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【育児都市伝説】ピーナッツやチョコで鼻血が出るって本当?

掲載日: 2016年5月13日更新日: 2016年5月13日平野 友紀子

「ピーナツやチョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」や「興奮すると鼻血が出る」などと、子どもの頃に言われた人は多いと思います。これは、医学的に見て本当なのでしょうか? そこで、小児耳鼻科医の笠井創先生に噂の真相を聞いてみました。

「ピーナツやチョコで鼻血が出る」に医学的根拠はなし

鼻血は、鼻の粘膜や血管が傷つくことによって起こる出血」と笠井先生。

「チョコレートやピーナッツなどの食べ物を摂取することで、鼻粘膜が傷つくようなことはあり得ませんから、鼻出血の原因となることは医学的にまったく根拠がありません。もちろん、チョコレートやピーナッツが鼻血と関係しているという医学論文や報告は一切ありません。」

意外にも医学的にはまったく根拠がないものでした。それでは、なぜチョコレートとピーナッツに限って、「鼻血が出る」と言われるようになったのでしょうか?

「誰がいつ言い出して、そのような都市伝説が広まったのかは、残念ながらよくわかっていません。」

チョコレートやピーナッツは栄養価が高いため、食べ過ぎるとエネルギーのはけ口がなくなり鼻血が出ると考えられていたという説や、昔は高価なものだったので少しずつ食べるように促すためという説、子どもがあまり欲しがらないように親が言い聞かせた説、などがあるようですが、いずれも医学的な根拠はないようです

「興奮すると鼻血が出る」は本当!?

鼻血にまつわる都市伝説といえば、「興奮すると鼻血が出る」というのもよく聞きます。

こちらも医学的根拠はありません。ほとんどの場合はその時に感情が高まり、泣いたり、無意識に鼻を擦ったりして、鼻粘膜を刺激して鼻の血管を傷つける行為が介在しているからでしょう。性的興奮時に鼻血が出る、というのも、漫画などでそのようなシーンを面白おかしく表現されたことで、鼻血との関連が定着してしまったようです。」

血行がよくなることで、健全な鼻粘膜から鼻出血が起きるようなことはないそうです。

放射線の影響で鼻血が出る?

「最近では『放射線の影響で鼻血が出やすくなった』という噂が一時広まったことがありました。これも医学的根拠や統計学的な調査もまったく行われていないことでした。デマは根拠もなく科学的に否定されても、一度広まってしまったものは、なかなか人々の頭の中からは消え去ることがなく、半ば面白半分に流布してしまいます。」

「そして、たまたまそのようなときに鼻血が出るようなことがあると、やっぱり正しいことだったのだと思い込み、あらためて誤った認識が植え付けられてしまうことになります。」

インターネット社会によって誰でも情報を発信しやすくなり、デマが広がりやすくなっています。その情報は本当なのか、きちんと確認していくことが大切ですね。


鼻血が出るのはどんな理由から?

食べ物や性的興奮で鼻血が出ることがないということがわかりましたが、そもそも鼻血はなぜ出るのでしょうか?

「鼻血のほとんどは、鼻の入口付近にあるキーゼルバッハ部位と呼ばれる場所から出血します。この部分は細い血管が集中しているうえに、粘膜が薄く、血管の表面があまり保護されていないため、わずかな外傷や刺激で出血します。」

子どもの鼻血は、鼻に湿疹ができていたり、鼻の病気で痒みがあったりして、鼻をいじってしまうことがきっかけです。

「特にアレルギー性鼻炎や風邪をひいたときの単純性鼻炎、副鼻腔炎鼻炎など、鼻炎がある場合は、鼻粘膜が弱くなるので、鼻血を繰り返しやすくなります。それは鼻汁が常に鼻の入口に出てきているため、キーゼルバッハ部位の粘膜のただれが、なかなか治らないからです。また痒みがあるので、無意識のうちにいじってしまうのも鼻血の引き金になります。」

子どもは何もしていないのに鼻血が出たように見えるときでも、ほとんどの場合は寝ている間や何かに夢中になっている間に鼻をいじっているのが原因だそう。

「大人より子どもの方が鼻血が出やすいという印象があるかもしれませんが、大人も刺激にさらされれば同じように出血します。運動量の多い子どもは鼻をぶつけるなど外傷の機会が多いし、遠慮なく鼻くそをほじるのも理由です。」

「何もしていないのに突然鼻血が出た」「子どもの方が鼻血が出やすい」というのも都市伝説だったんですね。


こうすればOK! 鼻血の正しい応急処置

実際に鼻血が出たときは、どのようにしたらいいのでしょうか?

「上を向かせると血液がノドに流れてきてしまいます。血液を飲み込むと吐き気をもよおすので、出血したら必ずうつ向き加減の姿勢をとらせましょう。血液がボトボトと流れ出るかもしれませんが、タオルなどで受け、ノドに落ちてきたものは吐き出させるようにしてください。」

そのうえで、子どもの親指の先ほどの脱脂綿をギュッと丸めて、両方の鼻の中に少しキツめに詰めます。そのあと小鼻を外側から15分程押さえましょう。

片方からの出血でも、両方に脱脂綿を詰めて双方向から押さえた方が圧迫しやすいです。また、ティッシュペーパーを使った場合、抜き取る際に固まりかけた粘膜表面をはがしてしまい、再出血する可能性があります。あらかじめオリーブオイルやワセリンなど油成分のものを塗った脱脂綿を使うと、スルリと抜きやすくなるのでおすすめです。」

鼻血は毛細血管から出血するため、一時的に大量に出血しても半日もすればカサブタが出きて落ち着きます。新しい粘膜ができあがるまでは出血しやすいので、1週間くらいは触らないようにしましょう。

また、「繰り返し鼻血が出る、なかなか鼻血が止まらないようであれば、奥の方の血管が傷ついている可能性があります。その場合は耳鼻咽喉科で受診してください。」とのこと。

小さい子どもがいる家庭では、普段の生活で鼻血が出て驚かされることも多いはず。正しい対処法を身に付け、落ち着いて対応できるようにしたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 笠井創先生

    笠井耳鼻咽喉科クリニック 自由が丘診療室の院長。昭和58年 千葉大学医学部大学院卒。国保君津中央病院耳鼻咽喉科医長、国立がんセンター病院頭頚部外科医員、横須賀共済病院耳鼻咽喉科医長を経て、平成11年 笠井耳鼻咽喉科クリニック 自由が丘診療室を開設。

  • 笠井耳鼻咽喉科クリニック 自由が丘診療室
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ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

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