春休みやGW・夏休みなど、長期連休で家族旅行を考えている人は多いはず。遠方や海外に行く際に気になるのが、飛行機の「子ども運賃」。国際線と国内線での条件の違いや、一般航空会社とLCCの違い、幼児と小児の違いなど、知っておきたい情報をまとめて紹介しています。今回は総合情報サイト「All About」の「旅行」ガイドとしても活躍中の古屋江美子さんに解説してもらいました。
新幹線の子ども指定席は無料or有料?子どもの運賃無料は何歳まで?

飛行機の子ども運賃は、年齢や座席の使用の有無、国際線か国内線かによっても異なります。まず知っておきたいのが、「幼児と小児」で料金が変わること。日本航空(JAL)や全日空(ANA)などの一般航空会社では、年齢による幼児と小児の区別を次の通りとしています。

国内線と国際線では、幼児と小児の年齢が1歳違うことに注意しましょう。では、幼児と小児では「運賃」にどのような違いがあるのでしょうか? まずは、国内線について聞いてみました。
国内線の場合
「幼児はひざに乗せることができ、その場合の運賃は無料。航空券も不要です。ただし、飛行機は1フライトあたりの幼児の人数に制限があるので、ひざに乗せる場合でも予約は必要です」
「また、幼児でも座席を使用する場合は、大人運賃の50%がかかります。小児は必ず座席を使用する必要があり、こちらも大人の50%です」
幼児はひざに乗せれば無料。座席を使用した場合は、幼児も小児も大人の半額なんですね。
では、LCCも同じルールでしょうか。
「LCCでは、国内線・国際線を問わず、幼児は2歳未満まで、小児は満2歳以上から12歳未満までとなります。航空会社によっては幼児をひざに乗せても小額料金がかかり、座席を確保した場合は、幼児も小児も大人と同額の運賃が適用されます」
一般航空会社とLCCではルールが異なるようです。また、同伴できる幼児の人数についても、航空会社によって違いがあるそう。
「多くの航空会社では、大人1名につき幼児2名まで同伴できますが、必ず幼児1人分は運賃を払って座席を確保しなければなりません。現実的に考えても、2人を膝に乗せるのは不可能ですよね。LCCでは、大人1名につき幼児1名の会社もあります。必ず確認してください」
明快な大人料金に比べて、かなりややこしい子ども料金。各社の違いがひと目でわかるように、一般航空会社と主なLCCの料金表をまとめました!
<国内線 幼児料金>

<国内線 小児料金>

なお、幼児が座席に座る場合は、一般的にチャイルドシートが必要です。貸し出しをしている航空会社もありますが、自分で持ち込むところがほとんど。持ち込めるチャイルドシートの種類にも制限があるそうなので、予約する前に必ず確認しましょう。
国際線の場合
海外へ飛ぶ国際線は、国内線と比べて長距離・長時間のフライトが基本。そのため、国内線とは異なるルールが適用されます。
「幼児をひざに乗せる場合は、大人運賃の10%がかかります。座席を使用する場合の運賃は、幼児も小児も大人の75%の金額になります」
国際線は、国内線に比べて子ども運賃が割高になるようです。さらに、国内線と同じく、国際線でも一般航空会社とLCCでは条件が異なります。日本発着便の国際線については、以下の料金表を参考にしてください。
<国際線 幼児料金>

<国際線 小児料金>

上の料金表の通り、LCCでは幼児をひざに乗せると子ども運賃が無料や格安になる航空会社もあります。ただし、子どもをひざに乗せたまま長時間を過ごすのは、パパママにとっても大きな負担。体とお財布のどちらを優先するのかは、フライト時間で決めてもよさそうですね。
基本的に、国内線・国際線ともに、小児料金と割引サービス利用時の料金を比較し、安価な運賃が自動的に適用されます。詳しくは、各航空会社の公式サイトでご確認ください。
子連れフライトで知っておきたい5つのポイント!

食事、授乳、トイレ、ぐずり対策など、初めて子どもと飛行機に乗るパパママは、疑問や不安でいっぱい。そこで古屋さんに、知っておくべきことや、機内で快適に過ごすためのポイントを伺いました!
ポイント1:国際線では、子どもの食事を予約できる
「国際線では、事前に子ども用の食事を予約できます。日本の航空会社では、0〜8カ月を目安にベビーミール(離乳食)、9ヵ月〜2歳を目安にチャイルドミール(幼児食)を用意しています。ベビーミールはおおむね瓶詰のものが提供され、チャイルドミールは温かいお食事とバナナなどの果物、菓子類を組み合わせたものが一般的です」
アレルギーや食事制限が必要な子ども向けの食事も事前にリクエストすれば対応してくれることが多いそうです。
ポイント2:バシネットを取り付けられる席なら親も楽ちん
「フライト時間が長い国際線では、ぜひバシネット(ベビーベッド)が取り付けられる席を予約しましょう。慣れないベッドだと寝てくれない子もいますが、席は最前列なので、足元も広々。追加料金もかかりませんし、ずっとひざに乗せておく必要もないので快適です」
バシネットを設置できる席は数が限られ、身長・体重による制限もあります。航空会社に条件を問い合わせて、希望する場合は早めに予約しましょう。
ポイント3:授乳は座席で、オムツ交換はトイレで
「機内での授乳は席で行うことになります。授乳ケープなど、目隠しになるものを準備してください。なければ毛布を借りてもいいですね。オムツ交換はトイレを利用します。便によってはオムツ交換台がないこともあるので、事前に確認しましょう」
授乳もオムツ交換も搭乗前に済ませておくのが基本。ミルクの場合は粉ミルクと哺乳瓶を持参し、客室乗務員に頼めばつくってくれるそうです。
ポイント4:ベビーカーは機内に持ち込めない
「国内線の場合、基本的にベビーカーは受託手荷物としてカウンターで預けます。チェックインから搭乗ゲートまでは、空港で借りられるベビーカーを利用しましょう。ただし、台数に限りがあります。国際線は航空会社や空港によって対応が変わりますので、事前に確認してください」
最近は、手荷物許容範囲内に折りたためるベビーカーも増えてきました。頻繁に飛行機を利用するなら、用意しておいてもいいですね。
ポイント5:ぐずり対策を考えておく
「ミニカーや人形など、1人遊びができる小さなオモチャを用意しておきましょう。窓の外を見せるのも、気分転換になります。日本の航空会社は、オモチャのプレゼントや、絵本や赤ちゃん用毛布の貸し出しなども行っていますので、機内の子ども向けサービスを利用するのもおすすめです」
「また、離発着するときに、気圧の変化で大泣きしてしまうお子さんをよく見かけます。そんなときは、耳抜き対策としてお茶などを飲ませるのもおすすめ。ただし、ストローマグは上空で急にあけると気圧の関係で飛び出すので、注意してください」
ちなみに、抱っこひもは離発着時にも使える航空会社が多いそうです。小さな子どもがいる場合は、ぜひ用意しておきましょう。
そして最後に、古屋さんはこんな心構えを教えてくれました。
「小さな子ども連れだと、親もシビアに考えがち。ですが、そんな緊張感は必ず子どもにも伝わります。まずは親がリラックスして、心から空の旅を楽しむことを心がけましょう!」
飛行機を選択肢に入れれば、電車やバスに比べて旅行の行き先が大幅に増えます。基本的には、子連れにもフレンドリーな航空会社が多いそうなので、子ども運賃が適用されるうちに、できるだけ多くの場所へ子どもを連れて行き、いろいろな経験をさせてみてはいかがでしょうか?