もうすぐ今年も終わり。年末には、家中の汚れを大掃除できれいにしたいですよね。そこで今年の大掃除は、子どもたちと一緒に楽しんでみるのはどうでしょう? 子どもと楽しく大掃除をするコツを、All About「家事」ガイド江口恵子さんに伺いました。
子どもと一緒に大掃除するメリットは?

何かと忙しい年末。お手伝いもしてほしいところですが、掃除は子どもに頼むと思うようにいかないことが多いですよね。自分でやったほうがはかどりそうだ、と思う人も多いのではないでしょうか。しかし、「大掃除こそ子どもと一緒にやってほしい」と江口さんは言います。
「一緒に掃除をすることで、子どもはいろいろな掃除のやり方を覚えることができます。そのきっかけになるのが、年に一度の『大掃除』というわけです。普段の生活では一緒に掃除をする機会がなかなかありませんが、大掃除をイベント的に盛り上げてみると、子どもも喜んで参加してくれると思いますよ。」
日常生活の中でも、炊事洗濯に比べて掃除はついつい後回しになってしまうもの。また、子どもがいない間にサッと済ませたいという気持ちから、掃除をする姿を子どもに見せることも少ないかもしれませんね。
「大掃除」は家族みんなで楽しく
「日常の掃除は、時間に追われて余裕も失われがちです。『今日は一日掃除しかしない』と決めて大掃除をすることで、親も子もゆったりとした気持ちで楽しみながら取り組めると思います。いつもひとりで掃除をするのは寂しくないですか? せっかくの大掃除、家族みんなで一緒に楽しんでやってみましょう。」
みんなで暮らす大切な家ですから、家族みんなで日頃の感謝を込めて大掃除をしたいですよね。家がピカピカになれば、新年もより気持ちよく迎えられるはず。では、子どもが喜んで大掃除に参加したくなるような工夫とは、どのようなものなのでしょうか。
子どもが積極的に参加したくなるような工夫とは?
大切なのは「イベント感」なので、大掃除だけをする、という「大掃除の日」を作りましょう。カレンダーに大きく印をつけるのもいいですね。そして、その日に向けて子どもも一緒に準備をしていくことで、ワクワクした気分を盛り上げていきます。

「まずは子ども専用のエプロンや三角巾、掃除道具などを揃えていきます。道具は100円ショップにもありますので、ぜひお子さんを連れて買い物に出かけてください。実際に、自分で道具を選ばせるのがポイントですよ。」
年齢や体格に合わせて、持ちやすく使いやすい道具を選ぶことが大切だそう。自分にぴったりの道具を持つことで、掃除もしやすくなるためやる気も出ます。
「次に、事前に打ち合わせをします。家族みんなで担当を決めたり、道具の使い方や意味を説明したり、掃除する順番を決めたりと、当日に向けて準備を整えていきましょう。どうしたら子どもが興味を持つのか、大人側もしっかりと考えておくことが必要ですね。」
指摘するのではなく上手にできたことを褒めよう
そして大掃除当日は、なるべく細かく指示を出すことも大切だといいます。
「掃除の経験がない子どもは、当たり前のことを知りません。例えば、テーブルと床を拭くものが違うことや、ほこりを取り除いてから拭き掃除をすることなど、しっかりと教えてあげましょう。間違っていることを指摘するのではなく、上手にできたことをオーバーアクションで喜んであげると、子どものやる気もアップしますよ。」
子どもは目に見える変化を楽しむので、掃除をしてきれいになることを経験すると達成感を味わうことができます。そして掃除は面倒なものではなく、きれいになって嬉しいものだという感覚が身に付きます。
思わず飛びつく!大掃除が楽しくなる道具
ここで、江口さんおすすめの掃除道具をご紹介します。
窓拭きには「スクイージー」
掃除とは違う感覚が味わえるのか、子どもが夢中になる秘密の道具。車のワイパーのような形をしている窓拭き用の水切りワイパーです。一度使えば、次からは言わなくても進んでやってくれるように。
雑巾は「マイクロファイバー」
軽くて子どもでも絞りやすく、ふき取ったあとの汚れも水洗いですぐに落ちるので扱いやすいです。色もたくさんあり、選ぶ楽しみもあります。
細かいところは「歯ブラシ」
使い古しの歯ブラシがあれば、細かいところの汚れを落とすのに便利。子ども目線で汚れを発見してくれることもあり、集中して取り組んでくれます。
大掃除で子どもの意外な一面を発見!?

一緒に掃除をすると、子どもが掃除のやり方を覚える以外にも、思わぬメリットがあるそうです。
「掃除中は、いつもと違う子どもの姿を見ることができます。例えば、ひとつのところを念入りに磨いたり、細かいところのゴミを見つけてきれいにしたり。じつはこんなことが得意だったのか、こんなに集中力があったのか、など違った一面を見つけることができて楽しいですよ。」
今まで知らなかった子どもの意外な能力を発見できるので、その後の子育てにも活かすことができるというわけですね。「うちの子にはちょっと無理かな?向いてないかな?」と思っていたことが、じつは得意分野だった! と気付くことで、毎日の育児のヒントになるかもしれませんね。
準備次第で子どもの喜びが倍増する
「子育てはサービス業」と江口さんは言います。いかに子どもを喜ばせるのか、楽しませるのかが大切で、親は常に3歩先のことを考えて進むことが必要なのだそうです。大掃除を通して、子どもが掃除のやり方を覚え、楽しさを知り、今後すすんで掃除をしてくれるようになれば、それはとてもよいことですよね。
今年から、家族みんなで大掃除を楽しんでみてはいかがですか。今後の子育てにも役に立つ、意外な収穫があるかもしれませんよ!
★この記事のポイント★
- 親子で実行することで、掃除のやり方を覚えるきっかけに。
- 『大掃除』は特別な日という「イベント感」が大事。
- 子ども自身で掃除道具を選ばせたり、飛びつく道具を用意する。
- 掃除を通して、子どもの違った一面や能力が発見できる。
- 「子育てはサービス業」なので、喜ばせるために事前の準備を。