
算数が苦手だと思っている子を算数好きに、算数が大好きな子をもっと算数好きにする自由研究
自由研究のテーマに「算数」を選ぶということは、算数のセンスを磨くのにとてもよい機会になります。一般的に、「算数のセンスがある子=計算が出来る子」というようなイメージがあるかもしれませんが、実際には、「算数のセンスがある子」は、計算ができるというよりも、計算を使ってどんなことをしていくのかを考える力がある子です。このような「算数のセンス」は、意識的に算数のワクワク体験を積み重ねていく中で育むことができます。
算数のワクワク体験を積み上げるために自由研究を活用!
算数のセンスを磨く体験をするときに大切なのはなんですか?と聞かれたときに、私は「『みましょう・触りましょう・聞きましょう』です」と、答えるようにしています。それぐらい、算数の体験というのは重要なのです。それでは早速ワクワクしながら五感を使って楽しむことができる自由研究をご紹介しましょう。
ストローとモールで挑戦! 算数の自由研究

今回ご紹介するのは、ストローとモールを使って正四・八・二十面体を作る方法です。実はこの3つの多面体は、どれも三角形を組み合わせてできています。

同じ長さに切った3本のストローをまずはモールに通すところが第一歩。
低学年のお子さんは正四面体で頂点の数や辺の数をかぞえたりするだけでも十分楽しむことができますし、学年が上がるにつれて複雑な多面体を作成し体積や表面積などへ体験を広げていくのもいいですね。

3本のストローを通したモールのはじとはじをあわせれば正三角形が完成します。
【低学年向け】正四面体を作ろう!

最初の三角形を組み合わせて正四面体を作りましょう。
正四面体の構造
- 正三角形が3つで作られた構造
- それぞれの頂点に集まる辺の数は3本
- 必要なストローの数は6本

【大迫先生のポイント!】親子で楽しく算数体験!
できれば、親子で一緒につくるといいですね。出来上がると子どもたちは大喜びしてママやパパに見せにくるはずです。そのときには、「できた」ことを一緒に喜んであげてください。そして、作った感想を親子で話し合ったり、正四面体が身の回りにはどこにあるのか?などを話し合ってみるのもおすすめです。この楽しい体験が算数が大好きになり、算数のセンスを身磨くことにつながっていきます。エジプトのピラミッド

ルーブル美術館


また、正六面体(立方体)を作って正四面体と構造の強さを比較してみるのもおすすめ。圧倒的に正四面体のほうが正六面体よりも頑丈な構造であることを感じることができますよ。

【高学年向け】正八面体 正二十面体を作ろう!

正八面体の構造
- 正三角形が8つで作られた構造
- それぞれの頂点に集まる辺の数は4本
- 必要なストローの数は12本

正二十面体の構造
- 正三角形が20こで作られた構造
- それぞれの頂点に集まる辺の数は5本
- 必要なストローの数は30本



【大迫先生のポイント!】二次元の世界を三次元の世界で体験するドキドキワクワクを楽しもう
正八面体や正二十面体を作る楽しさは二次元の算数の教科書でしか見たことのがなかった複雑な形を自分の手で作ることができる面白さ。少し大きくなった子どもと取り組むときには、褒めるというよりも、親子で競争しながらタイムを競って作ったり、出来上がったらハイタッチしたりして盛り上がって楽しむといいですね。
箱根彫刻の森美術館 しゃぼんだまのお城 ピーター・ピアース(アメリカ 1936 -)2011年 1600x740x960cm強化プラスチック、ステンレス、スティール


同じ長さに切ったストローとモール、そして完成形の正多面体を用意します。自由研究をしよう! という声かけをしなくても、こんな風に置いておくだけで、こどもは挑戦したくなるもの。