この夏、赤ちゃんを連れて初の飛行機にチャレンジ!と考えている人もいることでしょう。とはいえオムツ替え、授乳、ぐずり、泣き…不安要素も多いですよね。JALやANAなど各航空会社では今、赤ちゃん連れ親子に向けたサポートサービスが充実しています。その最新情報に加え、赤ちゃんと機内で快適に過ごすコツもご紹介します。
赤ちゃん連れの飛行機移動についてアドバイスいただいたのは、旅行ジャーナリストの村田和子さん。まず航空券を予約する際、考慮するポイントは3つあると言います。
JALやANAでは、インターネット上では並びの席がなくても、サポートセンターに電話すると優先的に家族で並びの席を確保してくれたりします。ただし、「一番前の席」「一番後ろの席」といった座席希望のある場合、ネット上で埋まっていたら融通してもらうことは難しいでしょう。子連れに限らず、何か要望・質問があれば、念のためチェックイン手続き前にカウンターで確認してみましょう。
チャイルドシートは、2歳未満の幼児が小児運賃を支払い、ひとりで席に座る場合に必要になります。大人一人に対して幼児は二人まで搭乗できますが、膝上は一人だけ、あるいは妊娠中は膝上に子どもを乗せて搭乗できません。そういった場合に、チャイルドシートを持参しなくてもいいのはありがたいですね。
そして、 赤ちゃん連れへの最大・最強のサービスと言えるのが、客室乗務員のサポート。ママがトイレに立つ際に赤ちゃんを抱っこしていてくれる、赤ちゃんが泣いている時に声を掛けてくれるなど心強い味方になってくれます。
また 客室乗務員にお願いすれば、ミルクの調乳もしてくれます。あくまで緊急用ですが、オムツやミルクの替えも用意されているそう。困った時には一人で悩まず、客室乗務員の手を借りる勇気を持ちたいですね。
国際線で簡易ベッドの役割をするバシネットについては、「人気がありますが、荷物が足元に置けないデメリットもあります。またバシネットでは寝ないお子さんもいます」と村田さん。
バシネットで寝ない子どもの場合、皆さんどうしているのでしょうか。
「普通の席と同じく、親が抱っこして寝かしつける、抱っこしたまま寝るしかないですね。なので、あらかじめバシネットは期待せず、座席の広いビジネスなどをお金に余裕のある方は利用するケースもあります。」
サポートサービスをどう利用するかは、それぞれの家庭次第。一度経験してみて、それが二度目以降に生かされるということなのでしょう。
「クラスJは、足元が広くレッグレストがあり、赤ちゃんを抱っこしていても快適、それでいて追加料金は1000円ということで人気があります。ただビジネスパーソンの利用も多く、お互いに気を遣うことも。その点、この優先席は、 赤ちゃん連れ、もしくはそれを承知で搭乗している方が周りにいるので安心です」
先に触れたLCCですが、 ピーチ航空は、「スペースシートオプション」という座席サービスを設けており、これは赤ちゃん連れでも利用勝手がいいようです。国際線ではプラス3000円、国内線はプラス2000円で、座席に余裕がある場合、隣(あるいは両隣)の座席を確保できます。
赤ちゃんの飛行機デビューには、より安心度の高いこれらのサービスを検討してもよさそうですね。
「機内の温度は24℃前後に保たれていますが、高度の変化や天候、乾燥など不快を訴えることもあります。 ゆったりした服装をさせ、着替えも忘れずに。耳が痛くなった時は、ミルクを飲ませたりアメをなめさせたりして耳抜きできるようにしましょう」
また周囲の人たちへの配慮も、ひいては自分自身をラクにするポイントです。
「授乳の際は、スカーフやケープなどの目隠しを用意しましょう。使用済みのオムツは、ビニールに入れて封をしてトイレのごみ箱へ捨てればOK。 離陸前に周囲の人に、『ご迷惑おかけするかもしれませんが…』とひと声かけておくとよいでしょう」
「 言葉が理解できるようになる1歳〜2歳の子どもには、『静かにしていようね』と本人に直接話しかけるのがポイント。“お約束”は子どもにも伝わりやすいですし、周囲の人もきっと温かい目で見てくれることでしょう」
子育ては、万全に準備したつもりでもハプニングがつきもの。人の手も借りながらベストを尽くす、そんな気持ちで赤ちゃんとの旅を楽しみたいですね。
飛行機のチケット予約の際は、ここを確認しよう
赤ちゃん連れに快適な航空会社とは?

