケーションが豊かになる“魔法の言葉”。ぜひ身体の動きと連動させて、自由に取り入れてみましょう。そうそう、お母さんのイライラが募った時にも、良いオノマトペがあるそうです。「叱りつける前に『スー』と息を3秒吸って→『ハァー』と6秒掛けて吐き出すのを3回→最後は『グッ』と言って気持ちを抑えてください」