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子どもの誤飲どう防ぐ? 種類別の危険度・症状&対処法も紹介!

乳幼児のころは、身の回りにあるものを何でも口に入れてしまう時期ですよね。動き回れるようになると、いろいろなところに手が届くようになり、より一層注意が必要になります。 

そこで今回は、子どもが誤飲しないための予防策と、誤飲してしまったときに起こる体の変化や対処法などをNPO法人「Safe Kids Japan」理事長で小児科医の山中龍宏さんに聞きました。

大切なのは誤飲させないこと! 基本的な予防策とは?

おもちゃなどを口にし、喉につかえて窒息してしまったり、体内で影響が出るものを飲み込んでしまったりと、何でも口に入れて確認する時期や、いろいろなものに興味がありすぐに手を伸ばす時期は気をつけたいものです。中でも今回は、飲み込んではいけないものを口にしてしまう「誤飲」について詳しく教えてもらいます。

そもそも誤飲とは何を指すのでしょうか。

有害なものや危険なものを飲んでしまうことを『誤飲』といいます。食品であっても、その子どもにとって有害または危険であれば、それは『誤飲』です

家の中で何気なく置いてあるものの中にも、子どもにとっては危険なものがたくさんありますよね。まず気をつけなければならないことはどんなことでしょうか。

「一番大切なのは、誤飲させないために予防策をしっかりとっておくことです。対象がどんなものであっても、基本的にとる対策は同じです」

それでは、乳幼児が口に入れたら危ないものについての予防策を教えてください。

(1)見せない

医薬品、栄養ドリンク、タバコなど、口にしているところを子どもに見せないこと。洗剤や化粧品についても同じです。とくに、きれいなパッケージは子どもが興味を持ちます。『口に入れたら危ないな』と思うものは子どもに見せないことが基本です」

(2)触れさせない

「よく子どもの手の届かないところにしまいましょうと言われていますが、手の届かないところは月齢・年齢によって変ります

出典:NPO法人 Safe Kids Japan発行「子どものやけどを防止するために」

上記イラストのように、『高さ』と『奥行き』の合計で「手の届かないところ」を判断します。子どもが踏み台になるものを持ってきたり、自ら棚の上によじ登ったりすることもありますね。『高さ+奥行き』を目安に考えるとよいでしょう」

「また、手の届かないところに置く場合にも、見えない工夫が必要です。できれば、鍵のかかる容器に入れ、中身が見えないように保管しましょう」

医薬品やタバコなどは、捨てる場所も同じ考え方で処分します。ゴミ箱から拾って口にすることもあるので、ゴミ箱は開けにくいフタのついたものを使う、中身が見えないようにするなどの対策をしましょう」

(3)簡単に開けられない容器に入れる

「CRSF(Child Resistant & Senior Friendly Packaging=乳幼児に安全で、かつ高齢者にも扱いやすい包装)」という医薬品の容器があるのをご存知でしょうか。子どもが簡単に開けられない容器なので、このような容器に入れておけば、子どもが容器を開ける可能性を低くすることができます。調剤薬局で『CRSF容器に入れてください』と言うと、対応してくれる場合があります

(4)ペットボトルなど飲料の容器に移し替えない

「洗剤や剥離剤など、飲料でないものを飲料の容器に移し替えてしまうと、間違えて飲んでしまう可能性があり危険です」

(5)しっかりコミュニケーションをとる

「大人同士のコミュニケーションがとれていないと、両親や祖父母などが互いに気づかずに薬などを重複投与してしまうことがあります。また、上の子が乳児の口に危険なものを入れてしまう場合もあるので、上の子への指導も重要です。上の子の年齢や判断力によっては、乳児と同様の対策をとった方が良い場合もあります」

(6)自宅以外の対策も忘れずに

「毎日、自宅で対策をとっていたとしても、たまに訪問する両親の実家や友人宅では同じようにはいきません。訪問前にあらかじめ誤飲対策、特に『見せない』『触れさせない』『別の容器に移し替えない』をお願いしておくことが重要です」


誤飲してしまったら体内でどんなことが起こる?