1.どの航空会社を選ぶか
「 赤ちゃん連れには、JAL(日本航空)やANA(全日空)などフルサービスエアラインのほうが安心です」と話す村田さん。「赤ちゃん連れだとミルクやぐずった時などに客室乗務員の方に助けていただくことが多くあります。基本的にLCC(格安航空会社)はサービスを省いて運賃を格安にしていることをお忘れなく。また国際線では外国の航空会社を選ばれる方もいますが、ホスピタリティにおいてはやはり日系の航空会社が群を抜いています。」2.どの時間帯のフライトを選ぶか
「 赤ちゃんの生活リズムに合わせて」と村田さん。「フライトの時間をお昼寝にあてるなど皆さん工夫されていますが、意外と家から空港までの移動時間を考慮に入れていないことも。電車で移動する場合はラッシュアワーを避けるなどしてスケジュールを組んでみてください。」3.どの位置の座席にするか
「赤ちゃんがぐずっても気分転換できる席がよいでしょう。 立ち歩きしやすい通路側の席、1歳〜2歳からの子どもなら窓の景色を楽しめる窓際の席など、状況に応じて選びましょう。また揺れにくいのは機体の中央部分の座席。また、前方の座席は乗降の際、機内での移動が短いのでオススメです。」(村田さん)。JALやANAでは、インターネット上では並びの席がなくても、サポートセンターに電話すると優先的に家族で並びの席を確保してくれたりします。ただし、「一番前の席」「一番後ろの席」といった座席希望のある場合、ネット上で埋まっていたら融通してもらうことは難しいでしょう。子連れに限らず、何か要望・質問があれば、念のためチェックイン手続き前にカウンターで確認してみましょう。
充実!航空会社のサポートサービス
客室乗務員はママの強い味方
上記の座席指定サービスに加えて、JALやANAの赤ちゃん連れに向けたサポートサービスには以下のようなものがあります。
*国際線・国内線共通
子連れの場合に他の乗客より先に飛行機に乗れる優先搭乗サービスについて、村田さんは、「私自身は子どもが小さい頃、フライト時間が長い時は優先搭乗を利用していましたが、フライト時間が短い時は優先搭乗を利用せずに後から搭乗して機内にいる時間を少なくしていました。」とのこと。フライト時間が長い時は、
機内が混み合う前に搭乗し、長いフライトに備えて荷物の整理など身支度を整えていたそう。 - 空港移動用のベビーカーの貸し出し
- 優先搭乗
- おもちゃの配布
- 荷物と一緒にあずけたベビーカーを優先的に出してくれる
- チャイルドシートの貸し出し・設置(JAL)
- 羽田空港第2旅客ターミナルの電動カートサービス(ANA)
チャイルドシートは、2歳未満の幼児が小児運賃を支払い、ひとりで席に座る場合に必要になります。大人一人に対して幼児は二人まで搭乗できますが、膝上は一人だけ、あるいは妊娠中は膝上に子どもを乗せて搭乗できません。そういった場合に、チャイルドシートを持参しなくてもいいのはありがたいですね。
そして、 赤ちゃん連れへの最大・最強のサービスと言えるのが、客室乗務員のサポート。ママがトイレに立つ際に赤ちゃんを抱っこしていてくれる、赤ちゃんが泣いている時に声を掛けてくれるなど心強い味方になってくれます。
*国際線
JALやANAの国際線では、子ども向けの機内食のサービスがあります。
「これらは
航空券を予約する際に伝えておきましょう。小児運賃で搭乗しても自動的に子ども向けのメニューにはなりません。アレルギー対応も事前にサポートセンターに電話して相談を」JALやANAの国際線では、子ども向けの機内食のサービスがあります。
- ベビーミール(離乳食)…生後8か月まで
- ベビーミール(幼児食)…生後9ヵ月以上2歳未満
