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協調性も創造性も! 砂場遊びは子どもの学びの宝庫

掲載日: 2015年2月23日更新日: 2017年5月16日近藤 浩己
手で穴を掘ったり、友達と力を合わせて山を作ったり。大人の目から見ると、砂場遊びはただの遊びに見えますが、実は、遊びながら想像力や創造性、社会性が養われる「青空の下の小さな学校」。子どもが砂場で学べることって、何でしょう?そして、親はどう関われば?

年齢によって、様々なことを砂場で学べる!

砂場遊びをしている子どもたちはみんな楽しそう。泥んこになりながら、手や道具を使って夢中で遊びます。一体、ほかの遊びと何が違うのでしょうか。

「砂場ほど、子どもの発達を促してくれる遊び場はありません」。そう話すのは、20年にわたり砂遊びを研究している同志社女子大学の笠間浩幸教授。発達段階によって、子ども達は様々な力を砂場で身につけることができると言います。

【0歳期】体中の感覚がぐんぐん育つ

笠間教授によると、砂場遊びは、ハイハイ、ヨチヨチ歩きの0歳児から始めてOKだと言います。
「0歳児は、柔らかい砂の上ではうまく前に進めない。手足を使いながら、どうすれば思い通りに体が進むのか、感覚で覚えていくのです」。砂の質感や温度を体感するだけでも、感覚がぐんぐん育っていくそうです。

【1歳児】道具の使い方を学習

「1歳を過ぎたころから、子どもの興味は「モノ」に向かいます。最初は使い方が分からなかったスコップも、ふと気づけば、砂をすくいやすい持ち方を自分で工夫していたりします。砂場は、「モノ」を道具として扱うことを学ぶ最適のステージなんです」。
大人の真似をしながら「どうしてそうなるの?」と疑問を抱くのもこのころ。親が砂を入れたカップをひっくり返して、砂の型抜きを見せてあげれば、子どもはどうすれば同じことができるのか、試行錯誤を繰り返し、自分の力でできるようになっていきます。

【幼児期】協調性や思いやりも覚える

「年齢が進むにつれて、学びはさらに広がっていきます。2歳児になると、砂を山や川に見立てて遊び始めることで、想像力や創造性が育ちます」。
さらに、遊びを通じたコミュニケーションも高まるとか。「自分より小さな子どもに道具の使い方を教えてあげたり、お手本を見せてあげたり。『ごっこ遊び』を通して、ほかの子との会話もどんどん増えていきます」。
何かを一緒に作って喜びを分かち合う体験や、自分が満足のいくものを作り上げる達成感も生まれるのだそう。そうやって、他人への気づかいや思いやり、自信(自己肯定感)を身につけていくんですね!

親が注意すべきこと、守りたいマナーは?

では、親はどのように関わるのが良いのでしょうか。また、注意点やマナーもお聞きしました。

親は一緒に砂場に入って一緒に遊びましょう

子どもは、親と目が合う距離にいると安心するので、できるだけ砂場にいっしょに入り、手を差しのべられる距離にいてあげることが大切なんだそう。
「また、できたことは認めてあげて、できないことは見守りつつ手伝ってあげてください。親がそばにいるからこそ、子どもはいろんなことに挑戦ができるんです」。
子どもは遊びの天才。大人にとっては何でもないプリンのカップやしゃもじも、素敵なおもちゃに生まれ変わります。「大人の価値観で道具を選ばず、あらゆる物で遊ぶきっかけを与えてあげてほしいですね」。

子どもが触れると危険なものが無いかをチェック!

衛生面については、それほど神経質にならなくても良さそう。砂の中の雑菌は、流水ですすぐだけで十分に洗い流せるそうです。ただし気をつけたいのは、ガラスの破片やタバコの吸い殻、動物のフンなど、子どもが触れると危険なもの。そうしたものが砂場に落ちていないか、大人の目でチェックしてあげましょう。
また、子どもだけでなく、親も汚れていい服装で。「汚れるからという理由で、子どもの自由な遊びを妨げるのはもったいないですからね」。

親の行動から子ども達はマナーやルールを学びます

遊び終わったら、後から来るお友達のために、山や穴は少しならしておくのがマナー。使った道具は片付け、シートがあるならかけて帰りましょう。親のそうした行動を見て、子どもは社会のルールを覚えていきます。

犬や猫を砂場に入れないなど、大人が協力して安全な遊び環境を作ることも大切。地域で力を合わせて、子どもたちの学びの宝庫を守ってあげたいですね。

参考書籍
「砂場」と子ども

お話を聞いたのは…

  • 笠間浩幸教授

    同志社女子大学 現代社会学部 現代こども学科教授。「砂場と子ども」について20年以上にわたって研究を続けている。「<砂場>と子ども」「保育者論」など著書多数。

ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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