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愛情不足ではない?子どもの噛み癖を直す方法

まだ言葉がうまくしゃべれない1歳〜2歳頃は、おもちゃの取り合いなどになると、言葉よりも先に手が出てしまうことがありますよね。中には、相手の子を噛んでしまう子もいるのですが、その原因を「愛情が足りないから」と指摘する声もあります。それって本当なのでしょうか?専門家に聞きました。

噛むのは、言葉が追いつかないから

そもそも、どうして子どもは噛んでしまうのでしょうか。

噛んでしまうというのは、1歳〜2歳くらいの子によく見られる行動です。このくらいの年齢の子は、気持ちのコントロールがまだ上手にできない上、言葉が追いつかないからです。人との関わり方も、言葉も、これから覚えていくという段階ですからね。」

こう話すのは、谷町こどもセンター(大阪市)で所長を務める、臨床心理士の日下紀子さん。

遊んでいるものを取られて腹が立っても、その苛立ちをどう抑えて、どう表現すればいいのかわからないので、「噛む」という行為で伝えようとしてしまうのだと言います。

「でもそれは、成長過程の中でのごく自然な行動の一つ。問題行動というわけではないので、さほど気にすることはありませんよ。」

しかし一部では、「親の愛情が足りないからだ」という声も…。

1歳〜2歳くらいであれば、私は、まったく関係ないと思います。むしろ、これくらいの年の子は、噛むものだと思っておいてほしいくらいですね(笑)。」


噛んだら、まずは気持ちを受け止める

それでは、子どもがよその子を噛んでしまったときは、親はどのように対応すれば良いのでしょうか。

まずは相手の子どもと距離を取らせてから、子どもに『これが欲しかったのかな?』などと気持ちを聞いて、『そうなんだね』と受け止めてあげてください。それから『でも噛んじゃダメなんだよ』『貸してって言おうね』と教えてあげる。子どもが言葉で伝えられない気持ちを親が代弁してあげれば、心が落ち着きやすくなると思います。」

このときに注意したいのが、「ダメでしょ!」などといきなり怒らないことだと日下さん。

「『怒られた!』というインパクトが強いと、そのショックで次の話が耳に入りづらくなります。『貸してって言おうね』などのママのアドバイスを聞いてもらうためにも、まずは子どもの気持ちを受け止めて、心を落ち着かせてあげてください。」

噛んだらどうなるかを見せる

では、噛んでしまった相手の子へのフォローはどうすればいいのでしょう?

「噛んだ子の目の前で『噛まれて痛かったね』『そのおもちゃが欲しかったみたいだけど、貸してって言えなくて噛んじゃったんだ。ごめんね』と、ママが子どもの代わりに、言葉に出して謝ってあげてもいいと思います。」

ママが謝っている姿を見ることも「噛んだら謝らないといけない」ということを覚えるきっかけに。

「ママが謝ったあとで『○○くんも、ごめんねって言おうか』と、謝り方を教えてあげてもいいですね。上手に言えなくてもいいし、言えたら褒めてあげればいいので。そして『今度から、欲しいときは噛まないで“貸して”って言おうね』と教えてあげれば、少しずつコミュニケーションの取り方を覚えていきますよ。」

また、相手の子が噛まれたところを水で冷やしている様子や、「こんなに噛んだ痕がついてるから痛いよね」と傷を見せるのも一つの方法だとか。

「2歳くらいまでは、自分のしたことで相手がどうなるのかが、まだよくわからない時期なんです。『噛んだら痛いんだ』『痕がつくんだ』ということも、こうした経験を重ねて覚えていくんですよ。」


噛む前にママが気持ちを代弁

経験を重ねながら、噛んではいけないことも、噛んだら謝らないといけないことも覚えていく時期。とはいえ、ママとしては、できるだけ噛んでほしくないのが正直なところです。噛むという行動を未然に防ぐことはできないのでしょうか。

「おもちゃを取り合って、服の引っ張り合いなどがはじまったら、もう噛むしかないという一触即発の状況かも。そんなときは『これが欲しいの?』など、ママが声をかけながら間に入ってあげれば、噛む前に止められると思います。」

逆に、おもちゃをお友達に貸せない場合にも「まだ遊びたいから渡したくないんだね」「じゃあ、もうちょっと遊んだら貸してあげようか」など、ここでも気持ちを受け止め代弁してから、コミュニケーションの取り方を教えてあげるのがポイントだそう。思いが伝わったことで心も落ち着き、アドバイスに耳を傾けるようになります。

ほかにも、なるべく取り合いが起こらないよう、複数人で遊ぶときには、おもちゃをたくさん用意してあげるのも一つの方法です。

ママがお手本を見せてあげて

噛んだりせずに、上手にお友達と遊べるようになるために、家で日常的にできることはあるのでしょうか。

人との関わり方を、パパやママがお手本になって見せてあげると良いと思います。家でも『遊ぼう』と声をかけてから遊ぶとか、肩をトントンと叩いてから声をかけるとか。」

子どもは無意識のうちに、親のしていることを見て真似をするもの。お手本になったつもりでいろんな表現方法を見せてあげれば、少しずつ友達とのコミュニケーションの取り方を覚えていきます。

また、声かけのときには、ちゃんと子どもの目を見ながら声をかけることが大切だと日下さん。

「遊びに集中しているときなどは、声だけかけても気づかないことがあります。お友達と遊ぶときも、目を見て声をかけたほうがコミュニケーションがスムーズになるので、家でもそうした習慣をつけておくといいですね。」

こうした噛みグセは、言葉がどんどん出てくるようになり、いろんな表現方法を覚えていけば、自然と減っていくものだとか。たくさんのお友達と上手に遊べるようになるためにも、日頃からたくさん声をかけて遊んであげたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 日下紀子さん

    臨床心理士。教育学博士。精神科の診療所で臨床心理士として活躍後、親子のカウンセリングを行う「谷町こどもセンター」(大阪市)へ入所。現在は所長として、12名の臨床心理士と共に、日々親子の成長をサポートしている。

  • 谷町こどもセンター
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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