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【世界の子育て:赤道ギニア】教育・医療・結婚など違いが満載!

文化や習慣が違えば、子育ての常識も変わるもの。そこで、世界の子育て事情を国別にシリーズで紹介していきます。海外ではどんな子育てが行われているのか、実際に現地で暮らすママに実情を明かしてもらいます。

第8回目は、アフリカ大陸にある人口100万人足らずの赤道ギニア。首都のマラボ市在住で、3人の子どもを育てる近藤じゅんさんに現地の実情を聞きました! アフリカ大陸のなかでは、比較的裕福な水準という赤道ギニア。お手伝いさんを雇う家庭も多いそうです。

【世界の子育てシリーズ】各国の子育て事情をチェック!

赤道ギニアってどんな国?

海の向こうにカメルーンの山が見える首都・マラボの街並み

赤道ギニアは、アフリカの中央部、カメルーンとガボンの間に挟まれた人口100万人足らずの小国です。四国の1.5倍ほどの大きさで、国土のほとんどが熱帯雨林です。首都マラボは大陸部ではなく、大陸沖に浮かぶ島に置かれています。

海底油田を有していて、天然ガス・原油業が主要産業です。2018年11月現在、赤道ギニアでは「CFAフラン」という通貨を使用しています。ちなみに、1CFAフランは約0.20円です。アフリカ大陸の中では比較的裕福ですが、それでも法定最低賃金は月125,000CFAフラン (約25,000円)。給与は職種により差がありますが、事務職200,000CFAフラン (約40,000円)〜、技能職400,000CFAフラン (約80,000円)〜あたりが相場です。

都市部のインフラは充実しており、インターネットも携帯のデータ通信を中心に普及しています。国民の大半はカトリック教徒ですが、伝統的に一夫多妻制の部族が多く、法的にも認められています。

【学校教育】授業は毎日半日! 学校の数も多い

授業では活発に手が挙がります

赤道ギニアはアフリカ大陸で唯一の旧スペイン領とあって、公用語はスペイン語です。教育制度もスペインと同じ、小6、中4、高2制です。授業はスペイン語で行われ、外国語の授業でフランス語か英語を学びます。

きょうだいは、3人は当たり前で、5〜6人も珍しくないという子だくさんのお国柄。必然的に学校の数も多く、公立校のほか、インターナショナルスクールから民家を改造したような小さな学校まで、私立校も無数にあります。

授業料は、公立校がほぼ無料、インターナショナルスクールなど高いところで年間2,000,000CFAフラン(約400,000円)、私立校だと年間100,000〜150,000CFAフラン(約20,000〜30,000円)程度です。

校舎も制服もカラフル(写真は毎朝行われる校歌斉唱・国旗掲揚の様子)

小中高ともに授業時間は半日のみで、毎朝8時に校歌斉唱・国旗掲揚とともに始まり、13時ごろに終わります。なので給食もありません。狭い学校では、午前中は小学校、午後は中学校という風に時間帯で分けているところもあります。

【子育てと労働環境】30代で孫の世話も! お手伝いさんも一般的

アフリカでは、基本的に子育ては女性の仕事です。父親は金銭面での面倒はみますが、いわゆる「イクメン」はほぼ皆無です。

赤道ギニアの女性は、早い人で15歳〜16歳で第一子を出産し、20歳で1〜2人の子持ちという人が多いです。そのため、30代で孫がいるというケースもみられます。

年齢が若いおばあちゃんや、姉妹、姪など、赤ちゃんの面倒を見てくれる人手には困らず、大家族制が働くお母さんを支えています。また、赤道ギニアではお手伝いさんが月100,000 CFAフラン(約20,000円)程度で雇えるため、共働き家庭では、お手伝いさんを雇うのが一般的です。お手伝いさんを雇う余裕がない場合は、親戚の女の子が住み込んで、学校に通わせてもらう傍ら、家事手伝いをするケースもよくあります。

国で定められた産休は3カ月。ただし、これはあくまで公務員など正規雇用者の場合です。正規雇用での契約がなく、出産や育児のたびに仕事を辞め、手が離れたらまた別の仕事を探すという女性も多くいます。


【生活】子どもはたくさん親を手伝う! 12歳で家事のすべてがこなせる!