万が一、誤飲してしまったら、体にはどんな影響があるのでしょうか。子どもの誤飲が多い品目別に、それぞれ体内で起こることを教えてもらいました。

医薬品

飲んだものの成分・量、飲んでからの経過時間などにより異なります。医療機関を受診する時は、何をどれくらい飲んだのか、飲んでからどれくらい経つのか、をはっきり伝えます

「医薬品は、高血圧薬、糖尿病薬、向精神薬など、サプリメントも含め、子どもが飲むと危険なものばかりです。中毒症状を起こしたり重症化したりする場合もあります」

栄養ドリンク

「長期にわたって飲むとカフェイン中毒になる場合がありますが、乳幼児が1回飲むだけならさほど心配はありません。経過をよく観察し、ふだんと違う様子が見られれば、医療機関を受診します

ボタン電池

「食道にとどまると数分のうちに粘膜がただれ始め、大動脈に穴があいて死亡することがあります。怖い話ですが、実際にそういったケースもあります。『飲み込んだ』ではなく『飲み込んだかもしれない』という場合でも、大至急医療機関へ行きましょう」

タバコ・加熱式タバコ(カートリッジ)

「乳幼児では摂取量が少ないので、2cm以下の量であれば経過を見れば大丈夫です。火をつける前のタバコも、吸い終わったタバコも、どちらも危険性は同じです」

食器用洗剤・洗濯用洗剤・漂白剤

「中毒症状を起こしたり、重症化したりする場合があります」

防虫・殺虫用品

「中毒症状を起こします。とくに樟脳(しょうのう)やナフタリンは危険です。水は飲ませてもいいですが、牛乳は飲ませてはいけません

食品保存・乾燥剤

「中毒症状を起こしたり、重症化したりする場合があります」

シャボン玉液

「中毒症状を起こしたり、重症化したりする場合があります。幼い子はうまく吹くことができずに誤って液を吸い込むことがありますので、4歳〜5歳になるまでは十分注意が必要です。また、シャボン玉遊びをする場合は、誤飲を防ぐため液を保管せずに1回ごとに使い切りましょう

灯油

「気管に入ると肺炎になることがあります。灯油は高いところに置くことは困難なので、極力『見えないところ』に保管するようにします。灯油缶に給油用のポンプを挿したままにしないようにします」

除光液

「中毒症状を起こしたり、重症化したりする場合があります。除光液の主成分である『アセトン』は気化しやすく、気化した高濃度のアセトンを吸い込むと、気管支炎などを引き起こして意識を失うことがあります」

「また、アセトンは空気よりも重いため床近くに溜まりますので、床に子どもが寝ていると中毒になる可能性があります。除光液を使用する時は窓を開けるなどして換気をし、使用済みのコットンはすぐにフタつきのゴミ箱に捨てましょう」

まずは様子を見て済むものや、すぐに医療機関に行ったほうがいいものなど、品目によってさまざまだということがわかりました。まずは慌てずに、子どもが何をどのくらい口にしてしまったのか把握しましょう。


誤飲したらまずは専門機関に相談!

それでは、万が一誤飲してしまった場合の対処法を教えてください。

「対処法は、飲みこんだものによって異なります。水や牛乳を飲ませて吐かせる場合もあれば、牛乳は厳禁というものもあります」

いざという時に対処法を誤るとさらに重症化することもありますし、スマートフォンで対処法を検索しているうちにどんどん悪化する場合もありますから、まずは専門機関に相談してください

誤飲した場合のもっとも良い対処法は、「専門機関に相談してその指示に従うこと」。もし、専門機関がわからない、つながらないという場合は迷わず119番通報することが大切だそうです。

誤飲してしまったときは……

1.日本中毒情報センター
電話で相談ができます。

公式サイトはこちら

2.各自治体が設置している救急相談窓口に連絡する
自治体によっては小児救急の相談窓口を設置していて、地域の保健センターなどが情報を提供しています。

いざという時のために、住んでいる地域の相談窓口の電話番号などを登録しておくと、慌てずに素早く対応できそうですね。

何でも口に入れてしまう乳幼児の誤飲を防ぐためには、保護者や保育者が予防策を知って実行することが何より重要です。大人にとっては害のないものでも、子どもにとっては危険なものが身の回りにはたくさんあります。もしもの事態を避けるためにも、危険性があるものはなるべく子どもから遠ざけてあげたいですね。

お話を聞いたのは…

  • NPO法人 Safe Kids Japan

    国際組織であるSafe Kids Worldwide(本部:米国ワシントン)や国立成育医療研究センター、産業技術総合研究所等と連携し、子どもの事故に関する調査・研究、エビデンスに基づいた啓発活動、製品開発の協力やアドバイス、政策的提言等、幅広く活動を展開している非営利活動法人。

  • 公式サイト
  • 理事長・山中龍宏氏の公式ページ
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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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