- チャイルドミール…2歳以上12歳未満

離乳食(写真提供/JAL)

幼児食(写真提供/JAL)
また 客室乗務員にお願いすれば、ミルクの調乳もしてくれます。あくまで緊急用ですが、オムツやミルクの替えも用意されているそう。困った時には一人で悩まず、客室乗務員の手を借りる勇気を持ちたいですね。
国際線で簡易ベッドの役割をするバシネットについては、「人気がありますが、荷物が足元に置けないデメリットもあります。またバシネットでは寝ないお子さんもいます」と村田さん。
バシネットで寝ない子どもの場合、皆さんどうしているのでしょうか。
「普通の席と同じく、親が抱っこして寝かしつける、抱っこしたまま寝るしかないですね。なので、あらかじめバシネットは期待せず、座席の広いビジネスなどをお金に余裕のある方は利用するケースもあります。」
サポートサービスをどう利用するかは、それぞれの家庭次第。一度経験してみて、それが二度目以降に生かされるということなのでしょう。
子連れしか乗っていない飛行機!?
赤ちゃん連れにうれしい、より手厚いサポートサービスもあります。JALが国内線で設置したのが、 「クラスJ」の3歳未満の子ども連れを対象とした優先席。クラスJはファーストクラスと普通席の中間に位置し、クラスJ後方部の数席がその優先席に当たります。「クラスJは、足元が広くレッグレストがあり、赤ちゃんを抱っこしていても快適、それでいて追加料金は1000円ということで人気があります。ただビジネスパーソンの利用も多く、お互いに気を遣うことも。その点、この優先席は、 赤ちゃん連れ、もしくはそれを承知で搭乗している方が周りにいるので安心です」

クラスJの座席(写真提供/JAL)
さらに
JALパックでは、12歳未満の子ども連れ家族を対象とした「ファミリージェット」も運航。毎年夏、ハワイ行きの一便のみですが、「子ども連れしか乗っていないので、なんといっても気楽。お互い様、なのが魅力です」と村田さん。ちなみに今年2015年は8月7日出発です。先に触れたLCCですが、 ピーチ航空は、「スペースシートオプション」という座席サービスを設けており、これは赤ちゃん連れでも利用勝手がいいようです。国際線ではプラス3000円、国内線はプラス2000円で、座席に余裕がある場合、隣(あるいは両隣)の座席を確保できます。
赤ちゃんの飛行機デビューには、より安心度の高いこれらのサービスを検討してもよさそうですね。
赤ちゃんとの飛行機が楽しくなるコツ
周囲への気配りを忘れずに
最後に、赤ちゃんと快適に過ごすための心得を村田さんにお聞きしました。「機内の温度は24℃前後に保たれていますが、高度の変化や天候、乾燥など不快を訴えることもあります。 ゆったりした服装をさせ、着替えも忘れずに。耳が痛くなった時は、ミルクを飲ませたりアメをなめさせたりして耳抜きできるようにしましょう」
また周囲の人たちへの配慮も、ひいては自分自身をラクにするポイントです。
「授乳の際は、スカーフやケープなどの目隠しを用意しましょう。使用済みのオムツは、ビニールに入れて封をしてトイレのごみ箱へ捨てればOK。 離陸前に周囲の人に、『ご迷惑おかけするかもしれませんが…』とひと声かけておくとよいでしょう」
「 言葉が理解できるようになる1歳〜2歳の子どもには、『静かにしていようね』と本人に直接話しかけるのがポイント。“お約束”は子どもにも伝わりやすいですし、周囲の人もきっと温かい目で見てくれることでしょう」
子育ては、万全に準備したつもりでもハプニングがつきもの。人の手も借りながらベストを尽くす、そんな気持ちで赤ちゃんとの旅を楽しみたいですね。