アフリカの子どもたちは、とにかくお手伝いをします。水汲み、皿洗い、洗濯、おつかい、きょうだいの面倒…。特に女の子は、12歳ごろには家事すべてこなせて当たり前です。しかも、大人に何か言いつけられると、すぐに「ハイッ!」と素直に返事をして動きます。

大人の言うことは絶対で、口答えなど一切ありません。理由については、「子どもが小さいうちから、言うことを聞かないと叩いて覚えさせるから」とされていて、少し悲しいものですが、現実でもあります。

日本やヨーロッパでは体罰は良くないとして、子どもを叩くことはなくなりましたが、アフリカでは家庭での体罰はまだまだ当たり前です。学校でも、ひどい体罰は少なくなったものの、定規で手のひらを叩くなどの行為は行われています。

それとは別に、親自身も自分の親や長老に敬意を払っているので、その姿を子どもが見て、自然に目上の人を敬い、礼儀正しくなります。そうしたアフリカの子どもたちを見ていると、「しつけとは何か」をいつも考えさせられます。

休日は“自由な形で楽しむ”アフリカ流

マラボ市から車で20分の場所にあるシポポビーチ

首都・マラボ市周辺で人気のレジャースポットは、ビーチや遊具のある公園です。最近できた国立公園では、VRゴーグルやバランススクーターの貸し出しがあり、市民に人気です。

一方で、雨天でも楽しめるレジャー施設は、首都のマラボ市でもほとんどありません。市内にひとつだけの映画館は長らく故障中、ショッピングモールも皆無です。市内にひとつしかない室内遊具のあるファーストフード店が唯一の選択肢です。

そもそも、レジャーに出かけて子どもを楽しませようとするのは、外国人または外国によく行く裕福な家庭くらいで、多くの親はそういう発想そのものがありません。子どもたちの夏休みは3カ月ありますが、特にどこにも連れて行ってもらえず、毎日近所の子と遊ぶのみ。それでも、リズム遊びやゴム跳びなどで、暗くなるまで外でワイワイ遊んでいます。

多くの家庭では、親戚の家を訪ねることが一種のレジャーになっています。週末に親戚の家に出かけて、親はおしゃべりに花を咲かせ、子どもは親戚の子と遊んで過ごします。誕生日パーティーなどがあれば、子どもそっちのけで大人はビールを飲み、好きな音楽をガンガンかけ、踊って楽しむ。子どもは子ども同士、大人は大人同士でそれぞれ勝手に楽しむのがアフリカ流なのです。

意外と少ない「母乳オンリー派」

アフリカのお母さんは、外でも堂々とおっぱいをあげており、周囲もごく自然なことと受け止めています。当然、みんな母乳育児と思いきや、意外と粉ミルクとの併用、または専用が多いようです。粉ミルクを使う理由は、赤ちゃんがよく太るから。「粉ミルクの方が母乳よりも栄養がある」と考えるお母さんが多いです。

食事によって10倍近い価格差が発生

「魚のモディカソース」と、付け合わせの「ユカちまき」

赤道ギニアの主食は、ユカ芋(キャッサバ)の粉を蒸して、バナナの葉で包んで発酵させた「ちまき」のようなものか、ゆでるか揚げるかした食用バナナ、「ガリ」と呼ばれる穀物の粉を練ったお餅のようなペーストです。

スモークチキンと葉野菜の煮込み

これらにパーム油やモディカという実、またはカカオなどをベースにした各種のソースで肉や魚を煮込んだものをかけて食します。こうした地元の食材は安く、食堂や屋台でも一食1,000〜2,000CFAフラン(200〜300円)ほどで食べられます。

ですが、ピザやスペイン料理など外国人向けの食事になると、5,000〜10,000CFAフラン(1,000〜2,000円)に跳ね上がります。子どもに欠かせない牛乳も、地元の子どもが飲む粉乳は安いですが、パックの牛乳は1リットル1,000CFAフラン(200円)以上します。国内の農業が発展していないので、たまねぎやトマトなど基本的な野菜も輸入に頼っており、周辺国に比べると割高です。

ちなみに、赤ちゃんに使うおむつもすべて輸入なので、24枚入り1パックで2,000円以上と高額です。

【医療】一番かかる病気は「マラリア」  「呪術医」の存在も!

