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子供の「集中力」が上がる食事はコレ! オススメ食材&食べ方も

掲載日: 2018年11月7日更新日: 2018年11月7日いこーよ編集部

子育て中のママやパパの悩みとしてよく聞かれるのが、「子どもの集中力が持続しない」というもの。一つのことを継続して行うことが苦手な子どもは多いですが、そんな子どもの集中力を「食事」でアップさせる方法があればぜひ試してみたいですよね。

そこで今回は、子育て両立・共育支援事業を行う「エスキッチン」で食育サポーターとして活躍する管理栄養士の川島美由紀(かわしま・みゆき)さんに、「食生活で子どもの集中力をアップさせる方法」を教えてもらいました。

集中力アップに欠かせない栄養素は主に3つ!

子どもの集中力や記憶力を高めるには、まず脳をしっかりと動かすことが重要です。

「脳は身体のさまざまな臓器の中でもとくにエネルギーの消費量が多く、人間が1日に消費するエネルギーの約20%が必要だと言われています。それだけ多くのエネルギーを必要とするため、大前提として、食事は1日3食しっかりと摂ることが重要です

さらに、脳の働きを活性化させて集中力や記憶力を高めるために、必要となる主な栄養素は次の3つです。

ブドウ糖

血液中にある「ブドウ糖」は、脳の主要なエネルギー源。多く摂取することで、脳が活性化されます。ブドウ糖は炭水化物から分解して作られるので、ご飯やパン、麺やいも類、糖分などを食べることで摂取できます

DHA(ドコサヘキサエン酸)

脳の発達に欠かせない「DHA」は、人間の体では作り出せない必須脂肪酸。脳内の神経伝達細胞である「シナプス」と呼ばれる部分の材料となり、記憶力や集中力を促進します。まぐろや鮭、青背魚(ひかりもの)のいわしやさんまなどに多く含まれます

鉄分

さらに集中力を高めるために必要なのが「鉄分」。鉄分が不足すると、血液の量が少なくなり、いわゆる鉄欠乏性貧血になります。そうなると全身に十分な酸素が行き届かず、脳が酸欠状態になり集中力がなくなってしまいます。鉄分は、豚肉などのレバーや卵の黄身、 あさり、納豆、モロヘイヤ、ほうれん草などに多く含まれます

この3つの栄養素を多く含む食事を心がけるだけでも、子どもの集中力をアップさせる効果が期待できそうですね。3つの栄養素を摂取できる献立メニューも参考にしてください。

【献立メニュー例】
(朝)ごはん、焼き鮭、ほうれん草と豆腐の味噌汁
(昼)まぐろアボカド丼、あさりとわかめと水菜の酢の物
(夕)パン、牛もも肉のトマト煮、ポテトサラダ


食べあわせでさらに効果がアップ!

脳を活性化させて集中力を高めるためには、炭水化物となる主食(ごはん、パン、麺類など)と、DHAや鉄分を多く含むおかず(魚や肉類など)を食べる必要があるとわかりました。ほかに注意したいポイントはありますか?

「これらの栄養素をより効果的に摂取するには、ビタミンCが豊富な野菜類を一緒に食べることも大切です

脳を活性化するために必要な「鉄分」は、体内での吸収が悪いため、鉄の吸収率を高めるビタミンCと一緒に摂取することで効果が高まるそう

「鉄には『ヘム鉄』と『非ヘム鉄』の2種類があり、赤身肉やレバー、かつおなどの動物性食品に多く含まれるヘム鉄の方が吸収率は高いです。一方、ほうれん草や豆類などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄は吸収率が非常に低いので、吸収率を高めるビタミンCと一緒に摂取するうようにしましょう

ビタミンCは、ブロッコリーや、赤パプリカ、レモン、柿、キウイフルーツに多く含まれているそう。鉄分の多いカツオのたたきにレモン汁を絞ったり、副菜(おかず)にブロッコリーと卵のサラダを添えたりするのがオススメです。


「よく噛んで食べる」ことも大切!

また、集中力を高めるためには、食事をする時によく噛むことも大切だそう

「食事をするときによく噛んで食べると、脳神経の働きが活発化します。口を開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養が送られるためです

「よく噛むことは『セロトニン』というホルモンの分泌を増やすと言われています。セロトニンは精神を安定させる作用があり、心が安定することで集中力がアップします。プロのスポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるシーンをよく見かけますが、あれも同じ理由です」

食材選びや調理法で噛む回数をアップ!

よく噛んで食べるには「一口につき30回噛むと良い」などと言われていますが、相当意識して食べないとなかなか難しいもの。そこで、しっかりと噛んで食べる習慣を子どもに身につけさせるためにオススメなのが、食材選びや調理法によって自然と噛む回数を増やす方法です

ごぼうや、れんこん、にんじん、山芋、こんにゃく、タコ、するめいかなど、噛み応えのある食材を料理に取り入れると、咀嚼の回数を自然に増やすことができます。ひき肉料理より固まり肉を選んだり、ご飯に雑穀などを入れるのもオススメです」

【咀嚼の回数を増やすメニュー例】
・根菜たっぷりのビーフシチュー
・とんかつ
・鶏肉とカシューナッツの炒め物
・きんぴらごぼう
・こんにゃくの煮物
・具だくさん味噌汁

食材をわざと大きめに切ったり、固めに茹でる、皮を剥かずに調理するといった方法も効果がありそうですね

食材や調理法を変えるだけで子どもの集中力アップが期待できるのであれば、ぜひ試してみたいですね。毎日の食事メニューの参考にしてください。

お話を聞いたのは…

  • 川島 美由紀(管理栄養士・食物アレルギー栄養士(給食管理分野)・産前&産後食アドバイザー・エスキッチン食育サポーター)

    大学卒業後、建設会社に勤務。医療系ベンチャー企業に転職し、全国約800の医療機関に食事指導支援サービスの企画開発・運営全般に携わる。その後、特定保健指導の委託会社に転職。今までに食事指導した延べ人数は、12000人以上。現在は、”料理を通して子どもの「自信」を共に育むエスキッチン”の企画開発・運営全般に携わりながら、保健センターの1歳半健診時の栄養相談・離乳食指導、ミス・グランド2018ファイナリストの栄養サポート、糖尿病患者向け・薬膳レシピ開発などで活躍中。

  • エスキッチン

ライター紹介

いこーよ編集部

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