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子だくさんママを直撃!きょうだいがいることのメリットは?

掲載日: 2016年4月20日更新日: 2016年4月20日青柳直子

ここ数年の日本国内における合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)は1.4前後。一人っ子が増えているようですが、兄弟・姉妹(きょうだい)がいるからこそ得られるメリットも多いのではないでしょうか。そこで、10人のお子さんを産んだ、ばぶばぶ助産院院長のHISAKO先生にお話を聞きました。

子供にとってきょうだいがいることのメリットは?

「まず、きょうだいがいると家の中で退屈することがありません。年齢差、性差、きょうだいの人数にもよりますが、話し相手、遊び相手、気軽に気持ちをぶつけることのできる相手がいることは、子供にとって大きなメリットです」とHISAKO先生。

メリット1:きょうだい関係から絶妙な社会性を学べる

毎日、年齢の違うきょうだいと遊んだり喧嘩したりすることで、子供は年上の立場であれ年下の立場であれ、相手からさまざまなことを学んでいくのだそう。

「小さい者を愛でる気持ち、譲り合う精神、我慢や妥協、なんでも思い通りにはいかないのが人生であることなど、生きていく上で必要な基本的なコミュニケーション能力を自然に身につけることができます。」

メリット2:きょうだいは親や友達には話せない悩みの相談相手になる

そして、子どもたちが成長し思春期を迎えるころには、親や友達には話せない悩み事をきょうだい間で相談し合ったりして、多感な心のバランスを取ることもあるのだそう。

「きょうだいだからこそ話せる、打ち明けられる。普段はどんなに喧嘩をしようとも、いざというときのきょうだい愛が垣間見えたとき、『きょうだいがいてよかった』とほっこり幸せな気持ちになるものです。」


親にとって子供が多いことのメリットは?

このように、きょうだいとの関わりは子どもにとってメリットが大きいもの。しかし一方で、現在の日本では経済的負担などさまざまな理由から、一人っ子が増えている状況があります。

「子だくさんは大変!」と言われることが多いですが、果たして本当にそうなのでしょうか?

「確かに、子どもが多ければ教育費など経済的な面では大変かもしれません。なんとかやっていけそう、という将来的ビジョンが立った上での話ではありますが、子だくさんはとにかく毎日が賑やかで楽しく笑顔が絶えません」とHISAKO先生。

それに、子育てをする上で親にとってうれしいメリットもあるのだとか。

親のメリット1:完璧を求めすぎない力の抜けた子育てができる

子供が増えると親が子供一人一人にかける時間や労力が分散されてしまいます。そのことが「子供に申し訳ない」と感じるパパママもいるかと思いますが、「それがよい結果を生むこともある」とHISAKO先生。

「どの子に対しても平等に目を向けなければいけないので、親は『とても全部は見きれないわ〜!』ということになります。でも、それが逆に完璧を求めすぎない、いい意味で『力の抜けた子育て』を生むことになります。」

「親の愛の深さゆえだったとしても、子どもだってずっと親から監視され『ああしろ、こうしろ』と指示されてばかりの環境では疲れてしまいますよね。親が子どもに対して過干渉になればなるほど、子供の自主性が失われ、何事もレールを敷いてもらわなければ行動できなくなってしまう可能性もあります」。

子供が増えることで、親は理想の子育てを追いすぎることから解放され、子供は自分で考え行動する力を身につけることができます。これが結果的に親子間の適度な距離感を保つことになり、良好な親子関係をキープできるとともに、子供の自主性を育てることにも繋がるそうです。


親のメリット2:家事や子育ての戦力になる!

子供が増えると必然的に家事も増えますが、ある程度子供に任せるのも、子供の成長にとっていい効果があるそう。

「家事は『家の事』と書きますから、『家の事』は『家の人』みんなで協力してやっていけばいいのです。下の子のお世話を手伝ってもらうことで、上の子は社会の秩序や感謝の心、やっていいことと悪いこと、物事の加減など、冷静な判断能力と社会性、生活力を身につけることができるのです。」

子供に家事の役割分担をさせることで親は楽ができ、知らない間に子供には社会性や生活力が育つ。まさに一石二鳥ですね。


二人目の出産をためらっているあなたへ

「きょうだいがいること、いないことで人生の価値が評価されるものではないと思いますし、一人っ子がダメだとも思いません。でも、子供はやっぱり子供が好き。家の中に一緒に遊び、喧嘩ができる相手がいることは、子供にとってかけがえのないことだと思います」とHISAKO先生。

「子育てって思い通りにならないことの連続ですよね。キレイごとで済まされないことだらけ。ママだって感情の生き物ですから、いつもいつも笑顔で子供に接することができるなんてあり得ないと思います。子育ては理想論ばかり追わずに、思ったままに全力でぶつかっていけばいいと思いますよ。」

子供にとってメリットが大きな「きょうだい」。二人目が欲しいと心のどこかで思っているなら、頭で考えすぎず、思い切って一歩踏み出してみると思いのほか楽に道は開けるのかもしれませんね。

お話を聞いたのは…

  • HISAKOさん

    『助産院ばぶばぶ』院長。10人産んだ子だくさんママ。
    総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟で助産師としての経験を積む。5人を年子で出産した後『助産院ばぶばぶ』を大阪市阿倍野区に開院。妊産婦のケアを行うかたわら、NHK総合テレビでも放映された「いのちの授業」ほか、政府や県庁からの依頼を受け全国で講演活動を行う。著書に『10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本』(すばる舎)、『9人産んじゃいました』(幻冬舎エデュケーション)、『みんな違っていいやん』(角川書店)。

  • 「助産院ばぶばぶ」ホームページ

ライター紹介

青柳直子

ライター暦16年。神戸生まれ・育ち・在住のアラフォー世代。芸能・インタビュー、舞台・コンサートレポをメインに、子育て関連、街取材まで“守備範囲を広く”がモットー。小学1年生の長男、1歳の長女、ヨーゼフ(ハイジの犬)似の夫+猫2匹と、毎日てんやわんやな暮らしぶり。娘が歩けるようになったのを機に、家族キャンプ再デビューを計画中。

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