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「子どもの受動喫煙防止条例」4月施行へ 親の喫煙率&実態調査

掲載日: 2018年3月5日更新日: 2018年3月13日竹下沙弥香

2018年4月1日から「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が施行予定です。そこで、今回はパパママの喫煙実態&条例の認知度について、全国の「いこーよ」ユーザー346人にアンケートで聞きました!

「受動喫煙」は子どもにさまざまな健康被害を引き起こす

タバコの煙が人体に悪影響を与えることはよく知られていますが、「自分はタバコを吸わないから関係ない」と思っているパパママも多いのではないでしょうか。ですが、タバコを吸わない場合でも「受動喫煙(他人のたばこの煙にさらされること)」により生命や健康に悪影響を及ぼすことが科学的に証明されています

「国立がんセンター」の調査によると、受動喫煙による肺がんと虚血性心疾患によって年間6,800人もの人が亡くなっているそう。また、受動喫煙により病気のリスクは上がり、タバコの煙を吸わなかった場合と比べて肺がんで1.2〜1.3倍、虚血性心疾患1.25〜1.3倍もかかりやすくなるというデータもあります。

特に子どもへの影響は大きく、受動喫煙が呼吸器疾患や中耳炎、乳幼児突然死症候群などさまざまな悪影響を引き起こすことがわかっています。

4月1日施行「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」の内容とは?

こうした背景のもと、子どもの受動喫煙からの保護を目的として、4月1日に「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が施行されます

この条例のポイントは「保護者は、家庭等において、子どもの受動喫煙防止に努めなければならない(第六条)」など、子どもの家庭内外での受動喫煙について保護者の努力義務規定が定められていること。また、「子どもと同室の空間」や「子どもが同乗している自動車内」のほか、学校や公園、小児科など喫煙を控えるべき場所が具体的に明記されているのも特徴です。

実際に家庭で喫煙しているパパママがどのくらいいるのか、また条例施行を知っているかどうかも聞いてみました。


パパの約3割&ママの約1割が喫煙 条例の認知度は低め

子育て中のパパママにタバコを吸うかどうか聞いたところ、現在吸っていると答えた人は約14%。男性の保護者は3割以上が喫煙者であるのに対し、女性の保護者は約1割と、男女で大きな違いが見られました。

条例の認知度は25% 喫煙者は条例に困惑も…

「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」について知っているかどうかを質問したところ、知っていたと回答した割合は全国平均で25%、東京都内居住者で32%と、条例施行前ということもあり、認知度はまだまだ低いよう。

続いて、この条例施行に賛成か反対かを質問したところ、タバコを吸わない人たちの賛成割合は8割超と高いのに対して、喫煙者の賛成割合は5割を下回る結果となりました。反対割合が高いわけではなく、喫煙者では「どちらともいえない」と回答した人が多かったためで、喫煙者としては反対だが子どものためには賛成という意見が目立ちました。

どちらともいえないという喫煙者の理由

  • さすがに子どもの前では吸わないけれど、家庭内でも吸えないってなると楽しみのタバコが制限されてやっぱり困るから(2歳女の子のパパ)
  • 吸う立場からしたら嫌だし、子どものことを考えると賛成だから(4歳男の子のパパ)
  • 吸う側も配慮、マナーを守ればいいと思う。逆に禁煙してストレスがたまることも(2歳女の子のパパ)

すでに子どもの受動喫煙対策をしている親が9割超!

喫煙者に子どもの受動喫煙に配慮をしているか聞いたところ、9割超が何らかの配慮をしていると回答しており、喫煙者として「条例で制限されること」への困惑はあるものの、子どもの受動喫煙を防止する重要性は認識している親が多いようです。

喫煙中のパパママがしている子どもの受動喫煙防止策

  • 換気扇の真下で吸う(8歳男の子のママ)
  • 屋外や換気扇の下で吸ったり、加熱式たばこに移行している(5歳女の子・12歳男の子のパパ)
  • 外で吸ってます。そして、吸った後は、とうぶん家に入らないで煙草の匂いがなくなってから入ります(3歳男の子のママ)

また、今回の条例では受動喫煙への防止策が講じられていない施設に子どもを連れて行かないことも明記されています。特に受動喫煙のリスクが高いと思われる飲食店の分煙対策について、非喫煙者・喫煙者それぞれに聞いてみました。


「分煙していても煙が来る」飲食店の分煙効果に不満も

飲食店の分煙対策における満足度を聞いたところ、不満と答えた人が3割以上いました。

これまでの喫煙経験別のグループにわけて比較したところ、「やや不満」と「大変不満」を合わせた不満を感じる割合が一番高かったのは「以前吸っていたが完全にやめた」グループでした。一方、不満を感じる割合が一番低かったのは「禁煙中」のグループでした。

具体的に不満に感じるポイントを聞いたところ、全グループ共通で見られたのが、「分煙していても煙が来る」など、完全に分煙できていないという意見でした。

飲食店の分煙対策で不満に感じるポイント

▼吸ったことがない
・分煙でもタバコの煙がくるから嫌です。なので完全全席禁煙の店に行きます(3歳女の子・5歳女の子のママ)

▼以前吸っていたが完全にやめた
・見た目だけ分離してますよって感じで全然換気が追いついていないことが多いので(0歳女の子のママ)

▼禁煙中
・分煙と言っても、完全では無いので煙がこっちに来る(7歳男の子・9歳男の子のママ)

▼喫煙者(現在吸っている)
・禁煙席と喫煙席に仕切りがあるが空調で空気が循環しているのであまり効果なさそう(0歳男の子・3歳女の子・8歳女の子のパパ)

「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」では、喫煙者に努力義務を定める一方で、「都は、都民、区市町村及び関係機関等と連携し、及び協力して、子どもの受動喫煙の防止に関する必要な施策を推進するための体制を整備するものとする(第五条)」との記載もあり、都が管理する施設を中心に禁煙・分煙が進んでいくと思われます。

こうした動きを受けて、東京都に限らず社会全体の動きとして、さまざまな場所で受動喫煙対策が進んでいくといいですね。

ライター紹介

竹下沙弥香

ダイビング雑誌編集や、某大手通信会社のWEBマガジン編集を経て、ひょんなことから「いこーよ」編集部にジョイン。プライベートでは、3歳&7歳の娘の母。「思い立ったら即行動」がモットーで、猪突猛進どこまでも突っ走る、元気だけが取り柄の熱いヤツ☆  Don't worry!Be HAPPY. IT'S MY LIFE!!

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