幼児を持つ親のお悩み調査で、常に上位にランクインする、お片付け。でも、子どもが片付けられないのは、じつは親の影響が大きいそう…!「かたづけmom」主宰で、片付けアドバイザーの小関祐加さんに、子どもが自発的に取り組めるお片付けテクニックを教えてもらいました。
忙しいママでも無理なく続けられる「一日完結の片付け」はこちら!なぜ子どもは自分で片付けができないの?

そもそも、なぜ子どもは片付けができないのでしょうか?
「それは、物が散らかっている状況に、まったく罪悪感を抱いてないからです。『片付けなさい!』と子どもを叱る親に限って、自分自身も片付けが苦手なことが多いもの。常に机や床の上に物が溢れているため、子どもにとっては散らかった状態が普通で、なぜ片付けなければいけないのか、その理由がわからないのです。」
「片付いた状態を知らない子の中には、保育園や幼稚園では片付けるけれど、『家では片付けをしなくてもよい』と思っていたお子さんもいます。」
親が片付けを始めることによって、「家でも片付けるんだ」と初めてその必要性がわかる、ということですね。
片付けのやり方は教えなければわからない!
また、ただ「これを片付けて」と言うだけでは、子どもは何をどうやって片付ければいいのかわからないそう。
「片付けのやり方も教えてもらって初めて理解できるものです。子どもを叱る前に、まずは親が片付けをやって見せ、お手本になることが大切です。」
子どもが片付けられないのは、片付いた状態や片付ける方法を知らないからだったのですね! では、子どもが自発的に片付けるようになるには、どうしたら良いのでしょうか?
子どもが自分で片づける気になるコツ

小関さんいわく、子どもに自発的な片付けを促すために重要なのは、次の3つのポイントだと言います。
自立を育むポイント1:子ども専用のスペースを用意する
「子ども部屋がない場合でも、おもちゃや洋服を置くために、子ども専用のスペースを用意しましょう。子ども自身に管理を任せることで、やる気を育てることができます。カラーボックス、引き出しなど余裕をもってしまえる大きめなスペースを用意してください。」
自立を育むポイント2:その子に関係のない物で邪魔をしない
「子ども専用のスペースには、大人の物は混在させないのがポイントです。また、引き出しの奥から、サイズアウトした洋服が出てくる事がありますが、自分に関係のない物が入っているとその収納スペース自体を「自分の物」と思えず、大切にしなくなります。子どもにいま必要のない物は、天袋やロフトなど手の届きにくい場所へ移動しましょう。」
自立を育むポイント3:子どもが片付けやすい環境を作る
「使った物を元に戻す気になるかが、子どもが片付けできるかどうかを決めると言っても過言ではありません。パンパンに詰まった引き出し、必要以上に細かく仕切られた引き出しでは元に戻すのが面倒になり長続きしません。ワンアクションで出し入れできる収納スペース&大ざっぱな分類でも収納できるようにしましょう。」
そこで、子どもが片付けしやすい収納のポイントと、親の関わり方の注意点を、収納する物の種類別に教えてもらいました。
子どもが片付けしやすい!種類別収納スペースの作り方

おもちゃ・絵本スペース
- プラスチックの大きな引き出しや棚(カラーボックスなど)にカゴや箱を並べて収納。カゴや箱はフタのない物、形はなるべく四角い物、材質はプラスチックやしっかりした布製の物を
- 分類は大ざっぱに(収納例:乗り物系、おままごと系、ゲーム系など)
- 絵本はA4対応のカラーボックスや本棚へ(横積みにしない)
★親の関わり方の注意点★
収納場所からワンアクションで取り出せるようにしましょう。おもちゃの分類はあくまで大ざっぱで!
洋服スペース
- 引き出しは高さ20cm前後のものを用意(深すぎても浅すぎても取り出しづらい)
- 引き出しは最低でも5段準備し、種類別に収納を(収納例→1:Tシャツ類、2:パンツ類、3:トレーナー類、4:靴下・タオル類、5:学校用衣類)
- ハンガースペースは子どもの手の届く高さに調整
★親の関わり方の注意点★
大人は「きれいに畳んで収納する」ことではなく、「適当に丸めてでも引き出しに放り込む」ことを目標にしてください。
学習スペース
- A4サイズの教科書などが立てられるスペースを準備(A4対応のカラーボックスなど)
- プリント類は、クリアファイル+ファイルボックスで、立てて収納(ポケットタイプは出し入れしづらいのでNG)
★親の関わり方の注意点★
プリント・テスト類は科目別でなくてもよいので、とにかくファイルボックスに放り込むことが大切。時間のあるときに科目ごとに入れ直すよう促せば十分です。
このようなポイントを踏まえて、子どもが片付けしやすい環境を作ってあげたあとで、「テストは国語も算数も一緒でいいから、このファイルに入れてね」など、具体的な収納方法を教えてあげれば、子どもも段々と片付けのやり方がわかってくるそう。
では、片付けを継続させるためにはどうすればいいのでしょうか?
キレイをキープするために、親ができること
片付けを継続させるために一番大切なのは、子どものやる気を保つことだそう。
「お片付けができるキレイ好きママの中には、自分と同じ細かな片付け法を子どもに強いてしまうことがありますが、レベルが高すぎると、子どもがついていけなくて、やる気をなくしてしまいます。几帳面に整理整頓する必要はありません。」
「大ざっぱでも良いので、まずは『使ったものを元の場所に戻す』ことができればOKです。片付けた結果が自分が求めたレベルの30%、40%だったとしても、片付けようとしたことを褒めてあげてください。」
子どもが片付けをしてくれないときは?
環境を整えて片付け方を教えても、子どもが自分から片付けをしてくれない場合はどうすればいいのでしょうか?
「同じことを伝えるにも、言い方ひとつで子どものやる気が大きく変わります。『ハサミをしまいなさい!』ではなく、『○○ちゃん、ハサミはどこに戻せばいいかな?』など、一緒に考えてあげるように伝えると、やる気を損なわずに片付けをうながすことができます。」
「親子で話し合って、片付けのルールを決めるのも良いですね。たとえば、『床に出しっぱなしにしたまま寝ない』というルールを作ります。多少分類を無視して引き出しやカゴに放り込むのでもいい、とにかく出しっぱなしにしなければOKにしてあげてください。あとは、お友達が遊びに来るときや親に時間があるときに、また大ざっぱな分類に修正してあげるので十分です。」
「片付けに限らず、育児や家事は作戦を練って楽しむのがオススメです。どうしたら片付けてくれるか、どうしたらルールを守るのかを、子どもの目線で考えてみましょう。ちょっとした工夫で、親子で片付けを楽しめるようになりますよ。」
子どもを片付け上手にするかどうかは、まず親がお手本になることです。その上で子どもが片付けしやすい環境を作りにトライしてみてはいかがでしょうか。