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「へそのゴマ」は取るべき? 医師が明かす正体&影響&ケア方法

2018年10月24日岡本有紗

いつの間にか、おへそにたまる正体不明の「へそのゴマ」。子どものおへそにこれを見つけて、取るべきか、取らないべきかを悩む親もいるのでは? そもそも、へそのゴマが何かを知らない人も多いはず。そこで、「へそのゴマ」の正体や対処法について、小児外科医に聞きました。

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「へそのゴマ」の正体は何?

誰が言い出したのかわかりませんが、「へそのゴマ」とはいったい何でしょうか?

へそのゴマは、おへそに落ち込んださまざまな汚れが固まったものです

そう話すのは、小児外科を専門とする奥山宏臣医師。

「汚れの内容は、本人の垢や皮脂などが中心。ほかにも、小さなホコリや、お腹に当たっていた服の繊維が落ち込んでいることもあります」

へそのゴマがある場合、身体にはどんな影響を及ぼすのでしょうか。

「へそのゴマはいろいろな汚れの塊ですから、その中には多数の細菌が存在しています。ですが、単にへそのゴマがあるだけなら、それが原因で病気になることはないと思います」

おへそにトラブルが起こらない限り、その細菌が体内に入ったり感染症を引き起こしたりすることは、まずないと言っていいでしょう

では、へそのゴマ自体が原因になって、おへそにトラブルが起こることはあるのでしょうか?

「そういうケースも、ほとんど考えられません」

なるほど。とりあえず、へそのゴマを過度に気にする必要はなさそうですね。

「へそのゴマ」は取った方がいい?

へそのゴマは汚れやゴミの塊。病気や不調の原因にはなりにくいといっても、「不潔に感じる」と思う人も少なくないはず。

清潔を保つという意味でも、へそのゴマは取った方がいいのでしょうか?

「いいえ。気になるのはわかりますが、私は放置しておく方がいいと思います。少なくとも、積極的に取る必要はありません」

どうしてでしょうか?

「へそのゴマそのものより、それを取ろうとしておへそをいじることの方が、健康上のトラブルにつながりやすいからです」

おへその汚れは、取りにくいからこそ『へそのゴマ』になるわけです。無理に取ろうとしてこすったりすると、おへその中や周囲の皮膚が傷ついてしまうかもしれません

場合によっては、おへそにできた傷に細菌感染が起こり、炎症、化膿などにつながる危険があります

そういえば、昔から「おへそを触るとお腹が痛くなる」と言われることもありますね。

「それは、『おへそのいじりすぎは感染につながり、危険である』ということを知恵として伝えてきた言葉なのではないでしょうか」

「おへそを閉じている組織(瘢痕組織:はんこんそしき)の下は、臓器を包んでいる膜(腹膜)に直結しています。ですので、おへその傷からの感染は、ひどいときにはお腹の中にまで影響を及ぼすことがあるのです」

お腹は、腹壁、腹筋、脂肪、腹膜という層構造で守られています。ところが、おへそのところだけは脂肪や筋肉がなく、「守りが薄い」状態なのだそうです。

つまり、おへそは弱点なのですね。むやみに触ったり刺激したりするのは、避けた方がよさそうですね。


安全な「おへそのケア」方法

とはいえ、汚いのをどうしても見られたくなかったり、掃除したいときには、どうしたらいいのでしょうか?

おへそにオリーブオイルやベビーオイルなどを入れてから掃除する方法が有効です。オイルを入れて20分ほど置いておくと、汚れがやわらかくなって浮いてくるので、そっと拭き取ってあげてください

「拭き取るときは、おへそや周囲の皮膚を刺激しないよう、綿棒やガーゼなどを使うことをおすすめします」

ケアそのものは意外に簡単そうです。

「ただ、無理に行わないでください。おへその掃除を喜ぶ子も、オイルを入れた状態でじっとしていてくれる子も、あまり多くはないでしょう。手術前に子どものおへそをケアするときは、麻酔がかかってからするくらいです」

掃除をしている最中に動いてしまって、おへそを傷つけてしまっては大変ですね。

「そうですね。繰り返しになりますが、へそのゴマを取る必要性はあまりないのです。どうしても行う場合、子どもが眠っているときを見計らうなど、タイミングを工夫してください

へそのゴマは、基本的には放っておくべきもの。きれい好きなママパパは、お掃除したくてうずうずするかもしれませんが、子ども自身が気にしていなければ、そっとしておくのがベターなようです。

お話を聞いたのは…

  • 奥山宏臣先生

    大阪大学大学院小児成育外科学教授。大阪大学医学部小児外科助手、国立呉病院小児外科医長、大阪府立母子保健総合医療センター小児外科医長、兵庫医科大学小児外科教授を経て、平成26年7月より現職。著書に「スタンダード小児外科手術」「臍の外科」などがある。日本外科学会指導医/専門医/評議員、日本小児外科学会理事/指導医/専門医。日本小児へそ研究会事務局代表。

  • 大阪大学小児外科
  • 『臍の外科』
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ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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