アフリカといえば、マラリア、チフス、黄熱病などの病気を連想する人も多いと思います。実際、マラリアとチフスは、子どもが1番よくかかる病気です。ですが、現地の人にとってマラリアは、日本のインフルエンザのような感覚で、特に大騒ぎはしません。

また、赤道ギニアでは、公立病院の小児科診察料が約200円程度で、マラリア薬は無料でもらえます。乳幼児への各種ワクチンも無料です。熱が出た時点で検査をし、陽性なら抗マラリア剤を服用すれば、すぐに治ります。

まだまだ信じられている「呪術医」

一方で、怖いのは、医学的なアプローチではない呪術医がいることです。アフリカ全域では、今でも伝統の薬草や儀式で病気を治す「呪術医」と呼ばれる人が数多くいます。実際の病気もわからず、解熱剤や呪術医の薬などで症状をごまかし、時間が経って重症化してしまう場合もあります。最悪、取り返しのつかないことも。

呪術医は病気だけでなく、恋愛沙汰から隣人トラブル、就職、運勢まで、さまざまな悩みをおまじないや伝統薬で対処し、人々に広く信じられています。西洋医学よりも呪術医を信用する人も少なくありません。


【宗教・伝統】キリスト教と土着信仰が共存&一夫多妻制の結婚観

国民のほとんどはカトリック教徒ですが、プロテスタント系の教団信者も増えています。一方で、伝統の土着信仰も根強く残っていて、外来宗教と共存しています。毎週日曜に教会に通う一方で、重い病気になったり、災難が続くと、村の呪術医を呼んだり、伝統のお祓いをしたり。結婚も、教会での結婚式とは別に部族伝統の結婚式も根強く残っており、両方で式を執り行うカップルが多いようです。

部族伝統の結婚観

多くの部族の伝統では、花婿の家族から花嫁の家族にお金を納めないと正式な結婚になりません。結納金のようなもので、赤道ギニアでは「ドテ」と呼ばれ、これがないと何人子どもがいても正式な夫婦とは認められません。

この状態で「離婚」をした場合、父親は子どもの親権を主張できず、子どもの親権は母親が持ちます。反対に、ドテを納めて結婚しても、後に離婚すると、妻の家族はドテを夫に返金しなければなりません。

また、晴れて正式な夫婦となっても、妻にとって油断は禁物です。カトリックでは禁止ですが、伝統的に一夫多妻制の部族が多いため、夫が第二夫人、第三夫人を迎える可能性があります。特に、妻と姑との折り合いが悪い場合、姑が第二夫人を探し出してきて息子に薦めるなんてこともよくある話です。

赤ちゃんにまつわる風習

赤ちゃんを守るたくさんのお守り(セネガルにて)

アフリカでは、お腹や手首にひもや布を巻きつけられた赤ちゃんをよく見ます。これはお守りで、病気やケガだけでなく、妬みでかけられる呪いからも守ってくれるといいます。

また、赤道ギニアの「ファン族」という部族には、赤ちゃんが生まれると、親族や近所の女性が一堂に会して、赤ちゃんを歌で祝うという風習があります。女性たちは輪になり、順繰りに「赤ちゃんがかわいい」、「賢い」と、即興の歌で称え、踊ります。赤ちゃんは部族みんなの宝なのです。

以上が、赤道ギニアの子育て事情です。次回はフランス編をお届けします。

ライター

近藤じゅん(こんどうじゅん)
スペインで十数年、ライター・編集として働いた後、5年前に赤道ギニアに移住。現在、首都マラボで会社勤めをしながら、7歳、11歳、15歳の三姉妹を子育て中。スペイン語翻訳・通訳歴20年。

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いこーよ編集部

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